【じっちゃま】今、米国株を買うべきでない5つの不確定要素【広瀬隆雄】 toushikun_ch 2021年10月7日 00:58 アメリカ株は、たくさんの不確定要素が解決していない。具体的に5つの不確定要素を上げると①企業業績が下がり始めている。②長期金利が上昇し始めている。③いよいよテーパリングが始まる。④連邦債務上限引き上げ問題が解決していない。⑤中国恒大集団(Evergrande Group)のデフォルト懸念。となる。これらを、広瀬隆雄氏が解説する!Takao Hiroseチャンネル↓https://www.youtube.com/channel/UCUBsNuW9TFDO5TNIc6OnLwwじっちゃまのnote(定期購読がオススメ)↓https://note.com/hirosetakao/じっちゃまのTwitter↓https://twitter.com/hirosetakao以下、動画内容の書き起こしです。チャンスを逃すリスクとスコーンとやられるリスクどっちが大きいかというと後者のほうがはるかに大きいと思ってますよ。だからリスクリワード的に今は見合わない。今マーケットで起こってることについて喋りたいんだけども米国株をめぐる環境を考えた場合懸案、問題、そういったものは何一つ解決してないと思うんですね具体的には何が今その問題になってるかというと1.企業業績が下がり始めてるということかなり、下がり始めています。2.長期金利が上昇し始めてるということこれもかなり上がりはじめてます。3.さっき言ったように、いよいよテーパーが来る。11月頃だと思うけどね。ということ。4.連邦債務上限引き上げ問題が解決してない。ということですよね。下手すれば11月くらいに米国債がデフォルトするかもしれない5.最後のポイントで、中国恒大集団それがデフォルトしそうなことということですねこれだけたくさんの不確実性不透明要因があるんで投資に際しては、十分気をつけながら進めていく必要があるんじゃないかな、と思います。まず最初のポイントなんだけれどもSP500のコンセンサスEPS(1株当たりの純利益)つまり企業業績ですよね。それが下がり始めてる問題なんですけれども実は年初来、つまり、1月以来ね一回も下がったことないんですよ。S&P500のコンセンサスEPS予想は。10日ほど前から、それがズルッズルッと下がり始めました。だからこれは新しい現象ですよね。それに加えてそもそも前年比較で見たSP500のEPS成長ねそれがこの前の決算つまり2021年度第2四半期決算では前年同期比プラス87%ということでポーンと、ものすごく業績が跳ねてたのね。つまり、米国企業は絶好調だったわけですよ。だから株が高かったんだけれども。で、今は、つまり第3四半期の予想はそれがプラス24%に落ちてくる、ということですよね。だからその業績予想を下方修正されるとかなんとかっていう以前の問題として既にコンセンサス予想は減速を織り込んでいたんだとそれがさらに下がり始めてるということを問題にしてるわけですよね。じゃあ何故、コンセンサス予想が下がっているのかというと、それは新型コロナのデルタ変異株が蔓延して経済の再開がちょっともたもたしたということ。中国でもデルタ変異株が蔓延しました。それで一部の都市ではロックダウンみたいなこともあった。そんなこんなでクリスマス商戦期間に向けての色んな商品の出荷ですよね中国の港で積み込んでアメリカの例えばロサンゼルスの郊外にロングビーチというコンテナ港があるんですけどそういったところで陸揚げされるわけですけどもそういう海運ですよねそのロジスティクスサプライチェーンそれが乱れを生じてるだからひょっとしたらクリスマスの商品が間に合わないかもしれないというような懸念も出てます。そんなこんなでコンセンサス予想が下がって来ていると思うんですよね。もう一つ、半導体不足ですよね。それによってフォードとかゼネラルモーターズとかそういうアメリカの自動車メーカーが手待ちになって自動車を完成できない、ということで一部生産ラインを止めたりなんかしてます。だからそういうサプライチェーンの問題がまだくすぶっている、とそれなんかもコンセンサス予想が少し下がってきているもう一つの理由だと思うんですね。それから長期金利も上昇し始めてます。FOMCの後で株式の方は全然凪ぎのような状態で特に異変は起きてないんだけれども債券は明らかに売られてるということですよね。債券市場の参加者は先週後半のマーケットの動きを見てこれは「Delayed Taper Tantrum」だと"Temper tantrum(癇癪)"を捩った造語ような言い方をする人もいました。「Delayed」っていうのは「遅れた」っていうことですよねつまり、遅れてきたテーパータントラムが債券市場に起こっている債券が売られている。債券利回りは価格の逆になりますので利回りは上昇するということですね。そして利回りが上昇するとなぜそれが良くないかというと債券利回りと株式バリュエーションというのはシーソーの関係にあります。だから債券の利回りが上昇すると株式は自ずと下がるそういう関係になってるんですよね。逆に債券利回りが下がってくると、株式は上がる。そういう関係があります。だから今、債券がどんどん売られてて利回りがどんどん上昇してるわけだからこれは株にとって株の理論価格は妥当バリエーションは下がってこなきゃいけないはずでしょ。そういう理由で懸念がある、ということですよね。でさっきちょっとFOMCとテーパーのことに関して説明したんだけれどもそうすると毎月毎月100億ドル米国財務省証券100億ドル住宅抵当証券で50億ドル都合150億ドルのテーパーをやるということは何を意味するかというとそれだけ、これまで中央銀行が買ってた買い圧力BIDですよね。買いの手。それがなくなっちゃうことを意味するわけだからその債券の需給関係で言えば少し悪くなるわけですよね。それなんかも、懸念材料だと思います。それから連邦債務上限問題っていうのは何かと言うことも一言説明しておきます。そもそも連邦債務上限というのは、国が出せる国債ですよね。それをある一定数以上はじゃぶじゃぶに出さないでおこう。と。そういう財政規律を守る見地というか、目的で始められたことなんですよ。で、いつ始められたかというと1917年かなだから第一時世界対戦が始まってアメリカは最初、戦争には参加しないという風に言ってたんだけれどもルシタニア号という客船がドイツのUボートによって撃沈されてそれでアメリカ人の乗客が死んだんでそれでこれはアメリカに対する敵対行為だということで世論が激昂してそれでアメリカが第一次世界大戦に参加を決めたんですよね。その時にウィルソン大統領だったんだけどその時に泥沼に入り込んでいってしまうと良くないんで財政面から、派兵、兵隊さんを送ることを自動的に制限しようということでこの一定額以上の国債をアメリカ政府は出してはいけません。シーリング、上限を設定したんですね。それは何回もそれ以降拡大されています。なぜかと言うと経済の規模が大きくなればなるほど政府の予算も大きくなるわけで政府の予算が大きくなればそれをやりくりするための国債の発行も当然増えなきゃいけないそういうナチュラルなその経済規模の拡大に合わせた債務上限の設定しなおしそれが今までに80回くらい行われてきました。だから財政規律云々とかいいながら実はなし崩しじゃないかという風にその意地悪な見方をすればそういう見方もできるわけですけどもでも現実として、そういう上限があってそれが一定の財政規律の維持に貢献してることは間違いないわけですね。で去年新型コロナが発生した時にアメリカ政府はこれはいけない経済が心臓発作を起こしてしまうだから今緊急にお金を経済にぶち込もういうことでその特別措置として連邦債務上限を使うことを辞めてそして1年間だけね債務上限を停止してました。それが7月に、もう1年経ったんでもはや非常事態ではないということで債務上限がもう一回設定されなおした。でそれをその上限を今、引き上げなきゃいけないよねっていうのはオーバーシュートしちゃってるからさ、発行額が。で、それを引き上げなきゃいけないんでけれどもまだ引き上げられてないそれで今はいろんな財政的なやりくりでもって騙し騙し政府機能が停止しないように誤魔化しながら、遣り繰りしてます。しかしそのやりくりが10月ぐらいににっちもさっちもいかなくなって、そうなれば公務員がお給料が出なくなるとかね退役軍人さんへの年金が出せなくなるとかねあるいは社会保障費が払えなくなるとかねそういう色々な問題が10月以降出てくると思うんですねそれに加えて例えば米国債の利払いができないとかねそれはテクニカルデフォルトの状態になることを意味すると思うんですけれどもそういうことも起こるかもしれないだから早く連邦債務上限を引き上げることしなければいけないことですね。しかし、ここが大事なとこなんだけども実は今年の1月にね1.9兆ドルだっけ?のその追加予算を成立させるために民主党はすでにReconciliationリコンシエーションと呼ばれる単純過半数で無理やり予算を通してしまうという手法を1月に使ってしまってるんですよ。それでReconciliationというのはそのアメリカ政府、議会が紛糾した時にアメリカ政府の予算が決まらなくなって政府の機能が機能不全に陥るとよくないよねそういうことを避けるために特別の特例として許されてるその予算成立のさせ方ウルトラCのテクそれがリコンシリエーションと呼ばれる例外条項なんですよね。それをもう1月に使っちゃってるんで今回連邦債務上限の引き上げにもう1回それを使うっていう風に民主党は言ってんだけどもそれに対する反発は非常に強いわけですねそして民主党の議員の中にもこんなことでいいのかなっていう風にわだかまりを持ってる議員さんっていうのはいると思うんですよね。それに加えて今はインフラストラクチャー法案というのが別に動いてるんですけれどもそれもリコンシリエーションを使ってつまりスーパーマジョリティー、60%の賛成ではなくって、上院でね。51%の賛成だけで法案を通してしまうそれがまあリコンシリエーションと呼ばれるものなんだけれどもそういうウルトラCを1年に3回も連発するそれが常態化しちゃうとそもそも、なぜ上院で、 Super Majority(スーパーマジョリティ)つまり51%という低いハードルじゃなくて60%以上の高いハードルでもって賛成された法案じゃないと通しません、ということがその政府の財政に関する財政にインパクトを与える法案は全てそういうスーパーマジョリティにならないといけないという原則があるんですよねなぜそういうものが設定されてるかと言うとそれを設定しなければ国の財政規律がむちゃくちゃになるからという懸念があるんでねそれでスーパーマジョリティという一つのけじめ、ディシプリンそれが設けられたんだけどもそのけじめが今、民主党によってなし崩しにされてるということですよねだから連邦債務上限引き上げ問題が10月までに解決するか解決しないかということも非常に大事なんですけどもそれよか、それ以前の問題としてねちょっと態度が横着すぎない?なんでもありなわけ?っていうねそういうことがあるわけですよ。それは債券の投資家の目線から言えばさこれ例えて言えば株、みんな、株買ってさ、IPOしたばかりの会社の株買ってそれでせっかく株価が上がってたのにさその後にロックアップが切れたとかっていう理由で株がどーっと新しい新株がどーっとでてきてそれで株価が下がることよくあるよねあれによく似てるわけですよ、連邦債務上限引き上げ問題ってのは。つまり、財政規律がなくなると政府はどんどんどんどん債券だせるわけだからそうすると債券の投資家からすればさ「立つ瀬がないよね」っていうさ。「ちょっと何とかしてくれよ!」っていう気分になるわけでしょ。だから、今、すでに、債券が売られてるわけですよそれで債券利回りが上昇してるわけですよ。それは株式にとって株式バリュエーション低くするリスクがあるというそういう説明をしています。最後のポイントとして、中国恒大集団、Evergrande、それのデフォルト問題なんだけど先週の木曜日かな?が、ドル建て債の利払いの期限だったんだけれども蓋を開けてみたら、誰も、利子を受け取っていないつまり、利子は払われなかった、と。デフォルトだった、ということですよね。しかし中国の社債のルールでは、1か月間の猶予があるんで、正式にデフォルト認定されるまでにはまだあと一か月間の期間があります。しかしありていに言えばねもうその1か月間になんとか駆け回って利払いがされる可能性っていうのは絶望的だと思うんですよ。なぜかというと色々債権者つまり中国恒大集団に対して貸しを作ってるそのステークホルダーね例えば建設会社がマンション立ててその工事代金をまだ払ってくれてない早く払ってくださいじゃないと、職人さんたちにお給料が払えないというような問題が起きてるわけでしょあるいは中国恒大集団の造成した団地ですよねその団地を買ったマイホームの購入者はもうマイホームが建たなければその投資したお金が全損になるわけでしょ。だから今、中国恒大集団の本社の前に行ってさ座り込んだりさ、寝そべって、ワーーッっとその癇癪を起こしたりなんかりしてるそういう人もいるわけですよ。だからそういう人たちに対する弁済と言うか支払いと言うか保証と言うかそれを最初にやるべきであって海外の機関投資家なんて、べつにどうでもいいわけですよね。そういう順位から言えばねだからある意味、ドル建て債の利払い、海外の機関投資家に対してその支払いがなされるかどうかということにフォーカスするということ自体が非常に何て言うか自体を甘く見てるというかそんなの、もう駄目に決まってるじゃん?という風に俺なんかは思うんだけどねまあ、そういう状況になっておる、ということですよね。だからここまでの話をまとめると1.業績予想がどんどん下がってきてるとかさ2.金利がどんどん上がってるとかさ3.連邦債務上限問題が解決していないあるいは、4.中国恒大集団の問題とかねという風に、不透明要因というのはいくらでもあるわけでしょ?だから、なぜ、値ごろ感からそろそろ買いかな?っていう風に、みんなは出ていけるわけ?僕は、出ていけないよ?全部を勘案すればチャンスを逃すリスクと、スコーンとやられるリスクどっちが大きいかというと、後者のほうがはるかに大きいと思ってますよ。だから、リスク、リワード的に、今は見合わないリスクをとることが見合わない、という風に僕は考えています。だからしばらくは、cautious(慎重)なスタンスを維持する、そういうつもりでいます。 #株式投資 #米国株 #じっちゃま #広瀬隆雄 #中国恒大集団 #連邦債務上限 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート