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【投機の流儀 セレクション】ゴーン元会長の保釈に思うことのごく一部を述べたい

【お知らせ】
山崎和邦先生は3月7日(木)~3月16日(土)までイスラエルに行っており、不在の為、直近の相場動向に言及することができません。
よって、3月10日号、17日号は「罫線・資料版」を御覧頂き、内容を補足、対応させていただきます。何卒、御容赦下さい。

山崎和邦事務局

ゴーン元会長の保釈に思うことのごく一部を述べたい

検察の抗告は棄却されて6日にゴーン被告は保釈を認める決定をした。保釈金は10億円だという(村上ファンドは7億円、堀江氏は5億円だった)。東京に在住すること、及びパソコンや携帯電話の使い方を制限すること、その制限は監視カメラその他が常に監視し、それが定期的に検察庁に報告されること等の厳しい条件が付く。検察の許可があれば三菱自動車・仏ルノーの取締役会に出席することが可能とされたようだ。
筆者は日本の検察や裁判所に対して昔から或る不信感を持っている。つまり、行政も司法もあまり信用していないということだ。これは筆者がある大きな事件の弁護側の証人として5年間、地裁も高裁も何度も出席し彼らの対応を見てきたことから実感することである。これについては思いのたけを述べたいこともあるが、本稿の趣旨と少々違うからここでは割愛する(3月6日の動画では詳述した)。
およそ日本のように長い間拘留する国は世界のどこにもないそうだ。100日を超える拘留で閉所恐怖症にもならずに頑張ったゴーンはさすがにレバノン人だけのことはある。古代カルタゴのフェニキア商人の末裔であろう。彼は釈放されても渡航は禁止される。パスポートは弁護人が保管する。ゴーン氏の弁護人が行動制限を提案しての釈放だと見られる。「無罪請負人」と称された村木厚労相次官、小沢一郎議員などを全て無罪にした。その弁護人がこれから取って代わる。
10年も前から日産自動車では全てを知っていて、司法取引によって起訴されたのは2人だけだ。こういう不公正な裁判は元々無効だという強弁も成り立たないことはない。最高裁は、裁判の手続きが間違っていたらすべて無効になる。筆者はゴーン会長が無罪になる可能性は五分五分であるような気がする。
元々西木元社長の態度は許せない。少なくとも元代表取締役社長だった者が勝ち誇ったような顔をし、涼しい顔をし、株主にもユーザーにも関係業者にもお詫びもせず勝ち誇ったような記者会見は異様である。西川社長が雇われサラリーマン社長であることは判っている。その立場の者が資本の論理をバックとしたゴーン会長に対して事実上の忠告もアドバイスもできないことは判っている。そんなことをしたら自分はクビになる。そういうことを含めて株主等に対するお詫びはすべきであったろう。

【今週号の目次】
(1)当面の市況:1、2
(2)指数運用に傾く世界のファンド
 ■三井住友銀行が生んだ伝説の為替リーダーと言われた高木晴久氏
(3)ゴーン元会長の保釈に思うことのごく一部を述べたい
(4)トテツモナイことを目論んでいる習近平
(5)ふたたび三たび、農業こそ日本の成長産業だ
 ■その続き「官僚たちの冬」
(6)新興国国債に広がる楽観論
(7)俗にいう「新冷戦」の複雑さと大きさ
(8)米国がTPP11に加われば世界のGDPの30%ぐらいは占め......は構築される。
(9)米国には本質的には保護主義のDNAが伏在する
(10)来日しているジム・ロジャースの意見を要約
(11)米経済の直近の行方
(12)ドイツに忍び寄る「多臓器不全」
(13)「証券会社、株安リスクも語れ」
(14)H様との交信についての覚書
 ■「ホモ・デウス」の読後感について

【お知らせ】
「投機の流儀 セレクション」のアーカイブは、電子書籍の紹介サイト「デンショバ」にてご覧になれます。
デンショバ
http://denshoba.com/writer/ya/yamazakikazukuni/touki/

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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