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キワドい2人 -K2- 池袋署刑事課 神崎・黒木 2話を見て素直に面白いと言えた。

 好きな俳優の出演するドラマの感想は書きにくい。言ったそばから書いてみることにする。


前ドラマと比較されがち


 いきなり話が逸れるが、TBS金曜ドラマの MIU404、面白かったですね。

 この書き出しもいい加減読み飽きているかと思うが、やはり書かずにはいられない。同じ枠でも別ドラマ。脚本家も演出もプロデューサーも違う。当たり前だがキャストも違う。比べるのは野暮というものだけど、同じ刑事物でバディものが一週も空けずに始まるので、これは比べるなと言う方が無茶でもある。

 いや、比べるつもりは毛頭ない。比べるというよりは、【引きずる】という方が合うかもしれない。

 MIU404を観る姿勢と、キワドい2人を観る姿勢は、本来全く別物なのだ。

 偏見にまみれた例えをさせていただくと、前者はワインとチーズ、生ハムとオリーブなど、リモート飲みにも映えそうなテーブルだとすれば、後者は、発泡酒にスルメや、日本酒に笹かまなどが雑多に並ぶイメージかもしれない。(いや、本当に乱暴な例えだというのは重々承知です)

 ちなみに私はどちらも大好きだ。


 別物別物…キワドい2人は気軽に観られるコメディ色の強い人情ドラマなのだ…、と思ってはいても、こちらの感覚がまだそれに対応できていなかった。なんせ前ドラマの最終回から一週も空いていない上に、大変完成度の高い社会派作品でもあったので、多少余韻を引きずってしまったのは、お許しいただきたい。


ドラマ「キワドい2人」のテーマと原作


 ところで私は、俳優田中圭さんのファンです。今風な言い方をすると、【推し】である。

▲可愛くてかっこよくて面白くてお尻が綺麗な36歳です。


 我が推しは言わずもがなとても芝居が巧みな人なので、素人がその芝居についてあーだこーだ言うつもりは更々ない。

 ただ素人ながらに感じる、ドラマとしての面白さ、テンポ感。ドラマ全体から感じるそれらに、自分の波長が合うか合わないか。

 映像作品を面白いと思うかつまらないと思うかには正解も不正解もない。ただ合うか合わないか、だと私は思う。


 キワドい2人には、特別巧妙なストーリー展開は今のところない。分かりやすい伏線と、少々強引な回収はあるが、なるほどそう来たか!と唸るようなどんでん返しもない。

 設定からかなり変わってはいるものの、それは原作からも共通して感じた印象だった。

 伊坂幸太郎や湊かなえ作品のような、終盤で全てがひっくり返ったり、細かなピースがハマって伏線が鮮やかに回収されていく類のカタルシスはない。

 少しの意外性と、ある程度予測可能な結末が用意されている安心感。だがずば抜けて上手く、面白く感じたのが、登場人物たちの生き生きとした描写である。

 原作を続編(帰ってきたK2 池袋署刑事課神崎・黒木)まで読んで痛感したのは、刑事という職業に就いた男たちの友情の話だということだ。


▲原作の黒木も物凄く魅力的なのでぜひ!


 話が原作の方に逸れてしまったが、ドラマにも共通して感じるテーマは【人間】だ。

 メインビジュアルのキャッチコピーにも「助け合うのが、人間だろ」とあるように、これは紛れもないこのドラマのテーマの一つだと思われる。

 あくまでも個人的な感覚だが、1話では全体としてテンポの良さはあるものの、今ひとつぎこちなく感じてしまうシーンが多かった。

 だが神崎の突き抜けたバカ真面目さ、黒木の一見勘だけに頼っているようで経験と知識に基づいた行動力、乱暴な口調に隠した情の深さは十分に感じられた一話だった(黒木寄りなのはご勘弁)

 好みもあるだろうが、私が1話で一番面白かったのは、萱島建設の社長のことを神崎が彩乃に対して「思ったより悪い人じゃない」「お父さんのこともなんとかしてくれるはず」という人情パワーだけで強引に解決してしまったシーンである。

 人によっては説得力に物足りなさを覚えるかもしれないが、個人的にはこのシーンで、あ、このドラマはこの路線で行くんだな、という確信を得て痛快に感じた。


2話で素直に面白いと言えた


 そして、9/18に放送された2話である。


 始まって数分して、あ、このテンポ感は気持ちいいかもしれないと感じた。1話よりスピード感はないが、間合いがとても肌に合った。神崎黒木の掛け合いも小気味いい。

 いつ何時も顔がいい山田涼介演じる神崎の振り切ったコメディ演技。瞳をうるませて見つめられたら嘘がつけなくなりそうな真っ直ぐさ。これまでは受けの芝居に定評があり役柄的にも巻き込まれ系の人物を演じることが多かった田中圭の、黒木の軽薄で小憎たらしい、だがどこか愛嬌のあるところも、実にいい。


 相変わらず事件の真相はさほど入り組んだものではない。だがそれがいい。

 最終的には神崎の人情パワーで解決してしまう。だがそこがいい。今回は黒木も神崎のその謎の交渉力を買っている様子もあった。

 刑事が性善説に立ってどうする、と黒木は作中で言ったが、実は誰よりも情に厚いのは黒木ではないか思っている。だからこそ過去の何かに囚われて、深い傷を負っている気がする(あくまでも妄想です)

 2話の終盤で、池袋署の副署長である澤登と神妙な顔で話をするシーン。今まで見せてきた軽薄でお調子者の顔とは違う、深い闇を抱えた複雑な表情に、俳優田中圭のポテンシャルの高さを改めて感じさせられたと共に、演じる黒木という役の魅力の更なる伸びしろを感じられるシーンだった。

 いかんせん推しが田中圭さんである私が書いているので、必然的に黒木寄りの感想になってしまったが、あくまでもこのドラマの主役は神崎。神崎の成長の物語であり、神崎のもつ純粋さが人間を救っていく物語であると感じる2話だった。

 山田涼介さんのコメディセンスも光っている。

 2話を見て、面白かった!と純粋に言えたのは、嬉しかった。

 やはり少し不安はあった。なんせあのクオリティの高いドラマの後だった。

 だが2話を観て面白かったと素直に言えた。

 視聴率だとか、トレンドワードだとか、誰かの評価はどうでもいい。推しの出演作を自分が面白いと思えるかどうかが、ただのいち視聴者である私にとっては一番重要だ。

 キワドい2人、発泡酒を缶のまま飲む感覚でいいドラマです。金曜の夜に笑って泣けて人間って捨てたもんじゃないと思える。

 そういうドラマがあっていい。

 長文失礼しました。


追加。

この動画は永遠に観られる中毒性があるので、トライストーンチャンネルでもこういう動画、配信希望です。

▲いつ見終わればいいのか分からない。








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