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【投機の流儀】野村證券、10年ぶりの赤字、前期1004億円赤字――「野村が野村でなくなった」

【お知らせ】
5月5日号まで日本は一日も場は立たないが5月5日は休刊いたしません。
本稿は10年来、「休刊」にしたことは一度もありませんでした。有料でご購読される読者諸賢を思うと、身勝手に休刊するわけに行かず、海外からでもどこからでも送信しました。余談になりますが、シリア砂漠のベドウィン族のテントで宿泊してPCを使いダマスカスのホテルから送信したことがあったが、その際には帰国後、PCに故障が頻発して専門家に来てもらって修理してもらいましたが結局は買い直しました。目に見えない砂塵の粒子がPCを痛めるのだという。そんなことには無知だったのです。
来週号は日本では一日も場は立たないから休刊にするのかと思われる方もおられようから申し上げますが5月5日号も配信させていただきます。

【今週号の目次】
1 平成から令和へ――本稿が平成の最終号になる

(1)「平成の大納会」にあたって――市場経済に生きる我々としての基本の確認
(2)平成の30年3ヶ月23日間――「平成の大納会」に当たって
2 当面の市況
(1)当面の市況1――海外勢が3週間連続して日本株買い越し
(2)当面の市況2――日本株の先行きに自信持てない個人投資家たち
(3)当面の市況3――信用買い残の異常な低さ
3 中勢的な相場観の分かれるところ
(1)最近の日米株式市場の概観
(2「各市場のプロの各氏に聞く適温相場」
(3)生保大手2社の見方
(4)世界最大の投信運用大手のCEOの言い分
(5)二つのアノマリーの点検
4 国内企業の決算――野村証券と銀行業
(1)令和元年の決算発表がスタートする
(2)苦境に立つ銀行業
(3)野村證券、10年ぶりの赤字、前期1004億円赤字――「野村が野村でなくなった」
5 海外の動き
(1)中国景気の回復シナリオを巡る気迷いと安心感と
(2)BREXITの危機感
(3)円ドル為替変動幅が過去40年間で最低
(4)高まるトランプの波乱
(5)トランプ政策がかえって移民を増やしている
(6)日米貿易交渉
(7)パリのノートルダム寺院の火災
6 国内の政局
(1)ポスト安倍は菅官房長官
(2)筆者と長い付き合いのある友人・ジャーナリスト嶌信彦通信2019年4月22日 vol.141より「本命に近づく菅氏」
(3)安倍・トランプ会談をゴルフで話し合う意味――三たび北方領土問題

1 平成から令和へ――本稿が平成の最終号になる

(1)「平成の大納会」にあたって――市場経済に生きる我々としての基本の確認
市場を観察しつつ生き(★註)、且つ、迂闊には手を出さない、「一足一刀の間境(いっそくいっとうのまざかい)」を保ち、既述してきた「睡猫のくらい(すいびょうのくらい)」で好機にはいつでも動けるという構えで市場と対峙する、これを本稿では基本スタンスとして述べてきた。(★註)、市場を凝視し続ける必要はない。「セイテイ、ちゅうがんにして伯郎を避く」というのがある。セイテイとはカマキリであり、ちゅうがんにして、とは「ちらりと見る」の意。伯郎とは猛禽類の最小型たるモズのこと、つまり、「カマキリは、ちらりと見るだけで危険なモズを避けて生きる」という程度の意味である。沢庵禅師が柳生宗矩に語った言葉とされる「一枚の木の葉がお月様全体を隠す」というのもある。一か所を凝視すると全体が隠れてしまう。剣道では「遠山の目付(えんざんのめつけ)」といい、遠くの山を見る感じで全体を見よ、の意である。
広く視野を広げて神羅万象をざぁっと見続ける、これでいい。

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