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封印されて20年。1973年の警告/『アミューズメントパーク』予告編追加

「映画を楽しむ」連投です。

プライムビデオで「ミーガン」を観たあと、おすすめでアップされてきたのが『アミューズメントパーク』。

映画の説明には「遊園地で老人が無視され、罵られ、孤独と屈辱にまみれる」としかありません。
感じ悪いんですけど。

ところが!
監督がジョージ・A・ロメロなんです!
その理由で興味がむくむくと湧きました。
本編も1時間弱とあり、長すぎず丁度良い。

制作は1973年。
この時代にすでにみえている、高齢化の社会問題。
孤独、健康問題、虐待、貧困。
20年前に世間の問題意識を高めるために作成したとはいえ、現在を予測していたかのようです。
ぜひ、観てみてください!

感想「嫌な気分になる」

感想
・キッツイ。
他人事じゃない!
・私はこんなひどい事をしないし、ひどい目には合わない!
・数年後の姿かもしれないですよ?
・いいえ、こうはならない。

これらが脳裏をぐるぐる回りましたねー。
この人たちは「今ここ」を楽しんでいるのだろうか?
ここに何をしにきているんだろう?

簡単なストーリーをどうぞ~

◇   ◇   ◇

真っ白な部屋から始まる

真っ白な部屋。
疲れ切った様子の初老の男性が、椅子に腰掛けています。
しばらくすると、柔和な感じの別の男性がドアから入ってきて彼に声をかけます。しかし、疲れている老人は返事ができません。
少し会話をしますが続きません。
柔和な男性(主人公)は挨拶をして白い部屋を出ていきます。

◇  ◇  ◇

部屋から出た主人公は人の波にもまれます。
行き交う人でごった返していてにぎやかな、アミューズメントパーク。

次に目に入るのは、杖をついたり、両松(両方松葉づえね)・歩行器を使って、のろのろと列をなすお年寄りたち。どこに向かっているのか。
ここから、容赦ない映像が続きます。

💔マウント・無慈悲・無配慮
年齢制限と持病などで「自動仕分け」されて、乗り物に乗れません。配慮や優しさはありません。
説明もなく、説明や気持ちも聴いてもらえません。

遊具場でカートに追突して揉めている老人たちに、警察官が言います。「あんた幾つだ?67? 65超えて運転はだめだろ。バスにでも乗れ」。
それ言う?的なセリフが多く、グサグサくる(-""-)

けがをして救護テントに向かうと、車いす・歩行器・杖がずらっとおいてあります。お年寄りの長蛇の列。怪我をして血だらけの男性は急いでほしいと話しても、申し込み用紙がないなら並びなおせと、看護師は容赦ありません。

💔弱者への犯罪
人が集まる場所には犯罪も隣り合わせです。
お年寄りのカバンから簡単にお財布を抜き取ります。人がいいお年寄りは気づきません。
親しげに話しかけてきて金品を盗んでいくスリ。気づいたときは遅い。

💔無視
つまづいて転んでも、さらさらと流れる川が石を避けるように、見向きもせずきれいに歩き去る若者たち。

💔貧困
レストランでは、お金のある人だけが優遇されます。葉巻を咥える男性にだけ、うやうやしく給仕するウエイター。
運ばれてきた豪華なお料理と、それをただ外部からみつめる人々。その視線が…圧がすごいのです。(まあ映画ですから…。とはいえ、強烈な映像)

最後、見知らぬ子供に絵本を読むシーンは、やさしさに包まれています。
しかし数分で悲しい現実に突き落とされます。
「行かないでくれ!」という叫びは届きません。

年寄りは遊園地が楽しくない

主人公はすっかり精気を失い、白い部屋に戻ってきます。
椅子にすわっていた男性の姿は見えません。
ひとりになった主人公は「外には何もなかった」とポツリ。
この2人は、同一人物です。

映画は主人公役の俳優のナレーションで締めくくられます。『今若い人も、いずれ間違いなく歳を取ります。今から行動するべき。助け合う社会を作ろう。できることから人の手助けをしよう、というメッセージとともに。

自分はどうなる?

自分にはどの問題がかかわってくるだろう?
今から自分にできることはなんだろう?
義両親の顔が思い浮かびましたが、今の自分は何をしてあげられるだろう?悪い方向ばかりに考えたくはありませんが、最悪のケースも想定していかねばなりません。

いまの自分にできる事

すっごくつまんない結論ですが、通常の毎日を淡々と続けていく事かな、と思います。
今、やっていることに集中する!

※これさえしておけば安心、という事をあげるとしたら、下のふたつ。

✅断捨離:
自分が死んだらすべてゴミ。
見られたらまずいものは早めに処分する。

✅ごきげんでいる:
個人的には頭痛をおこさない工夫。
具合が悪いとき人はネガティブになるので注意。

以上

『アミューズメントパーク』

「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968)、
「ゾンビ」(1978)などゾンビ映画の第一人者であり、2017年に他界したホラー映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた未発表映画。
70年代米国の高齢者差別、虐待問題ついて世間の認識を高めるためにロメロに製作を依頼した教会の関係者が、作品の容赦ない描写におののいて、長らく封印されていた。
新宿シネマカリテで開催される「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2021」にて日本初上映。

https://www.kinejun.com/cinema/view/95514
キネマ旬報WEBより


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