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哀愁しんでれらを二回観て。覚書(ネタバレしかない)

哀愁しんでれらを二回観て思ったこと箇条書き。句読点、文体の統一なにもなし。
解釈に正解不正解はあるのかないのか?
自分の感じ方もこれからまた変わるかも。
シナリオはまだ読んでいません。読んだらまた変わることもあるかも。




冒頭の机の上を歩くシーン、目線が一回転するのは、小春の人生を表すのか、こちらの価値観や捉え方を表すのか。

訪問家庭の庭先に泥だらけで落ちているドレスを着たお人形
(青いドレスはシンデレラのイメージ?)
2/9追記 お人形は片方しか靴を履いていない

電車に轢かれる人を見たいような見たくないようなという大悟→窓から落ちそうなクルミちゃんを見ていたヒカリと同じ?

前妻は交通事故死
浮気相手と同乗
元々夫妻がどういう関係性だったのかは不明(familyのスケッチから察するに愛は十分にあったはずだが、モラハラ的な一面を垣間見て妻の心が離れた可能性も。ひどい女だったという病院長の発言、出会い系で大学生と会っていたなど、大悟サイドからのコメントしかないので真実は分からない)

大悟の変態性から、本当に事故なのか?とすら一瞬思うが、恐らく普通に事故かと。
ただ浮気するやつは地獄に落ちるとの発言から、本当にそう思っていそうな節はある。
→ヒカリの、クルミちゃんは邪魔をするからゲームオーバーになったんだね、に影響?

2/9追記 葬式のあとタブレットでゲームをするヒカリ。動物が二つのつるを移動して石を避けるゲーム。ゲームオーバーになった画面では、どちらのつるにも同じ位置に石がある。
→どの選択をしても結末はゲームオーバー?

大悟の母との関係
小学校の時のイジメ→絵を描き始めた時期(10歳)
父親は?
大悟の心の歪みはイジメ、救ってくれなかった母親への嫌悪(反動から理想の母親像への固執)
学校へ行かないやつはダメなやつ扱いされるというトラウマ?からか、偏差値への強い拘り。

渉くんの虚言癖は作中きちんと表されていたし、大悟もあいつは虚言癖があると言っていたのは結果的に合っている。
(授業中のクルミちゃんへの言動から)
(ただ子供は多かれ少なかれすぐ分かる嘘をつく)
ヒカリへの疑念から観客は忘れがち(私だけ?)
→誰の言葉を信じて誰を疑うのか
→渉くんのヒカリちゃんが殺したという言葉を信じた人たちによる自宅への落書き、投石も、人は信じたいものを安易に信じることへのアンチテーゼ?
(成金との言葉から、元々面白く思っていなかった存在か)

福浦家で納棺式の動画を観る家族。
死体なんて触れないと言っていた父の、人は環境で感覚が麻痺していくんだという言葉はこの物語の内容に限らずに人間全般に言える事象。

筆箱を海に捨てる小春は、明らかに目を背けている→現実から目を背けている。
窓際に立つクルミちゃんの背中に何か映っている?(二回観たけど何か分からない)

クルミちゃんのお葬式で赤い靴
→単にお気に入り。難しい子、という大悟の発言から自閉傾向はあるのかも。拘りに現れている?

渉くんと会えて嬉しかったヒカリの笑み
サイコパス診断のオマージュ?
葬式で好きな人に会えるために誰かを殺す的な発想
→観客へのミスリードでもある?

クラスメイトの死よりも渉くんと会えた嬉しさが勝る
渉くんと関わりたいから筆箱をわざとトイレに流したり、お弁当を捨てて同情を買ったりと、目先の利益のみ優先し、それによって人の心を傷つけることが理解できていない事とも関連?

喪服にクリーニングタグが付いたままの小春。
再就職のためにスーツを着ていた時の父と同じ。
(身の丈に合わない→無理をしている?)

小春がうさぎを壊したこと、殴ったことをすぐに大悟に言ってしまったのは、小春が先に約束を破ったから(渉くんが好きなこと、おねしょのことも告げ口した)
大悟の機嫌が悪くなるとすぐに食卓から去るヒカリ(慣れている?)

小春、公園で遊ぶ親子と遭遇
再び土の上に落ちるドレスを着たお人形
大悟に追い出された小春とリンク?

ヒカリを殴ったことで小春を母親失格だと言った大悟もまた、ヒカリの言葉に激昂して殴りそうになる。小春の叫びがなければ殴っていたかもしれない。
大悟の母もまた、近くで支えてくれる存在があれば結果は変わったかもしれない。
(大悟がこのことで母の苦しみ悲しみに気づけたかどうかは分からない)

部屋の宝物、30年描き続けた自画像を燃やすが、familyのスケッチブックは小春に止められる
「これからがあるんだから」この時点で小春は未来を諦めてはいない?

表紙に箔押しされたfamilyの文字が、手元に残るのはこの家族のみ、という強い印象


計画を打ち明け、大悟に抱きしめられた小春の表情は恍惚としてどこか確信に満ちている
絶対的な何かを見つけたかのような瞳


優しく爽やかにも感じるBGMで最悪の事件の様子が描かれる
家族にとっての幸せな結末か

わたるくんだけ殺すのでなく全員殺す
泉澤夫妻が注射を打つことのリアリティのなさ、先生たちの姿がないことで現実味が薄い
社会を震撼させる凶悪事件としながらもどこかファンタジーのよう
低血糖で倒れているために血が流れず、ビジュアル的な残忍さが薄い

監督は空想説を否定してるように読めたが(パンフレット)どうにも現実には思えない
お伽話感が逆にこの最悪なバッドエンドを「めでたしめでたし」にする効果となっている気がする

ヒカリちゃんは殺してないことをみんな知っているという手紙を渡したのは、あの日教室にいた女の子
「みんな知っている」のに、小春は信じることができなかった?
「みんな知ってる」のに、何も言ってくれなかった?
どちらにしろもう遅いし、小春にとっての幸せな結末にはもはや関係のないこと


冒頭の語りは小春だが、ラストの語りはヒカリによるもの
「女の子は誰しも〜
私は、幸せになれるのだろうか」

めでたしめでたし。

さてその先は?



筋にはあまり関係ないけど、ヒカリを追い詰める大悟と小春のシーン
大悟の「バカと遊ぶの楽しいぞ!」で毎回笑ってしまう。
あと自画像を段ボールに投げ入れていくシーンで足で蹴って箱を動かすシーン、これまでの宝物に対してのぞんざいな扱い方がいい。


また何かあれば追記したい。


早速追記(2021.2.6 夜)

レビューサイトを観るとやはりヒカリがクルミちゃんを突き落としたと信じてる人も多い。

ラストの大量殺人自体がミスリードのような作用をしている?

ニュースで殺人事件の報道を耳にする際に、犯人の背景などは細かく伝えない。事実のみ。
もしくは一方的な視点からの歪んだゴシップ。

運動会をやり直せと学校に怒鳴り込んで先生に包丁を突きつけた親のニュースを見て、バカな親と吐き捨てた小春。
映画を観て狂った子供と狂った家族と結論づける観客。
まるで合わせ鏡の世界のよう。

なぜ運動会をやり直したかったのか小春は知らない。知ろうとしない。
ニュースで伝えられる事件よりは、小春たちが事件を起こすまでは沢山のヒントや、むしろ答えそのものもあるのに、沢山の嘘や時には真実にさえ私たちは騙されてしまう。

ヒカリはやってない。
最後にあの女の子はきちんと書いていた。けれど、レビューサイトから察するに沢山の観客はそれを信じないまま劇場を出ている。
私も一回目を観賞した後は半信半疑だった。

これは余白が広すぎたのか、野暮のようだがもう少し分かりやすくするべきなのか、と思っていたけど、それすらも「あえて」なのだとしたら渡部監督は本当に怖い。
真実が全く違うものとして認識されるかもしれないことすら計算づくなのだから。

またまた追記 笑

今頃思ったけど、最後にみんな殺しちゃったから、ヒカリちゃんは殺してないの「みんな知ってる」のに、渉くんも含めてその「みんな」はいなくなってしまったので、結局真実も塗り替えられてしまったのかもしれないと思うとまた怖くなった。

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