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我慢できるのが長所です


結奈ちゃんの気持ちを考えると

俺の考えてることなんて

浅はかすぎてしまう。


俺の手を握り、
恥ずかしそうに歩く彼女を見て

そんなことを思うのは

今に始まったことじゃない。


「あ、あの、カク…??」

「ん??なに??」

「料理、すごーく
美味しかったねっ!!」


俺の家に近付く度に
饒舌になる結奈ちゃん。


「そうだね。」

「でも本当、ビックリしちゃったよ。
エレベーター止まるなんてさ。

私達、どこまでもツイてないよねぇ。」


そう言ってから
なにかを思い出した様に
頬を赤くされてしまったら

俺の頬も紅くなるのは

なんてゆうか、


ある意味当然じゃないですか??


「…俺の家、来る??」


その言葉にいちいち
反応する結奈ちゃんは正直

純粋なんだかそうじゃないのか

よく分からない。


でも、サラッと聞き流されても
それはそれで困るし

かと言ってギャーギャー騒がれても
かなり恥ずかしいし


うん、そう考えると

やっぱり結奈ちゃんは可愛い。


「…あ、あの、カク…??」


俺の家に上がって
靴を履き変えながら
目線は下を向いたまま。


その恥じらいも

すごく可愛い。


「どうしたの??」


こんなに可愛いんだ。

襲いたくなる俺の気持ちも
少しは理解してほしい。


…いや、されても困る。


そうゆうのが分からない
結奈ちゃんが好きだ。


でも、分からなすぎるから
不安になる時もあって。


まぁ、そんなことで
不安になってる自分を見つけて

あぁ、やっぱり俺は
結奈ちゃんの彼氏なんだなぁ、とか

変な優越感に浸る自分は


やっぱり、浅はかだ。


「うん、あのね、あの、その…、」


言いにくそうにしては
顔を上げたり下げたりして

君がそうしてる間にも

俺は君のことを
押し倒せるのにな。


…いや、しないよ??

しない、しない。


…え??しないよ。

しないってば。


「私、本当はさっき

エレベーターの中ででも

良いかなって、思ったの。」


…え??うん。

いやいや、…しないよ。


「…そんな大胆なこと言われたら

カクちゃん、困ります。」

「だ、だからっ!!」



「結奈ちゃん、それ

襲ってって捉えても


良いんでしょうか??」



小さく頷いた君の唇が

逃げない様に奪うけど


あぁ、それでもね、ほら。



我慢できるのが
長所です







**

そんな風に裾掴まれたら
押し倒すなんてできないし

でも、離れようとしたら
「続けてよ」なんて呟くから

なんかもう、

良介混乱です。



ダーリン限界点のその後のお話です。



2011.06.21


【hakusei】サマ
036/365「我慢」 

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