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星のこども

其の者は
ある日突然
やってきた。

夏の暑さが和らいで
夜の香りに切なさが混じってきた頃
淡い閃光と共に僕の元へ。

薄いピンク色の靄の中
青い光を燦々と放っている其の者は
星の子ども。
細長い触手が身体から伸びていてぷよぷよとした生き物。

その出会いに
僕はあっという間に夢中になった。



美しいものを見て欲しい。
素敵な音楽を聴いてほしい。
楽しいことを一緒にしよう。

僕たちは
たくさん遊んだ。

けれどね
日に日に、陽が落ちるのが早くなる。

1ヶ月経った頃
星の子どもは言った。

『もうタイムリミットだ。帰らなきゃ。』




別れの言葉も言う間も無く
星の子どもは去っていった。

2人で遊んだ痕跡は
跡形もなく消し去って。

外はすっかり秋模様になっている。




秋の訪れと共にやってきた星の子ども。

僕の胸に、消えない光の色を落として行った。



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#小説

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