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香典袋の書き方知っていますか?葬儀屋が教える今更聞けない葬儀マナー


こんにちは、茨城県水戸市の葬儀社『橙縁社(とうえんしゃ)』です。



親しい方の突然の訃報。。。

葬儀に参列し、お別れの挨拶に向かうことになりました。



しかし、いざ葬儀に参列することになると、葬儀特有のマナーやルールに不安になりますよね。。。



中でも御遺族に渡す『香典』は、お金ということもあり、悩む人も多いのではないでしょうか?



『香典袋の表には、何て書くのが正解?』

『表書きの意味って?』



そこで今回は、香典袋の書き方を分かりやすく紹介していきます。




香典袋の書き方知っていますか?葬儀屋が教える今更聞けない葬儀マナー

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香典』とは、人が亡くなった時にお香を送る習慣が、お金に変わったもので、現金を不祝儀用の水引を結んだ袋に包んだものです。

主に、通夜または告別式の際に持参します。



香典袋に記入する項目

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一言に『香典袋』の書き方と言っても、大きく分けて3つの項目があります。

・外袋(表書き、名前)

・中袋表面(金額)

・中袋裏面(住所、名前)



・外袋、表書きの書き方

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まずは、『香典袋』の表書きです。

『表書き』とは、水引で半分仕切られた上段部分をいいます。



この『表書き』に、悩む人が最も多いのではないでしょうか?

なぜなら、宗教や宗派、渡すタイミングによって、書く内容が変わるからです。



そこで、宗教や宗派ごとに分けて解説をしていきます。

・仏式

・仏式(浄土真宗)

・神式

・キリスト教

・無宗教形式




仏式の場合の表書き

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『仏式』は、仏教を信仰している形式のお葬式です。



・四十九日前 ⇨ 御霊前

・四十九日後 ⇨ 御仏前

上記のように書くのが一般的です。



しかし、仏式のなかでも浄土真宗は異なります。




仏式、浄土真宗の場合の表書き

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浄土真宗では、霊の存在がありません。

そのため、『御霊前』という考え方がない訳です。



・浄土真宗 ⇨ 御仏前

浄土真宗は、日本一信徒数が多い宗派と言われていますので、『香典袋』の書き方の違いを、覚えておいて下さい。




神式の場合の表書き

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『神式』とは、神社を信仰とする形式のお葬式です。

ちなみに、仏式とは異なりますが、『御霊前』と書いても問題はありません。



しかし、当家を立てたより丁寧な作法では、

・御神前

・御榊料(おんさかき)

・御神饌料(ごしんせん)

・御玉串料

などが、神式の『香典』表書きとして適しています。



キリスト教の場合の表書き

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キリスト教での葬儀の場合でも、『御霊前』は問題はありません。



しかし、キリスト教の葬儀の場合、

・御花料

と書くのが一般的です。



また、カトリックに限り、

・御ミサ料

も可能ですが、プロテスタントでは使えません。



無宗教形式の場合の表書き

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宗教や宗派に捉われない葬儀を、『無宗教形式』と言います。

この『無宗教形式』の場合でも、『御霊前』の表書きで問題はありません。



しかし、当家の意向に沿って、宗教に抵触しないようにしたい場合、

・志

・御香料(ごこうりょう)

・御香資(ごこうし)

などを使うのが良いでしょう。




外袋、名前の書き方

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次に、香典袋の名前の書き方です。

名前は、水引の下側に薄墨で書きます。



『薄墨』とは、読んで字のごとく、水分が多めの薄い墨のことです。

なぜ『薄墨』を使うかと言うと、故人を追悼する気持ちを表すためだと言われています。



また、普通の墨に比べ、水分が多く薄いことから、故人を悼む涙で墨が薄くなったように見えるためともされています。

更に、故人の不幸を聞きつけ、墨を十分すっている間もなく駆け付けたなど、多数の諸説があるのです。



それでは、個人名で書く場合と、複数人数の連名で書く場合とを紹介していきます。




香典袋の名前の書き方、個人名

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故人で香典を出す場合は、

・真ん中にフルネーム

で自分の名前を書きます。



当たり前のことですが、誰が香典を出したのか、遺族が分かりやすいように書きましょう。



個人名、代理で香典を出す場合

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個人名で香典を出す場合でも、本人がどうしても参列できない時、代理の人が香典を出しに行くケースがあります。

そんな時は、

・名前の左横

に、一文字書いて、代理と分かるようにします。



・上司などの代理 ⇨ 『代』

・妻が代理    ⇨ 『内』



香典袋の名前の書き方、連名

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次に、複数の人数で香典を出す場合です。

複数で一つの香典を出すことを、連名といいます。

・夫婦の連名

・2~3名の連名

・4名以上の連名



夫婦の連名

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夫婦で『香典』を出す場合は、基本的に、

・真ん中に夫の名前をフルネーム

で書き、左隣に妻の名前のみを記入しましょう。

*妻側は、苗字は無し。



2~3名の連名

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2~3名の連名で名前を書く時は、

・目上の人が真ん中

で、左隣にフルネームで名前を並べて書きます。



また、目上の人ではなく、五十音順で並べて書くケースもあります。



4名以上の連名

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連名が4名以上になる場合は、所属する会社名やグループ名を書き

・○○一同

と書きましょう。



中袋表面、金額の書き方

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表書きの説明が終わった所で、今度は『香典袋』の中に入れる『中袋』の書き方です。

まず、中袋の表面には、金額を書きます。

・縦書きの場合

・横書きの場合




縦書きの場合

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中袋の表書きは、縦書きが一般的です。

そして、縦書きの場合は、数字を旧漢字で書きます。

・一 ⇨ 壱

・二 ⇨ 弐

・三 ⇨ 参



更に、円は『圓』と書き、数字の前に『金』をつけます。

参考までに例として、10,000万円の場合は、

・金壱萬圓

と書くことになる訳です。



横書きの場合

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最近の『香典袋』には、金額を書く欄が横書きで印字されているものがあります。

その場合は、漢字ではなく、

・算用数字

で、金額を書きます。



・金壱萬圓 ⇨ 10,000円(算用数字)



中袋裏面、住所や名前の書き方

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続いて、中袋の裏面です。

裏面には、

・郵便番号

・住所

・名前

を記入します。




2名連名の場合の中袋裏面

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2名の連名であれば、中袋裏面に2名分の郵便番号、住所、名前を記入できます。

表書きと同じように、目上の人がいれば、右側から書くようにします。



3名以上連名の場合の中袋裏面

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3名以上の連名で『香典』を包む場合は、

・表面に合計金額

・裏面に代表者の住所、名前

を、まずは記入します。



そして、別紙を用意します。

・住所

・名前

・金額

を、別紙に各々記入します。



ちなみに、代表者の住所、名前は中袋裏面と別紙、両方に記入するので注意して下さい。



最後に

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今回は、香典袋の書き方を分かりやすく紹介しました。



お葬式では、『香典』の表書きが、宗旨・宗派によって異なります。

また、会社関係などのケースでは、中袋が連名となり、人数によって書き方が変わることが多々あります。



もちろん『香典』の書き方は、最低限のマナーとして覚えておきたい所ですが、一番大切なことは、

・故人と最後のお別れ

をすることであり、しっかりと送り出してあげることです。



必ずしも、遺族の宗旨・宗派を理解できる訳ではないので、あまり気にせず、故人との最後の時間、遺族への思いを伝える時間を重要視してあげて下さい。





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