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【投機の流儀】衰退する日本(続き)

第1部 当面の市況

(1)市況コメント──日本市場は依然、ボックス相場形成の続き
相次ぐFRB高官のタカ派寄りの発言で早期の利上げ休止観測の後退、先週末の米国市場ではハイテク株売り、ディフェンシブ株買いで指数はまちまちの動きとなった。NYダウは3万3826ドル前日比129(0.4%)高、ナスダック指数は1万1787ポイントで前日比68(0.6%)安となった。
ドル円相場は一時昨年12月以来の135円台まで円安に振れたが、134円台前半まで戻っている。CME日経平均先物は27490円と、週末現物値とほぼ変わらず。

週末の騰落レシオ126%、25日線との乖離プラス0.9%と云う調子で「買われ過ぎ」でも「売られ過ぎ」でないボックスを形成している。
ボックス相場は2カ月半を経過した。
2021年1月から同年12月までは約2万7000円を下値とし、3万0700円(2月15日と9月13日)をダブルトップとして3700円幅のボックス、22年は2万5000円を下値支持線として、2万9000円を上値抵抗線として、4000円幅のボックスを形成した。

ボックス相場、レンジ相場というのは仮の姿であって、相撲で言えば土俵の真ん中で組み合ってしまって東西どちらにも小動きしかないという姿である。
いずれは大きく上下いずれかに動いて勝敗が決まる。では上下いずれに動くか?1月1日の著名20氏のアンケートによれば年後半高となっているが、このアンケートは的中しない見本として参考になる。ところが、概ね全員が的中した年があった。1972年と1989年である。前者は日経平均が年間で95%上がったし、後者は3万円乗せから3万8915円になって大納会を迎えた。
こういう年は、翌年が大変な暴落に見舞われた。前者は金融引き締めで弱気相場となった後に第1次オイルショックで高度成長期の終焉となったし、後者は三重野元日銀総裁が無茶苦茶な金融引き締めを英雄気取りで連続敢行して「失われた13年」という不良債権時代を作った。その期間、日経平均は4万円近くから13年で5分の1になった。

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