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週刊金相場展望 2021年8月30日号

投資日報社の代表取締役社長であり、サイクル分析の大家でもある、鏑木高明が毎週執筆を行っている金相場展望のレポートとなります。

鏑木高明 プロフィール
関西学院大学経済学部卒。1995年に世界的に著名な米国のマーケットアナリスト、レイモンド・メリマン氏と提携、国内初の相場サイクルとアストロロジーレポートを発行。


現在、投資日報社 代表取締役 

投資日報出版 代表取締役

(株)ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ取締役、日本テクニカルアナリスト協会会員。


サイクル、アストロロジーを活かした相場分析には定評がある。
投資日報α編集長


先週のビッグイベントであった、国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル議長のオンライン講演は、量的緩和策について、景気回復が続けば年内の縮小開始が適切との考えを示唆した。ただ、早期の量的緩和縮小を促すタカ派的な内容ではなく、「年内の着手が恐らく適切」と時期を明確に示さなかったことでやや不透明感を残したと言えるが、インフレの上振れは「一時的な」現象との見方を維持しつつ、縮小開始が早期の利上げを意味しないとくぎを刺し、ハト派姿勢を堅持した。


 ここで示されるFRBの金融政策はほぼ示現性が高いことが過去の例で示されてきたことから、市場は既に年内のテーパリングの開始は確実との見方を強めているが、各市場の反応は一言でいえば“材料出尽くし”的な動きで既に織り込み済みと言ったところか。あるいは市場はややタカ派的なコメントを期待したとも言える。


各市場、先ず先週の10年債金利は26日に8月12日以来の1.375%台を付けたあと、議長の講演後には1.304%まで低下。この影響でドルは売られ、ユーロと金が買われたのは定石的な動きといえよう。


先週のNY金相場(期近)は1,819㌦と、8月5日以来の1,800㌦台に乗せとなった。これは8月9日につけた安値1,680㌦が今年の最安値圏でトリプルボトムをつけたことを示唆する動きだ。


先週次の通り述べた「今週、パウエル議長の講演で少しでもハト派的なコメントが散見されれば、目先、ドルは頭打ちになろう。次に93を割り込んでくると、91台へと下落してもおかしくない。しかし、今年の動きの中ではドルはまだ上昇する余地は残していると見られる。調整終了後は再び反騰するだろう。今週はFRB議長講演次第だが、ハト派的な見通しの下、ドルの下押し、金の反発を期待する」。


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