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お土産のニュースタンダード

観光での楽しみの一つに、お土産があります。それは買う側はもちろん、いただく側も同じです。観光や旅行に行った先では、どんなお土産があるのか楽しみではありませんか?
元々お土産を買うという習慣がない私でも、ふと「日頃親しい友人にお土産でも…」と思うことがあるのですが、案外丁度いいお土産がありません。この場合のお土産とは、洋菓子和菓子等の食べ物であることが多く、「丁度いい」というのは、個数、金額についてです。誰に対するお土産かにもよりますが、会社の同僚へのお土産なら「みんなで食べて下さい」で、2,000円前後の箱菓子を購入するのが量的にも予算的にも丁度いいです。しかし友達へ気軽に渡したい時には、リーズナブルで相手が身構えることのないちょっとしたものがいいのです。基本お土産にお金をかけること自体が現在の潮流ではない気がしますし、どれにしょうかと考えること自体が面倒臭くなって、結局買わずじまいで帰ることもよくあります。最近安価で買える小型お土産が増えてきましたが、まだまだ種類も少なく、例え500円のお土産でも、渡したい人の人数分となると何千円にもなってしまい、かえって高額になってしまうこともあるのではないでしょうか?
これまで私はお土産を買うのなら、現地ポテトチップスが定番でした。お土産として現地感や面白味があり、その他のお土産よりも比較的安価でラッピングも不要、お土産売り場に大抵あるので、どれにしようかと迷わずに済むからです。そしてポテトチップスなら誰でも食べられます。しかし通常のポテトチップスよりも当然値段も高く、味が奇妙だと思えば、気にはなっても購入に至るかどうか…私としてはそこがあえてお土産にするポイントだったりするわけなんですが、なぜ決まって大袋なんでしょうか…?お土産商品のやり口なんでしょうね。イチゴ味やみかん味等、結構攻めた味の物も多く、全部食べてもらえるかも不安要素なので、もっと小さいサイズで、値段ももう少し安ければいいのに…と、いつも思います。
それはさておき、以前カンブリア宮殿というTV番組で、高品質のちょっとお値段高めのチーズが全く売れないというのを、バラ売りにすることでかなり売り上げが上がったというのを見たことがあります。まさにそれです。バラ売りは、これまで気になっていたけど買わなかった人が気軽に買うことができます。すでにやっているお土産屋さんをたまに見かけます。自分が食べる分にはいいのですが、他人へのお土産にするには、バラで購入したお土産をそのまま「はいっ」と渡すことはできませんし、それではそもそもお土産感がありません…そこで私のアイデアはここから!

◎セルフカスタム土産というアイデア

従来のお土産の感覚だと、数箱購入して、お土産屋さんからもらったお土産数のビニール袋をもらって渡していました。
これまで私自身、観光地で箱詰め商品購入後、自宅に戻ってからバラし、わざわざ100均へ小さいビニールの小分け袋を買いに行き、セルフカスタムしていましたが、どうしてもお土産感が出ないんですよね。そういう人、結構いるのではないでしょうか?
お土産をそのまま渡すのはもう古い!?箱菓子はバラして売ることも必要!購入者がセルフカスタムしてオリジナル土産にするというアイデアです。仮にバラ売りがなく箱売りだったとしても、余ったものは自分のためのお土産にしてしまえばよく、自分用にあえて購入しなくてもいいので、とにかくエコノミーです。

①お土産商品をバラ売りにする

過去お土産は、会社や知人、家族への贈答品的な感覚が強かったと思いますが、現在ではその慣習が薄れてきており、もっと気軽なものへと変化しています。一人住まいの者も多いですし、バブル期経済でもありません。そもそも友人1人に対して少量の箱菓子ならともかく、同じものが10個入りやそれ以上の個数のお土産を渡されても、延々と食べなくてはなりませんし(1種類ではなく、いろいろなものを詰め合わせているものもありますが)、もらう側も量を求めているわけではありません。観光地へ行った度にお土産を買う人であれば、お金も大変です。
そこでこれまで箱詰めされていた商品をバラ売りにします。箱詰め商品をやめるのではなく、バラ売り商品を設けるのです。そうすることによって、メーカー側としては、新しい販売方法になる他、パッケージ代が浮きます。これまで箱詰商品だと購入しなかったお客さんも、バラ売りにすることで気軽に購入することができます。良さを知ってもらえれば、リピートしてくれる可能性、次回は箱菓子で買ってもらえる可能性が高まります。私のようにお土産をあまり買わない人や、お土産にあまりお金をかけたくない人が、友人へのちょっとした気持ちでお土産でも!?と気軽に思えます。バラ売りにするメリットは他にもあります。これまで試食を用意していたお土産も、安価で気軽に買えるのであれば、必要なくなる可能性も出てきます。

②小分け袋を販売

バラ売りが可能であれば、次に用意するのは小分け袋です。一番簡単な方法は、100均等で売っているような透明の小分けビニール袋を同店舗で販売することです。まず100均に行く手間が省けます。小分けビニール袋はのり付けされているものや、ジップロックのようなファスナー付きの物もあります。ビニール袋ではなく、紙袋等何でもいいでしょう。できれば観光地名がプリントしてあればベストですけど、コストを気にするようであれば、お店にスタンプを用意して、お客さんがセルフスタンプもOK。手作り感覚で、お客様も買い物自体がより楽しくなります。ビニールでも付くスタンプインクもあります。

③絵はがき(メッセージカード)

観光地絵はがきは、お土産屋さんであれば比較的どこでも売られています。それが十分入る小分け袋の用意してその中に入れれば、観光地らしさやオリジナル感も益し、「とてもいいところでした!」とか「いつもありがとう!」なんて感謝の言葉を添えたりできます。お洒落で、普段の気持ちも伝えられ、観光地のPRや魅力を伝えてくれることでしょう。お土産感も随分出ます。元来観光地絵はがきの用途として、観光記念として買うことはあっても、現代ではポストカードとして購入することはないのではないでしょうか?はがきを送る慣習も薄れてきている他、絵はがきのポストカードを送る機会というのはそうそうありません。そういう意味では需要が減った絵はがきの新しい用途を作り出せます。
逆に小分け袋のサイズを基準に、それに入る観光地を取ったカードを用意するのもいいでしょう。また絵はがきがなくても、お客さんが自ら携帯で撮った画像を、その場でプリントアウトできるサービス等、いろいろ考えられます。

④広がる可能性

セルフカスタム土産の良さは、お菓子等の食べ物商品だけではなく、キーホルダーの小物等も自由に入れられることもメリットの1つです。当たり前ですが、すでにラッピングされている箱菓子の中に他のお土産を入れることはできません。お土産にこだわる人なら、かえってお土産をたくさん買ってしまうという逆現象が起きる可能性もあります。
これらを自由に組み合わせることや、更なるアイデアによっていろいろなタイプのカスタム土産がそれぞれの観光地で提供できます。またお客さん自身が自分で作ることでオリジナリティが出て、お土産のカタチとしての可能性がもっと広がります。

⑤セルフカスタム土産のワークショップ

店舗内に場所を確保できるのであれば、その場で作れるワークショップスペースがあったらいいですね。現地を意識したラッピング素材、リボンやシール、箱、包装紙等、いろいろ揃えたりできれば充実感が増します。観光に来た家族や友人・恋人同士で、楽しくカスタム土産作りが楽しめます。ここまでくればお土産作りという立派な体験型新コンテンツであり、1つの個性、1つの商売です。お土産ならここ!というように、他店舗との差別化にも繋がります。そしてそれを目的として訪れるお客さんも生まれるでしょう。
お土産に限定せず、ラッピングワークショップとして営業できるなら、誕生日プレゼント等いろいろなプレゼント製作のために訪れるお客さんも集められます。

⑥最後に

お土産を扱っているところであれば、どこでもできるアイデアですから、是非導入してほしいです。お客さんにとっても嬉しいサービスですし、店舗側にとっても集客からお土産の売り上げはもちろん、観光地を多くの人に広めてくれることが期待できます。セルフカスタム土産が今後のお土産のスタンダードになる日が来るかもしれません。

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