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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.374 キラー・ジョウ

この作品には既に南米のC国(コロンビア)とR国の連邦管区のC国(チェチェン共和国)があるのに東アジアのC国(中華人民共和国)もご登場だぁッ。
あー C国多すぎてどの国のことを言っているのか分かんねぇよ。


◆前回までのあらすじ

R国のMMAチャンピオンであるユーリと米国特命捜査官のスタンプによる闘いは両者とも足の骨折によるドクター・ストップがかかり試合続行不可能の判定、激闘の第9試合は無効試合ノーコンテストで幕を下ろした。
そして、ついに始まる悪魔王子と特別招待選手"X"によるホワイト・ナイト・バトル最終戦・無差別級の第10試合、今まで正体不明だった"X"は人を"倒す"ことよりも"殺す"ことを得意とする武術家 "キラー・ジョウ" と呼ばれる男であることが明かされる。何れの国の何者か…!?


◆氷点下の粛清

前回、悪魔王子と別れた後に背後から銃を突き付けられたゲルマノヴィチ博士はマイナス30℃の部屋で全裸で宙吊りになっていた。犯人はホワイト・ナイト・バトル運営側の使いパヴェル。彼はゲルマノヴィチ博士が反体制派である証拠を掴んでおり、その粛清のために動いていた。
だが、いくら暗殺方法が数多あるR国でも"毒殺"だと体内に証拠が残ってしまう(もみ消したら良くない?)。そこで、マイナス30℃以下の状況で血液循環を最小限に低下させ、"血栓"ができたところに"ワンパンチ"を与えて即死させる"ワンパンチ暗殺"のためにこの状況を用意していた。
パヴェル「反体制指導者N氏暗殺のアレ・・だ」

N氏暗殺のアレ↓

龍を継ぐ男におけるアレクセイ・ナワリヌイ氏って353話に出てきた反体制派の1人のアレクセイ・ディーコン氏って思っていたけど、ちゃんとN氏に相当する人がいるんですね。アイアン木場みたいなキャラがいる世界観でジャイアント馬場さんとアントニオ猪木さんが存在するんだからこういうこともあるのか。
それと、パヴェルが"毒殺"は痕跡が残るって言っているけど、この"ワンパンチ暗殺"も面倒くさい下準備が必要でめちゃくちゃ痕跡が残りそうな気がするんですけど……検死の記録捏造の方が手っ取り早くないか?

パヴェル「残念だよ ゲルマノヴィチ博士 君が現体制あのかたを批判する立場にあったとは」
ゲルマノヴィチ博士「わ…私はこの国に忠誠を誓ったのだ だ…断じてあの男・・・ではない」

博士が裏切り者であったことを嘆くパヴェルだが、自らの死が確定的な状況でもあの男ではなく祖国に対する忠誠を示すゲルマノヴィチ博士。

カッコいいぜゲルマノヴィチ博士よ、お前のその気概と矜持…俺が反体制派なら股を濡らすね。
でもコイツ、最近できた若い愛人はいるんだよな……やることやってんな。


◆ワンパンチ

キラー・ジョウ「あのぅパヴェルさん さっさと終わらせませんか?私はこれから大事な試合があるんですよ」
そしてこの場にもう一人、氷点下の中アイスを食べながら待機していた悪魔王子の対戦相手であるキラー・ジョウがパヴェルを急かす。その言葉に答え、パヴェルはキラー・ジョウに博士の始末をまかせて立ち去った。
キラー・ジョウ「あいっ」
そうしてキラー・ジョウはいつでもどこでも誰も"心臓停止"させる自身のワンパンチをゲルマノヴィチ博士に打ち込む(パンチというより掌底だな)。
キラー・ジョウ「あいっ」←禁断の"あいっ"二度打ち
ワンパンチを打ち込まれると博士の心拍数がみるみる低下し、完全に心臓の機能が停止してしまった。

しゃあっ 破心掌。
(まぁ 破心掌は掌底の衝撃で横隔膜が収縮して心臓を停止させるから厳密には違うんやけどな ブヘヘヘヘ)
……これと似たような現象をマイナスの30℃でなくても起こせる破心掌って結構すごない?

ゲルマノヴィチ博士…特に思い入れはなかったけどリカルド編(322話)から長期的に登場したキャラだったのでこの末路は可哀想っスね(半笑)。
これで鬼龍やボリスのことまでゲロってなかったら見事やな…って思えるんですが、逆に鬼龍おじさんが売ったパターンがめちゃくちゃあり得そうで怖いんだ。

あいっ(キラー・ジョウ書き文字)←なんやこの口調は?ちょっと可愛いやんケ。


◆C国からの刺客

一方、別室で会話中のヨシフと鬼龍。ヨシフはこの第10試合で"ガルシアの心臓"とはどれほどの物なのか見定めようとしているらしい。
そして、悪魔王子の対戦相手はR国の友好国(友好国?)であるC国の選手 キラー・ジョウであることを告げる。

タフに3つのC国あり。
1つ目は南米のC国「コロンビア」、
2つ目はR国の連邦管区のC国「チェチェン共和国」、
3つ目は東アジアのC国「中華人民共和国」。
ったくもう、C国多すぎなんだよ えーーーーーーっ。
なのにイギリス・アメリカ・日本はそのままという一貫性のなさ。いまさらだけど別に中国はそのままでも問題なくないか?タンカー編まではガンガン出してたんだし。

この試合を突然変異の心臓の品定めと目論むヨシフに対して、
鬼龍「悪魔王子は龍星とはちがう 限界ギリギリまで"心臓"のポテンシャルを引き出す」
よほどの相手じゃないと勝負にならない、龍星とはレベルが違うと悪魔王子を評価する鬼龍。

鬼龍「"龍を継ぐ男"は龍星だ そう遠くない未来 お前を軽く超える存在となる…」

出典:「TOUGH 龍を継ぐ男」25巻175P

昔は龍星の方を評価していたのになぁ。←お前は成長しないのか、今は悪魔王子の方が龍を継ぐ男に相応しいんだよ。

相変わらず鬼龍おじさんは悪魔王子を屈服させたいのか後継者にしたいのか心臓のドナーにしたいのか全然分からんね。
歴代のガルシア・シリーズに比べると気にかけている方だとは思うけど。

今の"龍を継ぐ男"相場は龍安悪高なんだ。
はよ為替介入しろ。


◆すれ違いざまの一閃

スタンプ「車椅子って不便だけどさ 目線が低くなって子供になったみたいで面白いな」
龍星「なんかスタンプさん 骨折したのに楽しそうですね」
スタンプ「まあね 怪我したら仕事しなくていいだろ」

前試合、ユーリのローキックで右足の骨が折れたスタンプはギブスで固めた状態でスマホをつつきながら車椅子に乗り、龍星に介助してもらっていた。

なにっ スタンプの仕事に対するやる気モチベーションがまるでない。
それに骨折は演技とかでもなくガチ負傷なのかよ。ユーリ戦に何の保険も用意していなかったなんて…こ…こんなの納得できない。台詞も能天気すぎるし、これが米国特命捜査官の姿か……もう労災申請でもしろって思ったね。今頃スマイル・ジョーは泣いてると思うよ。
もう悪魔王子確保の任務無理やん。

そんな他愛もない会話をしつつ廊下を進む中、目の前にゲルマノヴィチ博士を始末したばかりのキラー・ジョウが現れ、そのまま2人を横切っていった。キラー・ジョウが放つ妖気とも言える殺気に只者ではないと感じ取った龍星だが、突如スタンプに異変が……、
スタンプ「あ…あの野郎 すれ違いざまに斬りつけていきやがった」
なんとスタンプの右瞼が大きく斬りつけられて大量の血が流れていた。スタンプは手に持っていたスマホで咄嗟に動画撮影していたが、そこには目にも見えないスピードの肘打ちを放つキラー・ジョウが映っていた(スタンプが目視できない速さの肘打ちを撮影できるスマホのカメラ凄いっスね)。

しゃあっ スパインウィップ。
破心掌にスパインウィップ……ワシ…キラー・ジョウの正体に心当たりがあるんや、キー坊こと宮沢熹一や←アホなことを…)。

ガルシア・アイがあるのに肘打ちに一切気付かなかった龍星よ…お前は主人公と言えるのか?


殺試合ころしあい

第10試合開始直前。リング上には"無差別級・特別招待選手 キラー・ジョウ""最強最悪の暴君・悪魔王子"(中学生並みのネーミング・センス)が登場し、ノールール・ノーレフリー時間無制限の完全決着制の試合が始まろうとしていた。
もはや試合ではなく殺試合ころしあいとも呼べる闘い……どちらが勝利するのか!?

殺試合ころしあい(激ウマギャグ)。
司会(リング・アナウンサー)にまで悪魔王子のダジャレが伝染してしまいましたねぇ。R国なのにモロに日本語の言葉遊びなのもどういうことなのか?全員が"ほんやくコンニャク"を食べている世界観なんスかね?
各々が自国の言葉を話しまくっているのに何故か意思疎通ができる鉄拳みたいな世界なんだ。
これは龍継の海外展開時にどう翻訳されるのか気になりますね。龍継がどの程度海外展開してるか知らんけど。

しかし…C国の刺客と国籍無し&中二病みたいな名前の坊主頭の試合が国威発揚大会のファイナル・マッチでいいんですかね?

◆血の闘いの予感… ←これで悪魔王子が苦戦しまくったら笑える。
次号、いざ試合開始…!! ← なにっ 先週からまるで話が進んでいない。


◆まとめ

悪魔王子がリカルド戦の時みたいに「はうっ」される未来が見える見える。キラー・ジョウもしっかり強キャラみたいで期待大ですね。目のハイライトがなくて寒い部屋でアイス食ってるのも不気味な存在感があっていい。C国からの刺客だし中国武術を使いそう(安直)。タフにおける中国武術はかなり優遇されている上に龍星の"妖気とも思える殺気"発言からオカルト要素もありそうなんだ……悪魔王子も対抗して久々に真・幻魔拳使うのかな?
ただ、今回ちょっと残念なのがスタンプが演技とかでもなくガチ負傷っぽいのがね……仕事全然やる気ないし。

スマイル・ジョー「ムフフ…(ステファニーのために)心臓頼んだよ」
スタンプ「おかのした」
~負傷~
スタンプ「怪我したら仕事休めて楽しいのん」←えっ!?

ハッキリ言って特命捜査官としてはクズの部類に入る。
こんなんじゃ悪魔王子VSスタンプのリベンジ・マッチが盛り上がらないよ~。ワンチャンこのまま猿空間送りってあり得るのかな?

このキャラスタンプを出した目的は…!?

話の展開としては第10試合が終われば"あの男"も出てくるだろうし、情勢が大きく動きそうで怖く楽しくなってきましたね。


◆余談

特別招待選手"X"がワンパンマンだなんて誰も予想できないんだよね。
それとキー坊はどこへ消えたのん?


◆次号予告

次のプレボNo.22は5月13日月曜日です。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第374話