見出し画像

企業・組織の情報流通を正す事例 その2[20240208]

CRMを有効に機能すさせるには


管理部門が営業を管理しようとCRMシステムを導入しようとしても失敗するという話。

では、CRMシステムは本当に不要なのか?

実は、営業の仕方を根本的に変えるならば話は別だ。

私のクライアント企業の営業部で本当にあった話だが、若手営業員にアンケートをとったそうだ。

Q:「普段の仕事で一番困っていることは何ですか?」

ダントツで多かった回答が「次になにをしたら良いのか分からない」だった。

若手営業員は「教育されていない」訳ではない。

もちろん一人一人は優秀だし、社内研修も十分に実施されているそうだ。

ところが、多様なお客さまに相対していると、マニュアル通りにはいかないものである。

上司である課長にアドバイスを求めれば良いのだが、何せ課長もプレイングマネージャーで常時オフィスにいる訳ではない。

相談相手がいない若手営業員は育たない訳だ。

課長さんたちの若い頃は「俺の背中を見てついてこい」とばかりに先輩や上司達に言われて育ってきたのだろう。

そういう育ち方をしたものだから、今の若い営業員にも同じ事を言うらしい。

「相談しても無駄か」と思われているのかもしれない。

まずは、営業課長以上にコーチング能力をしっかりと身につけて部下をキチンと指導できるようになっていただく。

若手営業員にはお客さまとのコンタクト履歴を残すように指導する。

そして、管理職はそれに必ず目を通し的確にアドバイスするという「仕事の仕方」を導入する。

また、営業部でのチームビルディングなどを半年に一度とかの割合でプロを入れて実施するなどの施策も有効だ。

営業職は、ともすれば「個人戦」になってしまう。

なので、きちんと「団体戦」になるように仕事の仕方を変えるのだ。

そのために、現場で何が起きているのかをタイムリーに管理職が拾い上げられるように体制も変更しなければならない。

当然のことながらプレイングマネージャー制度(制度にもなっておらず、自然にそうなっていることも多い)は廃止すべきだろう。

こういう大規模な営業改革とともにCRMシステムを導入するならば有効に機能する確率が上がる。

パッケージシステムを導入しただけでは、何も変わらない。

それどころか「必ず無駄な投資」になってしまう。

パッケージを担いでやってくるITベンダーの言いなりでは成果は得られないのだ。

合同会社タッチコア 小西一有

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?