見出し画像

【投機の流儀 セレクション】大幅急落があればそこは買い向かうという姿勢で過ごしたい

10月5日~9日の海外投資家による現物の買い越し額(1部・2部・新興市場全ての合計)は4170億円になった。「買い越し」である。11ヶ月ぶりの高水準だった。その間に日経平均は589円上昇した。18年12月に景気が後退期に入ったことを内閣府の経済社会総合研究所(旧・経企庁という信用できる機関)が客観的な統計である景気動向指数から確認し、「1月までは緩やかな拡大期にある」と主張していた政府の経済月例報告も遂に18年10月をもって景気の天井と認定した。旧経企庁を追認した形になった。そうするとそこから後は後退期に入っているわけであり、コロナ禍による大幅な減益をもって景気は「谷」を迎えたとおもう。(後日に客観的立場の景気動向指数研究会という7人のメンバーで決める。「基準日決定会合」という。議事録は公開されている)。7人の客観的立場の学者が後日決めるのであるが、事実「谷」にあれば株は既に先行して上がり始める。海外景気の先行き不透明は充満しているが、先行き不透明であっても「谷」が来れば株は上がり始める。これが本稿で言うところの「株価の景気先行性」である。これから上値をどんどん買っていくという市場には程遠いと思うが、何かの折に(例えば大統領選とか、例えば菅さんの失敗とか)急落したところがあればそこは買い向かうという姿勢で過ごしたい。

【今週号の目次】
はじめに
第1部 当面の市況
(1)大統領選と決算発表を控えて投資家が売買を見送り、閑散状態の膠着
(2)先週14日の東証マザーズ指数は14年ぶりの高値を付けた
(3)株式分割で人気づく小型株――「分割バブル」
(4)年末ラリーのアノマリー
(5)バイデン大統領でも相場は高い
(6)当面の市況は米国の政情に左右されやすい展開
(7)バイデン・トランプの項に追加
第2部 中長期の見方
(1)米株の新規上場市場は17世紀の大事件(南海泡沫会社)と同じ「カラバコ箱上場」 。今回、ソフトバンクが「空箱上場」するという
(2)世界の財政拡張は金融緩和で国債を大量購入する中央銀行がささえるが、それが歴史上最大になっている
(3)近い将来、日本国債が格下げになっても菅首相はあわてるな
(4)菅政権の第一の試練:中国包囲網で傍観は許されない
(5)菅政権の第二の試練:憲法改正の課題
(6)「出遅れ日本株が先頭に立つ旅路」
(7)菅政権の「デジタル庁の創設」や「規制改革」を海外投資家が「日本経済は改革に入った」と解釈して大量に売り越した株式売却資金が日本市場に流入する可能性はある
(8)「金融資産の保有目的は老後のため」は2013年頃から多くなった
(9)「投資家は失敗から学ぶ」(多くの失敗を自分で体験する必要はないしその暇もない。よって他人のそれによって学ぶ)、「成功体験は毒になる場合さえある」
(11)大幅急落があればそこは買い向かうという姿勢で過ごしたい
(12)「2020年は米国史の転換点」
(13)米中の軍事衝突の歴史
(14)「ドルが覇権を手放す日」
(15)ジム・ロジャースの見方
(14)北方領土の問題
第3部 読者との交信蘭
(1)世田谷区在住のT様からの「固有の銘柄についての」ご質問〈10月13日〉
(2)「三菱自動車について」の交信


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
https://amzn.to/2AebYBH
『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
https://amzn.to/2vd0oB4
『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
https://amzn.to/2AeQ7tP
『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
https://amzn.to/2vbXpZm
その他、著書多数。以下よりご覧ください。
https://amzn.to/2va3A0d

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?