見出し画像

【投機の流儀 セレクション】日本株、高値更新の舞台はアベノミクス相場の始動期と似ている

アベノミクス大相場は厳密に言えば、起点は衆院解散を決めた11月26日の8665円であるが、その直後に大セレモニーとしてはIMFの世銀総会が東京で開かれたことだ。

今回も、ウクライナの大統領が電撃参加するという歴史に刻まれるG7が東京で開かれた。
G7の前日の5月18日(木)に、もうひとつの舞台が仕掛けられた。世界の半導体主要7社(★註)のトップが官邸に岸田首相を訪れて、日本での大型投資や研究開発の強化を謳ったことである。
そして5月19日(金)からG7が始まった。まさしく、この日に2年4ヶ月続いたボックス相場(レンジ相場)の21年9月高値を抜いた。

中国が台湾への威圧を高める中で、米国は台湾への半導体依存を減らしていくことを急いでいる。その新たな拠点として浮上したのが日本である。日本の半導体工場を海外に持って行って、日本の空洞化が嘆かれていたが、ここでその回復が成立しつつある。

海外投資家の合言葉は、新興国中国に代わる投資先として先進国日本を言う。中国は、半スパイ法で投網をかけるというような形で不透明感とリスクが増している。安全な投資先として、日本への評価が高まっている

(★註)半導体は「21世紀の石油」とされるが、これの「セブンシスターズ」は世界の半導体主要7社であり、1.米国のインテル、2.マイクロテクノロジー、3.アプライド・マテリアルズ、4.IBM、5.ベルギーのアイメック、6.台湾の台湾積体電路製造(TSMC)、7.韓国サムスン電子。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)市況コメント
(2)先週末も堅調に終った。
(3)「下がって欲しいという人が多数いる時は、下がらないものだ」と3週間前の本稿で述べたが・・・
(4)銘柄選択の動きが一段と活発、跛行相場の現象
(5)売買代金は「活況の目途とされる3兆円」を超えた。
(6)大相場始動の条件
(7)日本株、高値更新の舞台はアベノミクス相場の始動期と似ている。
(8)昨年10月以来の円安、続伸する日経平均、このトレンド変化の最大要因は米景気次第
(9)市場関係者11人の意見によれば、来年3月末までの高値は31500円〜38000円
(10)日本市場がいま抱えている最大のリスク
(11)衆院解散はいつなのか?
※ 岸田首相は、唯一の最重要選択である解散権という「伝家の宝刀」をいつ抜くのか?

第2部;中長期の見方
(1)大勢・潮流の大筋の外観
(2)市場が想定する米FRBの年内利下げは、望み薄だと思う。
(3)FRBの利上げはいつ終了するのか?利上げ打ち止めの判断材料となるものは何か?
(4)米銀行不安の問題
(5)米国の「シャドーバンキング」の存在
(6)大国中国の衰亡─古代ローマの轍を踏みつつある。
(7)習近平の野望「一帯一路」
(8)「一帯一路」で中国が抱えた大損
(9)トルコリラが最安値
(10)20年度はマイナス成長にもかかわらず、税収は60兆円で過去最高
(11)霞ヶ関の秀才たちを政策立案やその遂行に使わない手はない─「新しい資本主義」の具体策立案とその遂行の一手
(12)人間は、自分が信じたいものを信じる性質がある。

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
https://amzn.to/2AebYBH
『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
https://amzn.to/2vd0oB4
『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
https://amzn.to/2AeQ7tP
『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
https://amzn.to/2vbXpZm
その他、著書多数。以下よりご覧ください。
https://amzn.to/2va3A0d

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?