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誰でも気分の良い仕事をしたいけれど[20240422]


前回は「なぜ、IT部門は計画的に仕事が出来ないのか?」と問いかけて終了した。

この問いかけは全てのIT部門にという訳ではないのだが、それでもかなり多くの組織で当てはまっていると思う。

計画的な仕事をしにくい環境になっていると言った方が正しいだろうか。

ITの仕事は「(システム)障害対応」とか「バグ対応」など突然発生するものが多い。

更に、これらの対応は急を要するモノばかりと言っても過言では無い。

IT部門以外の方から見れば「緊急対応する運用業務」ならアウトソーシングすれば良いのにと思うかもしれない。

そのように考えるのは、極めてnormalである。

IT部門は、定常的に発生するスタッフ仕事や新規開発などに特化した方が全体的な業務効率が良いように思う。

しかし、多くのIT部門では「緊急対応する運用業務」中心で半世紀前のサッカー試合の様相を彷彿させる。

(半世紀前のサッカー:11人中のキーパー除く10人が1個のボールを全員で一心不乱に追いかける様)

目先の障害は、シューティングしなければならない格好の題材である。

障害対応が上手く出来れば「達成感」が半端ないし、殆どは数時間からせいぜい1日以内に対応が完了する。

スッキリ感が半端ないのだ。

そして、現場から感謝されることも多い。

何となく「いい気」になれるのだ。

即効性の高い満足度高揚は、様々な仕事に優先されることがある。

一般的に会社の仕事で即効性の高い仕事は少ないのでIT部門などは希有な存在かもしれない。

IT部門には戦略策定やガバナンス事務局のような比較的地味な仕事も多い。

しかし「緊急対応する運用業務」の場合は、即効性もあるしITテクノロジ中心の話で社内では特殊性が高いところも特別感を醸し出してくれて気持ちが良い。

アウトソースしないでインハウスで対処したいと思うのである。

「何が悪いんだよ!」とお叱りを受けそうだが、戦略策定やガバナンス事務局などが上手く回っていれば良い。

だがIT部門への人材割当てが潤沢などという組織を聞いた事が無いので、恐らく定常的な仕事が後回しにされているように思う。

「経営に対する価値訴求」は「緊急対応する運用業務」なのか「戦略策定やガバナンス事務局」のような仕事なのかを冷静に考えてみたい。

人員を割り当てて貰えないのも予算を認めて貰えないのも、経営からみた時に「価値が低い」と見ているからである。

価値と言うと「付加価値があ」と叫ぶ人が多いのだが、付加価値ではなく、主な価値が大事だ。

間伐材と主伐材の話に似ているように思うのは私だけだろうか。

主な価値がまともに訴求出来るようになってから、付加価値の話をすべきではないか。

そのくらい「価値」に「無知」な国民が多いということか。

IMD国際競争力ランキング第35位の国のビジネスマンの教養はこんな感じということだろうか。

合同会社タッチコア 小西一有

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