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出生前診断についての記事が書けていない理由について ~【自分事】として考えるには ~

※出生前診断についての倫理的な部分について書いています。悲しい気持ちになるかもしれない方はお控えください。

NOTEを始めたきっかけの一つとして、専門的な知識がない方も、出生前診断を理解しやすいように記事を書きたいという気持ちがありました。
しかし、最近は手が止まっています。

それはなぜか、
出生前診断について色々悩み始めたから。

いやいや、そんなの前から分かっていたことじゃない?!
と感じる方も多いでしょう。

当時の私は、

選択の自由はあっていい。と思っていました。
どんな選択の自由? 出生前診断自体、その後のこと、どちらについてもです。

そもそも、検査内容自体をも正しく理解せずに受けていらっしゃる方がいるのも事実なので、それについてはお伝えしていく必要はあるとは考えています。

当然ですが、出生前検査を受ける限り、結果は伴います。
ほとんどの方は、自分のお腹の子は何にも問題ないはずと考えて検査を受けます。
検査を受ける前は【自分事】ではない方が多く、結果は陰性にでるはずだと考えて受ける方が多いのです。

陽性の結果がでて初めて戸惑う。というパターンが多く、遺伝カウンセリングで実際に染色体疾患である可能性はこのくらいですよとお伝えしても、
【自分事】とは考えられず、自分はあてはまらない、と考えるのが人間なのです。

陽性だったらどうしますかの質問に対しては、その時に考えます。
といった感じ方が多いです。しかし、それでは遅いように思います。

では、どのようにしたら【自分事】として考えられるようになるのでしょうか。
日常生活を送っていく上で、障がい者福祉について考える機会は少ない方も多いと思います。

それでも出生前診断を受ける方は一度、具体的に知る努力をしてから受けて欲しいと感じるようになりました。

私をそのように考えさせるきっかけになった2つのコンテンツをご紹介します。

一つ目は、ダウン症 パパの育自奮闘記というタイトルで音声発信されている方の発信を聞き始めたことです。明るくきちんとした知識が発信されています。

二つ目は、ルポ「命の選別」 誰が弱者を切り捨てるのか を読んだことです。

これら2つについてここで詳しくは述べませんが、

漠然と健康な子供を育てたいと考えて出生前診断を受けるのではなく、自分とは違う様々な生活があることを知ることで、出生前検査に対する考え方が変わるのではと思いました。

こういうことまで遺伝カウンセリングでは伝えきれてないのが現実です。

結論

社会の福祉について【自分事】として知る努力をすれば、出生前診断についての考え方も変わるのでないかなと思い始めた産婦人科医ひろこでした。

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