不祥事発覚 ブックオフGHD(9278)の株価は今後どうなる?
ブックオフ、従業員が不正 架空買い取りなど、一部店舗で7・1まで「営業時間変更・店休」へ
2024年6月25日の取引終了後、ブックオフG(9278)が複数の店舗で従業員による架空買い取りや在庫の不適切な計上を通じた現金の不正取得の可能性が発覚したと発表しました。
7月16日に予定していた2024年5月期の決算発表も延期。
株価は6月26日に商いを伴って急落しましたが、売り先行後は下げ幅を縮小。6月27日も反発しています。
ここでブックオフGHDの業績を確認。
売上高はコロナショックの影響を殆ど受けておらず堅調。
上段の売上高と営業利益の棒グラフを見ると順調に業績を伸ばしているように見えますが、下のグラフを見れば分かるように2020年3月期、2021年5月期は積極投資と減損損失の影響で純利益が急減しています。
会社側によると積極投資はアプリ会員向けのサービス施策の充実や
電子買取システムのフランチャイズ加盟店向け展開、
ECサイト「BOOKOFFOnline」を活用したオムニチャネル化並びにO2O戦略推進への投資。
減損損失は店舗等にかかる固定資産について減損損失を計上したほか、
物流機能の更なる効率化のための物流センターの統廃合等を行い固定資産除却損を計上した影響のようです。
2021年5月期も似たような減損損失計上の影響で減益となっていますが、2022年以降は減損がなくなり、利益も回復。
・・・好事魔多しと言いますが、そこにきて今回の不祥事発覚です。
営業時間変更、店休ということで短期的な業績への影響は避けられないでしょう。
直近の業績を推察できるブックオフの月次も見ておきましょう。
私も時々お世話になっているブックオフの月次ですが5月の既存店売上高は前年同期比102.8%と前年同期を上回っています。
但し、上の画像の下段にある2024年5月期の売上高伸び率は2023年5月期よりも鈍化しています。
この伸び鈍化が少し気になりますが、株価が5月辺りから調整が続いていたのもこの辺りを嫌気した動きだったのかも知れません。
空売りはどうか?という話ですが、公衆が閲覧できる場で空売りの推奨はできませんね(笑)
ただ、こういった局面で下がる!と直感で売っても下がらないケースが多いことは口を酸っぱくして言っておきたいと思います^^
実際、紅麹問題で急落した小林製薬(4967)などは報道が出た直後に急落しましたが、その後はリバウンドしています。
急騰時に買いたくなり、急落時は売りたくなるものですが本能の赴くままに売買しても勝つのは難しいです。
ブックオフGHDのファンダメンタルをみますとPER13.5倍、PBR1.39倍、配当利回り1.75%とバリュエーション的には割高とも言えませんし、売る妙味は乏しいように思います。
しかし、今回発覚した不祥事は“事故”ではなく“事件”。
6月、7月の月次データと会社側からの続報を待ちたいところ。
影響が軽微であれば株価も反発するかも知れません。
しかし、もし一部店舗だけでなく他店舗でも同様のケースが横行していた・・・となってくると影響は甚大です。
短期リバウンド狙いの買いも結構ですが、6月26日安値の1330円を終値で明確に割ってくるようであればロスカットした方が賢明でしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?