台湾一人旅withツーリストシップVol.1
~旅行前夜は、未知の旅路に震えてる~
明日の夕方便で、台湾に行く。
乗るのは、キャセーパシフィック。
ジェットスター航空は賃金未払いなどでストをやっているので、
キャセーはちゃんと労働対価をもらっているのか少し不安になる。
ただ、ニュースにならない情報を一般人が獲得するのは難しいから、
できることと言えば、明日飛行機に乗るときは、いつもよりうんと笑顔で、「安全走行ありがとう」とでも伝えよう。
それが私にできるせめてもの力じゃないかと思う。
今回の台湾旅行は、いつもと違う。そう、ツーリストシップ実践旅だ。
ツーリストシップとは、スポーツマンシップみたいなもので、
旅先の人々に配慮し、
旅先の地域に貢献しながら、
交流を楽しむ姿勢や行動を指す。
なんでそんなツーリストシップ実践旅をするかというと、
私がツーリストシップを広める張本人だからだ。
そもそも、事の始まりといば、私は単純な気持ちで、
旅行者にもスポーツマンシップみたいな「シップ」なるものがあれば、
オーバーツーリズム(※)なんて問題も起こらないんじゃないのと、
そう思ったのである。
そう思った4年前から、私が旗振り役としてツーリストシップの発信をしてきた。
みんながツーリストシップを普通に使うときまでの期間、頑張ろうと思っている。
とはいえ、私はまだ25歳で、
偉そうに旅行を語るほど、そんなに旅行をしたことはないのである。
ツーリストシップの発信役として取材してもらうときは、
あたかも「めっちゃ旅人です」みたいな雰囲気を出してみるが、
実際は大学四年生の卒業旅行シーズンにコロナが来た世代。
高校までの家族旅行と、大学の休暇中に飛び回った貧乏旅行だけ。
なのに、私は日々、旅行玄人に、「ツーリストシップを実践しましょう」なんて言っている。
ガラスの心は、いつもおびえている。
私は、ただ世界中の旅行にツーリストシップが必要では?と提案をしたい。
断じて旅行玄人が旅行素人に教えを伝えるという図式ではなくて、
みんなで一緒にツーリストシップって何だろう、
どんな旅行が旅先を豊かにするんだろうって考えたい。
だから、ツーリストシップなるものが旅行になぜ必要なのかは、
いくらでも語れるが、正直、
具体的なツーリストシップエピソードを語るのは気が引ける。
みんな、旅行好きな人、私の代わりに話をしてほしい、と思ってしまう。
たとえば、こんな感じ。
『「ツーリストシップ」って言葉、いいですね。具体的な旅行でのエピソード教えてください』
『「ツーリストシップ」の旅行ツアーやってください』
よく聞かれることなのだが、いつも心の内では、
(私で大丈夫かな… 私より面白くて多様な話を語れる人にお願いできないかな…)
と思ってしまう。
ただ、そうも言えない。
代表として、ツーリストシップを広める旗振り役を買って出たのだ。
責任がある。
だから明日、私は台湾にひとりで、飛び立つのである。
『「ツーリストシップ」な旅ってこんな感じやで』
『旅に気軽にインストールできるやろ』
と証明するためだ。
場所を台湾にしたのは、近場で、この真冬にあたたかそうだったから。
それと、多くの日本人が行ったことがある国だから。
ツーリストシップの実践を、みんながジブンゴトにできる場所だと考えた。
みんなが真似しやすいものを見つけたいと思っている。
果たして、みんなに語れるようなツーリストシップ実践旅をできるのだろうか…。
わかることと言えば、うちのメンバーは、私が楽しい発見をしてくることを待っている。
お願いだから、あまり期待しないでくれ・・・
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