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投資助言業11年間で最も印象深いお客様からのご相談とは

投資助言の仕事をはじめて11年になりますが、
その間、色々な方から投資やトレードのご相談を受けました。

最も印象に残っている相談は1つに絞れませんが、強烈に印象に残っているのがコロナショック直後に多く頂いたご相談です。
コロナショックで株価が急落して悩んでいる、というご相談ではありません。
・・・その逆です。

コロナショック後の急激なリバウンドによって先物、オプションや指数連動型ETFの空売りで巨額の含み損を抱えているというご相談が多かったのです。

弊社は先物やオプションといったデリバティブ(金融派生商品)の助言も手掛けていますが、そういった商品は基本的に買いだけでなく、空売りも仕掛ける方が多いです。
(弊社も空売りの助言を行っています)

オプションは急落時の保険のような性質もある商品なので、売りから入る方も少なくありません。

そう、コロナショック時の株価急落後にパンデミックで株価は下がるに違いないと大量に裸売りを仕掛けた結果、その後の急激なリバウンドで巨額の損失を抱えてしまった方からのご相談が非常に多かったのです。

通常、株価が上昇すれば多くの方が喜ぶはずなのですが、皮肉にも株価急騰で逼迫した方が少なくなかったのです。
それが11年間で最も印象に残っているお客様からのご相談です。

日経平均株価 150ヶ月月足チャート

上は2012年以降の日経平均株価の150ヶ月月足チャートです。
真ん中よりやや右寄りの部分が2020年3月のコロナショック時です。

当時の日足チャートは断崖絶壁のような形状でしたが、歳月を経てこうして月足をみると大した下落には見えませんね(笑)

この当時、恥ずかしながら私も「日本経済も日本株も暫く厳しいだろう」「株価は夏場以降に二番底が来るだろう」という固定観念を捨てきれずにいました。

私は都心在住ですが、当時の繁華街の人通りの少なさ、電車の乗客の少なさ、企業業績の急激な悪化を目の当たりにすると、幾ら金融緩和をやったとしても暫くは厳しいだろうという結論に至らざるを得ませんでした。

しかし上の月足チャートを見ても分かるように株価は3月下旬で底打ちし急反発。
そこから10月末までは二番底が来るだろうという固定観念を持ち続けました(苦笑)

最終的に私が固定観念を覆したのは11月初旬の日経平均株価のレンジ上抜けでした。

私は個別株は主に空売りの助言を担当していますが、11月上旬に助言中だった空売りは全てロスカットを助言。その後は暫く空売りの助言は見送りました。
今年も個別銘柄の空売り助言は殆ど行っていません。

上記のような、損失のお悩みに対しては一貫して
「どこで撤退するのかルールを決めて、必ずそれを遵守して下さい」
とお応えしてきました。

含み損は避けられませんし、時にはそれに耐える必要もあります。
ただ、株価は本当に自分の思い描いた通りには動きません。意地になるのはいいですが、必ず撤退のルールは定めましょう。

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