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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
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2019年8月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】消費増税の強行に注意したい

消費増税は今まで3回行った。0%から3%にしたのはバブルの真っ最中だった。3%から5%にしたのも好景気の時だった。また、5%から8%にしたのも2014年の1月であり、アベノミクスの壮年期相場の時だった。にもかかわらず三度とも四半期ごとのGDPは下降し、日経平均株価も一旦は下がった。ましてや4度目の10月1日の10%への増税は戦後最長景気で、それが終焉を迎えている(少なくとも景気動向指数で言えばそうなる。政治家の意図の入った公式見解である月例経済報告で言えば「緩やかな回復を続け

【投機の流儀 セレクション】オリンピック後の景気

オリンピック後に不況が来るという迷信のような見方が一部にある。これには次のような背景がある。 1:既視感である。64年五輪の時はその3年前に日経平均(当時は東証ダウと言った)は史上最高値を付け、オリンピックを越して4年間はその史上最高値を抜けなかった。これが2020年のオリンピックに対して2018年10月に付けた2万4400円というアベノミクスの老年期相場の大天井だという見方である。これは辻褄を無理に合わせているようにしか見えな い。 2:東京五輪の経済効果は微々たるもの

【投機の流儀 セレクション】市場内部要因から警戒モードは続いている

一挙に1500円下げた日経平均だったが、市場ではここで底をついたという見方は全くないようだ。警戒モードは続いている。 <1>9月末決済のための「45日ルール」によりヘッジファンドの売りが換金続く。 <2>米国の「経済政策不確実性指数」(★註1)は相当程度の高いレベルにとどまっている。 <3>日経平均VIは高止まりしたままである。 <4>以上のような内部要因の他に根本的に強い背景は米中対立の構造である。 (★註1)「経済政策不確実性指数」については本稿で既述したことがあるが

【投機の流儀 セレクション】市場の主役は夙に変わっていた

売買代金が昨年と打って変わって縮小している。先々週までは6日間連続して2兆円割れとなった。先週も週初の2日間は2兆円割れだった。(先週後半は3日連続の2兆円超だったが、FRB利下げ期待の賞味期限切れとともに来た燃え尽き症候群の大幅下げを含めての話だった)。 これには次のような背景があると思う。 株式市場の買い手の主役交代である。7月末にかけて各国の主要中央銀行の金融政策発表が相次ぐ。「好景気中の利下げ」という「本当はやってはならない利下げ」を期待して、「利下げ=株高」と決め