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週刊 マーケットを読み解くゼミナール 2021年5月31日

週刊 マーケットを読み解くゼミナール

2021年5月31日                        

講師:神代龍児(こうじろりゅうじ)


【米雇用統計の発表に向けて一進一退】


 今週の日経平均株価は米雇用統計の発表(現地6月4日)を待ちながら、一進一退になりそうです。同統計が今後の米株価の方向を決める可能性があるためです。


過去3週間の株価の乱高下を通じて、指数の銘柄入れ替えに関連する日本株売りが株価に織り込まれた格好でした。ただ、緊急事態宣言が延長されるなど新型コロナ感染による景気の悪影響に対する警戒感が根強く、海外投資家からの売りが上値を抑える可能性があります。一方、感染収束が近づき景気が急速に回復している米国を参考に、将来的な国内の感染収束を期待した押し目買いが下値が支えられるとみられます。


 その米国市場は、新型コロナワクチンの接種が進み、経済が正常化に向かうとの見方を背景に底固い値動きが続きそうです。なお、米国の100人当たりの接種回数は87%に上ります。そうした中、ISM景況指数(製造業が現地6月1日、非製造業が同3日に発表予定)や雇用統計を手掛かりに、NYダウが強い上値抵抗線として意識される35000ドル水準を突破できるのかが注目されます。


 また、ナスダックは、米長期金利の落ち着きを背景に短期上昇トレンドを形成しています。先週末は好決算を発表した画像処理半導体(GPU)製造のエヌビディア<NVDA>が買われるなど、半導体株への買いも支援材料になりました。今週発表される主要経済統計により米長期金利が再び上昇基調に転じることがなければ、ナスダックは14000ポイントの節目に向かいそうです。

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