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【投機の流儀 セレクション】ワクチン政局も敗走また敗走

ファイザーとの供給計画が杜撰だった。大ファイザーとの交渉窓口が厚労省の健康局という一つの局にしか過ぎない。大ファイザーが相手にするはずがない。ワクチンに直接関係する閣僚だけでも厚労省田村、ワクチン担当河野、前厚労相で官房長官の加藤、ウィズコロナの経産相、この4人がいる。官僚はどこを向いて仕事をするのか。船頭多くして・・・の危惧が危惧ではなく現実のものになっている。一方、菅首相は自民党史上初めての無派閥出身の首相である。このため菅は政権を維持するためキーマン4人と連続して会談している。①公明党の山口代表、②前首相の安倍、③自分を総裁にしてくれた二階、④麻生副総裁である。解散は首相の専権事項であると言っているが、この4人と相談しなければ実際にはできないだろう。「任期満了選挙で生き残った首相はいない」という事実はもちろん菅も知っている。たいせいは総裁選挙=衆院解散のスケジュールで固まりつつある。それどころか菅が選挙の顔としては失格で「菅はずし」が現実味を帯びてくる。しかし、菅には強みがある。石破氏は安倍とともに去った。岸田も消えた。人気ナンバーワンに躍り出た河野もワクチンの問題で男を下げた。さらに所属派閥会長の麻生は「河野はまだ早いとしている」という(出典は月刊誌「選択」5月号)。採算日程を決めるのもコロナ禍次第、菅の命運を決めるのはコロナワクチン、菅はコロナとともに運命を賭ける立場にある。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(はじめに)
(1)当面の市況:海外筋の動きと国内個人投資家
(2)市場内部要因
(3)当面の市況:上値は重い
(4)景気先行指標の一部が悪い
(5)上場企業、決算出揃う
(6)1~3月の不動産売買額が世界で第2位
(7)国内政局
(8)ワクチン政局も敗走また敗走
(9)16日号で書いた。Sell in Mayのアノマリーについて、その続き
(10)10月衆院解散に絞られてきた
第2部 中長期の見方
(1)コロナ対策で右往左往、都市封鎖したり旅行奨励したりで方針滅茶苦茶で左右にぶれる菅首相は失脚寸前。五輪を止めるのは「目立ちたがり屋の小池百合子」しかない
(2)米国経済の二極化と中国
(3)中国の10年間は誰が作ったか?
(4)常に伏在するインフレ懸念
(5)国内の運用担当者が日本株の組み入れ比率を「引き上げ」
(6)米国市場の中期的な様相
(7)金利上昇とインフレ懸念と緩和の出口戦略とユダヤ人
(8)コロナ感染拡大が一服すれば消費爆発が起きるか?
(9)株価の先行指標、銅価格、投機筋が押し上げて史上最高
(10)商品場の項目に追加
(11)防衛費、GDP1%枠にこだわらないという防衛相
(12)台湾有事の時、日本はどうする?
(13)米に消費景気が来る可能性、米国で消費はGDPの7割を占める
(14)景気回復局面で現れる現象、長期投資と短期投資の利回りの差の急拡大
(15)「漂流する東芝」
(16)東電の新会長に三菱ケミカル小林氏――「ゆで蛙には蛇が必要だ」
第3部 読者との交信――外交官のTさんとの交信


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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