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『債鬼転生』出版より1年

『債鬼転生』出版より1年が経ちました。出版社に問い合わせたところ、223部売れた、とのことです。これが売れている方なのか、そうでないのかは分かりません。

223部のうち85部は私からの献本や、公募に出すために手元に持っている本。またサイニーブックスによると、32館の図書館に置いて頂いているようです。本を読んでくださった皆様には、本当に感謝いたします。とりわけ全く見ず知らずの方々が本を読んでくださって、SNSで感想を書いてくださり、ツイッターの相互フォローでつながることになったことは、本を出して良かったことの第一と言えるでしょう。学術書として読まれることもうれしいのですが、「怖い話の本」としても読まれ、また新しい怖い話が『債鬼転生』から生まれることがあれば、「あなたの知らない世界」で育った怖い話好きとしては本望です。「世にも奇妙」の元ネタに使ってもらえないかしら。ドラマにしたら結構怖いと思います。

◎その他本を出して良かったこと

出版の成果か、今年の初めに台湾の研討会に招待されました。「わーい学会発表で台湾に行ける\(^o^)/豆花に蛋餅小籠包!」と喜んだのもつかの間、コロナ騒ぎで研討会は延期の末に海外参加組はオンライン発表に。それでもパソコンの画面越しに台湾の皆さんにお目にかかれると思うと楽しみなことです。豆花に蛋餅小籠包はありませんが。また、本を出して以来、ちょこっとですが、以前よりは公募の2次面接まで残れることが増えました。結果にはつながっていませんが…。公募書類と一緒に送ったまま帰ってこない本たちも、どこかで読まれていますように。燃えるゴミになったり、トイレットペーパーになったりしていませんように。

出版社の方によると「在庫を気に病む著者はそんなにいません」とのことなのですが、元食品メーカーの姉ちゃんなので、不良在庫は嫌いです。出版社さんに減らない在庫を400部近くも抱えてもらっていると思うと、夜も眠れません。そこで本の売れ行きのためにやっておけば良かった、ということを一つ書いておきたいと思います。

◎本の出版直後に、学会発表を入れたら良かった。

『債鬼転生』に収める最後の論文を書き終わってから責了まで、すべての時間と労力を『債鬼転生』に注いでしまったので、その後の研究発表が空白になってしまいました。大変でも平行して新しい研究を続けて、出版したすぐ後に口頭発表をすれば本の宣伝にもなったし、本に関するフィードバックも、もっと得られたのではないかと後悔しています。責了の後すぐに研究を再開したのですが、本が出てしまうとなかなか身辺が落ち着かず、結局2019年の業績は『債鬼転生』出版だけになってしまいました。2020年の5月のはずの台湾の研討会は11月に延期され、出版後初の研究発表は2020年10月の中唐文学会のものとなってしまいました。しかし今年の秋にはもう今年の秋の本が出ているのです。


たとへ夏はまた戻つて来ても
来年には
来年の流行(はやり)があるのだから。(堀口大學「魂よ」)

ということです。




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