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週刊 マーケットを読み解くゼミナール 2021年6月7日

週刊 マーケットを読み解くゼミナール

2021年6月7日号                     

講師:神代龍児(こうじろりゅうじ)


【底固い値動きの中、イベントを意識】


<イベント(FOMCとSQ)を意識>
 今週の東京市場は国内での新型コロナワクチン接種の拡大や、米国の長期金利の落ち着きを背景にして底固い値動きが予想されます。特に、コロナ禍で業績が圧迫されてきた内需関連企業が先週と同様に注目されそうです。
なお、週の半ばにかけて、6月限先物・オプションの清算に絡んだ戻り売りが出る可能性はあるものの、逆に裁定買いポジションを積み増す動きが下値を支えることが想定されます。


 一方、米国でも、「景気回復と金利の落ち着き」という、株式市場にとって程良い環境(ゴルディロックス)を背景に、株価は引き続き底固い値動きが想定されます。NYダウは、21ドル余りに迫っている過去最高値(5月7日終値34777ドル)を更新する可能性が高まっています。また、ナスダックも米10年債利回りの落ち着きが押し目買いにつながっています。


 ただ、現地15-16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する思惑が米10年債利回りを動かし、それがナスダック指数に影響を与え、さらにその動きがNYダウや日経平均株価にも波及するとみられます。したがって、日米ともにワクチン接種の進展を好感した高いが続く一方、FOMCへの思惑が上値を抑える構図が想定されます。


 なお、米10年国債利回りは足下で、4月22日以来の水準(1.557%)に低下しています。先週末に発表された米雇用統計が予想を下回ったことや、今月4-5日にイギリスで開かれていたG7(主要7か国)財務大臣会合で、各国の共通の最低税率について、「15%を下限とする最低税率の導入を目指すことで一致した」ことが、国債利回りの低下につながりました。


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