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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】ポストコロナの経済回復はV字型であるという背景

コロナ第2波への経営者の危機感が強まっているとのことで日経新聞が社長100人へのアンケートをとったところ、事業環境の回復に2年以上かかる予測が過半に達したという(日経新聞21日版の一面記事)。 「コロナの長期化に危機感をもって臨んでいる」が、100人アンケートのうちのほぼ全ての企業がテレワークを続けており、4割近くが「オフィス面積の縮小とシェアオフィスの活用」を検討中だという。 1918年からのウィルスの世界全体の感染「スペイン風邪」は終息まで3年かかった。そしてその時の日

【投機の流儀 セレクション】「英雄の末路、哀れむべし」か。日銀の行く末

現在の日経平均が大天井から1割下でとどまっているのはもちろん日銀によるETFの買いがテコ入れになっているからだ。長期的に見れば非常に不自然な相場である。結果的に上値は重いし下値も深くはないということになる。投資妙味がない相場となった。健全な資本市場ではないと言える。 アベノミクス相場は期待先行の金融相場から始まった。何事も大相場というものはそういうものだ。その時に日銀の黒田総裁は英雄視された。アベノミクス相場の青春期の米フォーブス誌(だったと思う)のアンケートによれば「世界

【投機の流儀 セレクション】コロナショックとリーマンショックの本質的な違い

本稿は、およそ相場に関係する要因は、市場外要因であれ内部要因であれ、全てに目を配り,「セイテイ、偸眼にしてハクロウを避く(★註)」の訓えを踏み行うつもりのものであります。 (★註)セイテイ=トンボのこと、偸眼にして=ちらりと見る、ハクロウ=カマキリのこと。トンボはチラリと盗み見るだけでカマキリの刃を避ける、の意。従って浅く広く多岐にわたるが、目次を付けておくから関心ある部分だけを拾い読みすることもまたよいでありましょう。 既報でも述べたがこの二つは比較にならないし、リーマン

【投機の流儀 セレクション】銀行株は中長期的に受難時代――長期的には大底を買える好機と見るか

6月9日・10日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)においてはゼロ金利政策を22年までは行うと決定された。パウエル議長は「金利を上げることは考えることさえも考えない」と言ったという(各メディアによる)。 今回のFOMCでは米国債の利回りを一定水準以下に抑え込む長短金利操作が決定されるか否かにも注目が集まっていたが見送られた模様だ。しばらくは低金利が続くと見なければならない。これには色々な功罪がある。概括的に業種別に見れば、最も苦境に追い込まれるのは銀行業だ。長短金利操