【陶芸】土殺し(つちごろし)のコツ
私はアラサーの主婦で、大学生の時に部活で陶芸をしていました😃社会人になってから陶芸教室に通い、現在5年目になります。一時期は別の教室でアルバイトもしていました。
プロじゃないけど、素人目線で土殺し(つちごろし)のコツについてまとめてみました。素人なのでついこの前まで苦戦してたわけですので、今まさに苦戦している人と共感できるポイントが多いんじゃないかな~と思っています😉
このnoteには私の持論(多め)や先生に教わったこと、インターネットの情報を織り交ぜて書いているので、間違っていることもあるかもしれませんが、読者の方の参考になれば幸いです。
なお、私は右利きなので、基本的に右利きベースで左右を書いています。電動ろくろが左回転(反時計回り・リバース)の方は逆向きでお考えください。
■ 土殺しとは
土殺しについてご存知の方は読み飛ばしてください👍
陶芸の成型方法はいろいろありますが、その中で電動ろくろを使って成型する場合の下準備で土殺しを行います。電動ろくろに置いた粘土を縦に伸ばしたり押し戻したりするのを繰り返します。粘土の硬さを均一にし、粘土を電動ろくろの中心にピッタリ据えるのが土殺しの目的です。
電動ろくろで成型するとき、土は円柱状にしてスタートします。円柱の中心と電動ろくろの中心がピッタリ合っていないと厚みが均一な作品を作れません😥
(図1)
■ 土の硬さ
一個引き(1つの土の塊から1つの作品を成型する手法)の場合は柔らかい粘土を使うのが良いと思います。特に力が弱い女性の場合は電動ろくろで硬い粘土は使わない方がいいです🤔
「土が途中でふにゃふにゃにならないように、電動ろくろは硬めの土で成型しないといけない。絶対。」と私はずっと思っていました。数引き(大きな土から成型した作品を切り取っていき、複数個の作品を成型する手法)の場合は長時間水を使うので硬めの土で良いと思います。土殺しは使う分だけ少量を随時やればOKだからです👍
ただ、一個引きの場合は粘土は柔らかい方が良いと思います。イギリスの陶芸家のGadsbyさんのYoutubeを見て気づきました。
土を練っているとき、とても柔らかそうです🙄これぐらいの柔らかさが土殺しも成型もやりやすくて良いと思います。
特に女性の方は男性より力がないので、硬い土で土殺しすると中心を取るのが難しいです。少量ならまだしも、1 kg以上はかなり厳しいと思います。
菊練りの時に水を調整して柔らかめに練ることをおすすめします😀
余談ですが男女の力の違いって結構大きいと思います。男性は「おりゃっ!!」って思いっきり押せば中心が取れるんだな~って実感することが何回かありました…(うらやましいぜ~)
女性は腕がプルプル震えて汗が噴き出すぐらい力を入れても、うまくできないときって中心が取れないんですよね(という話で昔生徒さんたちと結構盛り上がりました😅)
柔らかい粘土を使えば良いと気が付いてからは土殺しがすごく簡単になりました。困っている方は1回試してみてください😉
🟡ポイント 一個引きのときは柔らかい土を使う
■ 土の設置
土を電動ろくろに置く前に、電動ろくろの天板も、粘土も、手も、水気が全くない状態にします。水がついていると粘土と天板の間の摩擦がなくなって土が滑ってしまい、据え置くことができません。天板の水気がなくならないときは硬く絞ったタオルか、ちぎった新聞で拭き取ります。
土はちょっととがらせた状態にします🍙私はいつもこんな形にしてます。
(図2)
とがった方をろくろの天板の中心に、勢いよく押し当てます。投げる(手から土が離れる)のはNGです。
とがった方を潰すように天板にぶつけることで、空気が入らず天板に密着します😀
天板に土を置いたら、土と天板の接地面をチェックします。天板の同心円と土の接地面を見比べて、中心とズレている部分は手で押して寄せます。
また、横から見て土が山型に均等になるように、土を叩いて均します。
(図3)
土と天板の接地面の部分が、土殺しをするときに一番中心を合わせにくいです😞しかも接地面の土がズレていると、その部分から全体的にズレてしまい、中心がなかなか合いません。土殺しを始める前にしっかり整えておくのがポイントです。
🟡ポイント 土殺しを始める前になるべく中心に土を据え置き、形を山型に整えておく
■ 土殺しの開始
土殺しで中心を合わせるとき、土の根本の部分の中心が合わないと、何回土殺しをしても中心が合いません😣土殺しの土を上げる前の、手を動かさずにキープする工程が重要です。
土殺しを始めるときには土に水をたっぷり付けます。常に滑りが良い状態をキープします。少しでも土と手の間に摩擦を感じたら水かドベ(泥)を補うようにします。どの工程でも、水切れすると水が足りてない部分の粘土の摩擦の大きいので、手がひっかかって中心がズレてしまいます。土殺しで中心が合わない理由のひとつだと思います😥
電動ろくろをするときはいつも、手に付けるのはできるだけドベの方が良いです😀水ばかりじゃぶじゃぶつけると水の回りが早くなり土がへたりやすく(ぐにゃっとなりやすく)なります。
土殺しで土を引き上げるとき、手の外側(小指側)を使います。
(図4)
そして大事なのが、土の一番下の方から引き上げることです😀
天板と土の接地面に、ぴったりと両手の手の外側(図4の赤いところ)をくっつけて、中心に向かって力を入れます。
力を入れるのは手の外側だけです。
(図5)
土に手を持っていかれないように、ピタっと動かないようにキープします。かなり力が要ります。土と手の摩擦も大きいので、水切れしやすくなります。水がなくなったら、そーっと手を放して水かドベを補います。
天板と手が擦れるのでちょっと痛いですが我慢しています。(先生に「痛いんですけど」って言ったら「我慢して」って言われました🤣笑)
土に入っている小さな砂粒でたまに手を切るときがあります。目の粗い土を使うときは要注意です。
最初は土と天板の接地面(図6の土のフチ)が正円になっていないので、手がガタガタ動きますよね。
(図6)
土のフチがなるべく正円に近づくように手を動かさずにキープします。
土を上に伸ばすときは、毎回一番下の天板のところから伸ばしていきます。
何回上げ下げを繰り返しても、土と天板の接地面が正円にならないとき、私の場合は右手の人差し指の爪で、土のフチを整えます。
(図7)
手と土とが当たる部分の面積が小さいほど摩擦が少なくなって、手が土に持っていかれずピタっと動かずにキープできるので、指先だけを使います。指先さえ動かさなければ土のフチが正円に整います。指が動かないように反対の手で支えてキープします🙂
土と天板の接地面で手を動かさずにキープしてフチを整える時間は長いです。土に触り始めてから縦に伸ばし終わるまでの時間を10としたら、5は天板の接地面でキープして、残りの5で引き上げていきます。
🟡ポイント 土と天板の接地面が正円になるように手を動かさずキープする
■ 土を上に伸ばす
土の接地面を整えたら、土を上に伸ばしていきます。この時も、手の小指側の外側(図4の赤いところ)に力を入れて伸ばしていきます。
重要なのは力を入れる向きです。向きが間違っている場合は粘土の中心にくぼみができます。
土を手で上に引き上げようとするのはNGです❌上に引き上げようとすると、外側の土だけが先に上がってしまい、中心の土が一緒に上がりません。この場合粘土の中心にくぼみができてしまいます。
(図8-1)
このくぼみには水が溜まりやすいので水分が不均一になってヒビの原因になったり、くぼみに空気が閉じこもってしまうこともあります😫
一番良くないのが、土を引き上げ終わったときに外側の土でくぼみを閉じてしまうことです❌余分な水分と空気を閉じ込めてしまいます。
くぼみができてしまったら閉じずに、盛り上がった部分を押さえつけてならします。無理なら切り取ってしまった方が良いです。
土を手で引き上げず、両手の小指側の外側を、土の中心に向かって押し付けます。上ではなく真横に力を入れます。そうすると、押された粘土は上にしか逃げ場がないので、上に盛り上がります😉
引き上げるのではなく、中心に押したら勝手に上に土が上がっていくようなイメージです。
粘土が上に逃げるのに合わせて、手も少し上にずらしていきます。粘土を追いかけるように上まで伸ばしていきます👍
(図8-2)
🟡ポイント 手の外側を中心に向かって真横に力を入れ、上に逃げた粘土を追うように縦に伸ばしていく
また、粘土を引き上げていくときに途中で水切れ(水が足りなくて手と粘土の摩擦が大きくなること)することがあります。
少しでもザラっとしたら、手をそーっと放して水かドベを補います。手を急に離すと土がグラグラ揺れるので注意です。水分を補ったら、手を離した位置から続きをやります。
水が足りていない場合、手のひらに土が薄く付きます。ドベのように水となじむヨーグルトのような硬さの土ではなく、ザラザラした土が手のひらに薄く広く付いているのは水切れしているサインです🤔
(図9)
そういう硬い土が手のひらについたままだと手と土との間に摩擦が生じて土が引っ張られてしまうので、硬い土が手についていたらこまめに取っておくことをおすすめします😀
🟡ポイント 水切れに注意し、手のひらに硬めの土がへばり付いたら取っておく
■ 土を下げていく
土殺しで中心がズレる原因が土を下げていく工程にある方も多いと思います。
土を下げるのって上げるよりもすごく簡単だからササーっと下げてしまうと思うんです。右手で斜めに倒すと簡単に下がります。水切れしていてもススーっと下がります。
力が弱い人ほどゆっくりゆっくり下げた方がいいです。そして水切れするのも絶対NGです❌
まず、左手は土の根本、天板に擦る位置で絶対に動かないようにします。これが重要です😉
土のブレに引っ張られて動かないようにして、土が中心に据わるようにします。土が1 kg以上ある場合は右手の下で動かないようにするのが良いと思いますが、1 kg以下の量であれば天板あたりで左手を固定する方がブレにくいと思います。
左手を固定したら、右手で土を正面(12 時の方向)に少し押します。この時、水切れしないように両手に水かドベをしっかり付けます。
土は下向きに押すよりも正面に倒す方が下げていきやすいです。
土が下がってくると左手は土に引っ張られて動きそうになると思いますが、絶対に動かないようにキープします。左手の力が足りなくて土のブレに引っ張られて動いてしまう場合、土を倒す速度が速すぎます🤔
途中で水切れした場合、そーっと手を放して水かドベを補います。
左手が動かずにキープできていれば土は最初よりも中心に据わっているはずです👍
土を上に伸ばしたときには中心が取れているように見えたのに、下げたらまた中心がズレてブレている場合、土を下げるときに左手が動いてしまっている可能性が高いです。水切れに注意してゆっくりゆっくり土を下げてください。
中心がピッタリ合うまで、土を上に伸ばしゆっくり下げる、という上げ下げを繰り返します。何回もやりすぎると土に水が回って柔らかくなり、作品を成型するときに土がへたってしまう(ぐにゃっとなりやすい)ので、3回ぐらいの上げ下げで中心が合うと良いです😀
🟡ポイント 土を下げるときは丁寧にゆっくり下げ、支える手に力を入れて中心を合わせる
■ まとめ
1.硬くない、柔らかめの土を使う
2.土殺しを始める前に、土を叩いて均等な山型にし、接地面が正円になるようにして、なるべく中心を取っておく
3.常に水切れしないようにする(特に土を下げるとき、水切れしても下がるので無視しがち)
4.土を上に伸ばす前に、両手を中心に向かって力を入れ、手の外側で土台の中心をしっかり合わせる
5.土を上に伸ばすときは手の外側を使って中心に向かって力を入れ、土を上に上に逃がしていく(上向きに引っ張り上げるように力を入れない)
6.土を下げるときは支える方の手にしっかり力を入れて動かさないように踏ん張り、反対の手で土を正面に少し押してゆっくりゆっくり下げる
いかがでしょうか。
こういうコツって言語化しにくいところがあると思うのですが、わかりにくいところがあったら書き足していきたいので、ぜひぜひ教えてください~!😀
また「こういうことで困っている」というような事例があればコメントいただけると嬉しいです😊
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本記事をご覧頂きありがとうございます😌
陶芸の詳しい作業工程についてはこちらの記事でご紹介しています😉
私の作品の一覧についてはこちらの記事にまとめおります😊
私の作品は以下のサイトで販売しております🍀ぜひご覧ください😊
よろしければサポートをおねがいします😊頂いたお金は粘土代に使い、陶芸の道を極めていきます。いつか作品にプレミアがつくようにがんばります🍵