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【投機の流儀 セレクション】コロナ不況下という異常事態でも金融市場は安定

【御礼とお知らせ】
「まぐまぐ」にて配信している拙稿メルマガが2020年「資産運用の部(株式)」で第1位を受賞しました。
多くの読者の皆様のお陰です。
ここに改めてご報告するとともに御礼申し上げます。

以下は、選者から依頼された「受賞のことば」です。

私どもは、正しく恐れ、且つ正しく挑戦するという、正統派投資法を世間に広めたいと願うばかりです。
私は18年10月2日をアベノミクス相場の大天井と見てきましたから、それ以降は「現金ポジションを高くとって買い場を待とう」と長期間、呼びかけてきました。
そして今年の3月15日号の冒頭で「百年、兵を養うは(今まで現金で持とうと長期間を呼びかけてきたのは、の意)、一日これを用いんがため(この日に買うためだ、の意)」と珍しく檄を飛ばしました。果たして3月19日が1万6500円という、金融危機でなければ生じないPBR=0.8倍を示現し、そこからV字型反騰をしました。そして今は、20世紀の史上最高値と21世紀の最安値との落差の黄金分割比〈約61.8%〉の戻りという因縁場にいます。
コロナ禍救済のために政府日銀が出した過剰流動性を力としての金融相場が、幕間を入れずに、3年先の業績先取り相場という青春期業績相場に直結したという、いわば二幕連続演出の大相場が3月19日の「陰の極」から1万円以上を上げましたが、青春期相場は「峻厳なる現実の世界」でなく「未だ見ぬ豊富なる可能性の世界」を先見しているのだから、現実を振り返り調整する場面がある方が望ましいでしょう。今の因縁場を素通りして上がれば当面は高いが、その分の調整は大きくなるでしょう。実は、その時が正しく勇気を出して買うところでしょう。
明るい見通しを語る方が世間では歓迎されるが、私は思った通りを行動し、それを語り、語る通りを書く、ということを信条としてきました。
言うなれば私は文筆家ではなく思索家でもなく敢えて何々家と言えば行動家です。
その辺が他の「評論家」との違いでしょう。人生の前半を野村證券で「セルサイドの立場」でエキサイティングな世界を生き、そのあと、三井の会社の役員時代から証券マンのルールに拘束されない自由な一個人投資家として「バイサイドの立場」から金融資産の構築を実益兼趣味として生き、晩年は大学教授として一応は「研究者の立場」、この三つの立場(セルサイド、バイサイド、研究者)から皆様に想いをお伝えしたく、(株)まぐまぐを通して拙稿を普及させてまいりました。その(株)まぐまぐは9月24日に上場されました。(コード4059)。これもひとえに皆様方のお蔭様でありました。今後も何卒よそしくお願いいたします。
調整が在り得るなどいう暗い話しを語ると思われるでしょうが、英国の詩人シェリーを真似て言えば、「冬来たりなば、春遠からじ」です。
春を迎えるには厳冬を通らねばなりません。よって厳冬は私たちが望むものです。

ここで言う金融市場といっても株式市場のことではない。企業の資金繰りのことである。コロナ対応の企業の資金繰りの支援策については日銀は来年3月から半年程度は据え置くことを方針としている。感染拡大で景気の下振れ懸念が強まっていることは誰もが認めることだ。12月からの日銀短観は14日に発表になった。資金繰り環境の厳しさが続いており、17日から18日の金融政策決定会合でも資金繰り緩和策については延長が決まった。日銀の資金繰り支援策はコマーシャルペーパーと社債を計20兆円を上限に買い入れる措置と金融機関に有利な条件で貸し出しの原資を供給する120兆円規模の公開市場操作を決定している。この期限を21年9月まで伸ばす方針で調整する。このようにして日銀はコロナ禍の日本経済を金融不安市場には絶対に持っていかない方針である。ということは、間違っても株式市場にはPBR0.8倍台は来ない。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)今週は保合で始まろう。
(2)悩み多き日銀、デフレとバブルの両建て両裂き
(3)中国、早くも出口戦略か、コロナ財政縮小
(4)楽観の時こそ用心深くありたい
(5)Go To トラベル全国一斉廃止は当たり前のことだ
(6)コロナ不況下という異常事態でも金融市場は安定
(7)それにも拘らず実勢悪が債務不履行の面に出てきた
第2部 中長期の見方
(1)この相場はいつ終わるか
(2)日米株の騰勢の主力は企業収益改善を先取りする青春期相場の力ではなく、本来は超低金利流動性の豊かさのおかげである
(3)民間エコノミストの直近予測、日米欧のGDP下振れ
(4)日本株は大型年金基金からはパスされてしまう可能性
(5)21世紀に入ってからの長い目で見れば日本株の戻りは海外比較で最も鈍い。昨今の活況相場も長い目で見れば「レンジ内相場」に過ぎない
(6)菅首相にまた文句を言いたい。モノの本質を分かれと言いたい
(7)円相場は値幅縮小の動きか
(8)ドル高現象の前にユーロ高
(9)アメリカのタテマエと「いちぶんを通す意地」「タテマエに殉ずる潔さ」
(10)羹(あつもの)に懲りてナマスを吹くつもりはないが、歴史に学べばこうなる――コロナ終息後、人々が保守的になって「貯蓄病」に陥り、「IS:アイエス・バランス」を喪失する恐れ
(11)「超長期投資家としての日銀」を見たときの実績
(12)平均年収(加重平均)の増減
(13)丑年縁起Ⅱ
(14)デジタル化相場「黄金の10年になるか」‐-ふじたつとむ氏の間違いと筆者のb間違い
(15)「日本と原子力の不思議な関係」‐-文明観と思考停止状態
(16)トランプ大統領は恩赦の連発で自分と自分の家族を救えるか
(17)旧来のアメリカに戻れるか─トランプが作った深い米国の分断─筆者の友人でジャーナリストの嶌信彦通信より
(18)米に初の黒人国防長官
第3部 景気循環に先回りする投資法(続編)

【プロフィール
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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