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【投機の流儀】「フィジカルからデジタルへ」――企業が貯めこんだカネと個人金融資産

【今週号の目次】
(1)2018年を振り返っての概観
(2)当面の市況
当面の市況;2
(3)当面の市況と中期的見方
○今年は中小型株が大幅安
○重要な内部要因――指数連動型投信が加速した下降相場
○日経ヴェリタス12月23日~29日号が掲載する市場関係者の予測に対する筆者の見方
(4)2019年の展望――19年は未来に備える行動をとるべく希望に満ちた年となろう。
(5)来年の米FRBの金融政策の見方
(6)欧州景気とECBの項目に追加――再び三度、クドクも三重野A級戦犯説
(7)世界を翻弄するトランプの政策は票田を狙う行動だという背景
(8)今回のNY暴落はムニューシン財務長官がバジョット・ケースの再現が輪をかけた
(9)米景気後退のシグナルは既に始まっている
(10)金融緩和色は薄いFRB
(11)金融正常化へのジレンマを抱く日銀
(12)インド中央銀行総裁の突然の辞任
(13)「フィジカルからデジタルへ」――企業が貯めこんだカネと個人金融資産
世界最大の自動車市場・中国における日産・マツダ等の減産
(14)ジャーナリスト嶌信彦通信2018年12月26日 vol.118より――「官民ファンド崩壊の教訓」
(15)宇都宮のKさん、「東電に関する一考察――保有を考えるか利益確定売りを敢行するか」について11月4日に交信したKさんとの交信(12月27日)
蛇足 投機家列伝(1)

【来週以降に掲載予定の項目】
○来年は調整継続時期を擁して、ファンダメンタル面でもテクニカル面でも大底に届く可能性あり、すなわち「再来年に跳躍するための屈伸の姿勢」をとる楽しみ多き年になろう
○大底の付け方にもいろいろある

(1)2018年を振り返っての概観

1年ぶりの高水準、東証1部の念か暗売買代金がである。641兆円だったから東証1部の時価総額全額が1回総入れ替えになった勘定だ。こんなことはめったにない。07年以来である。07年と言えば、小泉相場がW型の大天井を付けた直後にアメリカ発のサブプライムの破裂で仏パリバ銀行補破綻寸前が報道され日本株も大幅下げを演じて1年後のリーマンショックで止めを刺された前年に相当する。今年は2月に節分天井でWトップの第1天井を示現し、VIX指数(別名「恐怖指数」)が大きく跳ねあがり相場は大幅下げを演じて10月のWトップの大天井の準備をした時である。この間に売買代金が3兆円を超えた日が43兆円になった。
一方、12月の日経平均の下げ幅は2336円で、1カ月の下ら悪幅としては、これまたリーマンショック発生の翌月たる08年10月以来10年2ヶ月目となる。
①641兆円という年間売買代金の11年ぶりの大きさ、東証1部の時価
総額が1回全額入れ替わった勘定だ。②1日売買代金の3兆円超が43日という記録、③1年最終の月の1カ月の下げ幅の10年ぶりの記録。
④安値更新の銘柄数は21世紀になって最多。

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