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【投機の流儀 セレクション】流動性相場の正念場――この難局の過ごし方

自らのカネで市場活動しないで評論だけをしている人たちは、相場下落して大底圏内に来ると「難局時代」「株式氷河時代」という。 だが、待ち伏せ組にとっては、そこが一番おいしいところなのだ。高値圏で張り付いている今の方こそ難局であろう。今の過ごし方が将来の「おいしいところ」へ来た時の行動を決める。一足一刀の間境(いっそくいっとうのまざかい)を意識して過ごしたい。

米国発のカネ余り相場である。まさしくそれであり、それでしかない。カネ余り相場を頼りにしてきた日本株市場は正念場に来ているような気がする。18年10月2日に付けた2万4270円という老年期相場の大天井としてきた場所に来ると、その寸前に来るとあと200円というようなところへ来ては跳ね返される。プログラムに仕掛けてあって自動的に売りが出る仕掛けになっているのであろう。

株価収益率は先週半ばは14倍で、これは18年10月の「大天井」の13.9倍を超えている。ここで21年3月期決算がV字型回復となれば予想PERは下がることになるが、今の株価水準からさらに上に行くためには21年3月期の日本企業の決算が大幅回復でなければならない。これが条件となる。ところが、投資家は世界景況感の底入れに自信を持てないし、21年3月期の大幅増益に自信を持てない。半身の構えでカネ余り相場の銘柄を横目で見て大底至るまで何もしないか、あるいは「今年の高値は2万7000円」の説を想定して銘柄選択しながら少量ずつ手を出すか、今こそ、そういう目で市況を見ていなければならないであろう。

【目次】
第1部 当面の市況
第2部 中長期の見方
第3部 米中戦争の本質 (既報の続き)――「習近平王朝」の経済力の持続力


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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