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だから私にはそれでいい

もういっそのこと私の中が

義旭くんで飽和すれば良いって
時々、思ってしまう時がある。


そう思った時に、

あ、私ってもしかして
ちょっと危ない域入ってるかも、

と、やっと自覚する。


今も、そう。


「…よしあきくん、」


小さく名前を呟いて、

私だけベッドで寝させて
一人布団を敷く姿とか見て

何て言うのかな。


愛しくて愛しくて

あぁ、このまま死んでしまいたい。


そう思う時とかに

あぁ、私は結構
キちゃってるなと感じる。


「なんだ??」

「二人で寝ようよー。」

「お前の隣でなんて寝れるか。

寝相最悪じゃないか。」


冷たくそう言いながら

こっちも見ないでしょ。


さっきまであんなに
ラブラブしてたのにさ。

なんかこの、
突然突き放される感じ??



たまらなく好き。



「…ふふ、」

「なに笑ってるんだ。
気色悪いぞ。」

「あは、ごめん。」



パシャリとその後ろ姿を
携帯電話で撮影したら
迷惑そうにする。


そんな顔されたら

窒息しそうになる。


「あぁ…、
義旭くんがかっこよすぎて
私死ぬかもしれない。」

「バカだろ。」

「死ぬとしたら多分
窒息死か心臓発作だろうなぁ。」


そしたら少し真面目な顔して

布団から顔をあげる。



「死ぬとか言うな。」



ねぇ、それは

どっちの意味??


言葉悪いから言うなってこと??

それとも
私の死なんて考えたくないってこと??


前者希望。激しく希望。


私の心配なんて
ほんのちょっとしてくれれば良い。

ほんのちょっと。

それで十分。


それ以上になったら

私は多分、わがままになって

私があなたでいっぱいどころか


あなたを私でいっぱいに、と

望んでしまう気がするから。



このくらいが好き。

掴み切れない方がいい。



私への想いなんて

私の半分くらいで良い。


私への想いなんて

伝えてくれなくて良い。



「…よしあきくん、」

「なんだ。」


「大好き。」


ベッドから降りて抱き着いたら
うざったそうにまた顔をしかめて

私の腕を外す。


「うるさい。」


だけど、私の腕が一瞬でも
義旭くんを包めたのは


避けられなかったからじゃなくて

避けなかったからだって、


たまにそんな一瞬があれば

私はそれで十分、救われる。



だから私にはそれでいい







**


与えられすぎると
もっと求めちゃうだろうし。


それにそうしたらきっと私は

もうダメになるだろうなって。






2011.12.01
hakuseiサマ
「それだけでいい」引用

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