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水の声が聴こえる。 声はやがて幾重にも重なる波になって、川になり、山を降りて大地を削り、…
「どうしよう…」 恋人と喧嘩をして同棲する5駅手前の家を飛び出したのが3時間前。 僕はもう途…
私はバターが嫌いだ。 見るのも嫌だ。 恋人が浮気をした時、彼の家には手作りケーキがあった…
最悪だ。 僕は会社の壁に向かって立ち尽くす。 壁に貼られた一枚の人事通達。 僕は、社内で…
「ただいま」 誰もいない家に帰ってきて まず最初に手を洗う。 今日も仕事は忙しかった。 …
空の上には、神さまの国がある事を知っていますか? そしてそこには沢山の子ども達がいること…
其の者は ある日突然 やってきた。 夏の暑さが和らいで 夜の香りに切なさが混じってきた頃 淡い閃光と共に僕の元へ。 薄いピンク色の靄の中 青い光を燦々と放っている其の者は 星の子ども。 細長い触手が身体から伸びていてぷよぷよとした生き物。 その出会いに 僕はあっという間に夢中になった。 美しいものを見て欲しい。 素敵な音楽を聴いてほしい。 楽しいことを一緒にしよう。 僕たちは たくさん遊んだ。 けれどね 日に日に、陽が落ちるのが早くなる。 1ヶ月経っ
喉が乾く。 喉が渇いてしょうがない。 真夜中のベッドの中、そう思いながらも私はまた眠りに落…
ある朝、ベランダに出るとカタツムリがいた。 もう季節は秋で、肌寒い。 「こんな時期に、どう…
この広大なサバンナには、幾千もの生き物たちが暮らしている。 大きいもの、小さいもの、数が…
時はきた。 世界中で大停電が起き、全てのコンピューターは止まり、地球は暗闇に包まれた。 …
私たちがこのケイタラという星に調査に来て、3日が経った。 美しい水の星、ケイタラ。 私たち…
あるところに、美しいお妃様がいました。 お妃様は魔法の鏡を持っていて、ある日鏡に言いまし…
那覇空港で乗り換えて、もう1便。 そこでやっと、彼女の住む島に着く。 石垣空港だ。 飛行機を降りたところに、大きなポスターが貼ってあった。 『ようこそ、石垣島へ』 シーサーとハイビスカスとともに書いてあるそれは、今の僕にはどこか哀愁漂うものにみえた。 成田や羽田と違って、石垣空港はこじんまりと小さい。 小さくて、あっという間に出口に着く。 出口の数メートル手前で僕は足を止めた。 「どうしたの?」 彼女が振り向いた。 「僕は行かない。ここで見送るよ」 彼女は黙って僕を見上