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【投機の流儀】長期政権と株価

【今週号の目次】
第1部 トランプは再選されるか?
(1)トランプは再選される
(2)しかし、トランプが抱える「大きな不確実性」がある、その1
(3)トランプが抱える「大きな不確実性」、その2
(4)米中対決は、もしトランプが大統領選に負けても続く
第2部 当面の市況
(1)日経ジャスダック指数、年初来高値を更新
(2)今後の市場の関心事;財政出動と外部要因の香港情勢と米中貿易協議の行方
(3)今週の市場の関心は日銀の金融政策よりも財政出動へ
(4)外部要因としては香港情勢(★註)と米中貿易協議の行方の二つだ
第3部 中長期の見方
(1)FRBの動向
(2)米、史上最長景気の分水嶺警戒感
(3)米中貿易摩擦と米景気
(4)世界の民営化史上最大、アラムコの株式公開
(5)日韓関係の問題
(6)低金利は景気浮揚の妨げになる
第4部 長期政権と株価
(1)先々週で憲政史上最長期政権になった安倍政権、その間の上昇率は形式上2.3倍、実質上2.8倍
(2)「検証 安倍政権」 
高村元副総裁の見方
筆者の見方動
野党側の言い分
与党側の言い分
野党側の言い分
17日のNHK、「検証アベノミクス・経済篇」。
第5部 読者との交信

第1部 トランプは再選されるか?

(1)トランプは再選される
筆者の思うところを述べれば、再選される。
根拠は薄いが、アメリカ大統領は、①経済で失敗、②任期中に何もやらなかった、この二つさえなければ全員が再選されている。もっとも、再選されたが自ら辞任しなければ逮捕されるという状態で辞任せざるを得なかったのはニクソンだったが、仮令、弾劾騒動を起こされても、①②さえクリアしていれば再選されてきた。
その例はクリントンだ。彼はホワイトハウスの研修生モニカ・ルインスキーとの不倫問題で弾劾されそうになったが、それは再選後のことだった。経済・外交・治安等で一応うまくやっていたので再選された。何もやらなかったので再選されなかった例はフォードとカーターしかない。オバマのように「何もやらなかった」ように見えても、「理念の合衆国」のスタンスを巧みな演説で反復し、経済と軍事力というハードパワーだけでなく、「理念の合衆国」としてのソフトパワーで世界のリーダーたることを示してきた。もっとも「オバマケア」というものはやったし、TPPもやり始めて、膨大で強大な中国包囲網をつくろうとした。
再選されなかったのは、①の「経済で失敗」したシニア・ブッシュと②の「何もやらなかった」のカーターとフォードだけだったと思う。あとは全部が再選されてきた。弾劾を起こされたクリントンは再選されて後のことだったが。
「私は軍事の専門家であって政治の専門家ではない」と自ら言って就任したアイゼンハワーさえも再選された。
トランプは確かに品性に欠けるところがあり、無茶苦茶なところがあり、見え見えの株価操縦をする点もあり、大国の大統領としては不適切な人柄であるように筆者にも見えるが、①と②がなければ、アメリカは、日本が皇室を敬愛すると同様に大統領というものを敬愛するものだという国民性があるように見える。ワシントンやリンカーンやルーズベルトがつくってきた文化であろう。

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