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週刊金相場展望 2021年7月5日号

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投資日報社の代表取締役社長であり、サイクル分析の大家でもある、鏑木高明が毎週執筆を行っている金相場展望のレポートとなります。

鏑木高明 プロフィール
関西学院大学経済学部卒。1995年に世界的に著名な米国のマーケットアナリスト、レイモンド・メリマン氏と提携、国内初の相場サイクルとアストロロジーレポートを発行。


現在、投資日報社 代表取締役 

投資日報出版 代表取締役

(株)ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ取締役、日本テクニカルアナリスト協会会員。
サイクル、アストロロジーを活かした相場分析には定評がある。
投資日報α編集長


米労働省が2日発表した6月の雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比85万人増と、市場予想70万人増を上回り、好調を維持した。ただ、失業率は5.9と0.1ポイント上昇。就業者の増加は6カ月連続で、増加幅は、市場の予想を大きく上回ったが、失業率の上昇は国の手厚い失業者対策が労働者の働く意欲を低下させていると指摘する声もある。ただ今後、多くの州が失業給付の上乗せを前倒しで終了することで、失業率も低下し、労働力の供給制約が今後緩和するとの見方が根強い。


 さて、市場では、FRBが8月26~28日のジャクソンホールでの経済シンポジウムで量的緩和の段階的縮小が発表すると見ているようだ。2022年の初頭にも量的緩和の縮小が始まったとして、2022年中に利上げが始まると見る向きも多い。そんな中、先週末は金利が低下、10年債利回りは1.47台から1.42台へ。一方、金相場は前日比6.5ドル高の1,783.3㌦と3日続伸となった。

金利低下局面での金の反発は理にかなっているものの、経済の回復力が強まり、テーパリングの開始が近い将来予想される中にあって、金利の低下は腑に落ちない。通常なら金利が上昇し、金が下落する流れを予想する向きが多い。しかし6月以降の金の下げがその流れを先に織り込んだということも考えられる。


実際、チャートからは4月上昇分に対する訂正が62%(1,769㌦)をややオーバしたものの、誤差の範囲内で止まった(6月29日期近1,763㌦)。ただ上述の金利上昇懸念が今後、金利市場に反映されてくると、金が再度下落する懸念は残されている。この辺りが本腰を入れて強気で対処していくことを躊躇させる要因にもなっている。


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