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計画的に生きていた私が、計画ブッ飛ばして流れに身を任せたら、案外自分に合っていた話

記録も兼ねて、くわしく書いたら、4300文字超。。
長いので、流し読みしながらお楽しみください。

いま

このnoteを書いている今、2023年1月頭。

私は、岩手で、
石油ストーブをガンガンにたき、足は電気湯たんぽの上にONして、
寒さを凌ぎながら、これまでの1年を振り返っている。

外は、白に塗りつぶされた世界

思えば1年前の2022年の頭、
私は、東京で、
広告代理店の営業として
CM、グラフィック、タイアップ記事など
2022年春のローンチに向けて日夜励んでいた。

頭の中は、春までの進行でいっぱい。

そんな私に
時は、
マジで、急にきた。

宿の女将を、することになったのだ。この私が。

何が起こるかわからんよ、実際

夫の実家は、岩手で七時雨山荘という小さい宿をやっていて
5年前から夫は
平日は東京で、仕事したり、私と住んだりしながら、
土日は岩手で、宿の仕事もする2拠点生活をしていたのだが、
2021年まで現場にガッツリ立ってくださっていた親戚夫婦から
2022年、世代交代をすることになった。

(ごめんなさい、5〜10年先の話だと思っていました)

夫と結婚したのは2020年。
「まあ、そのうち〜」くらいに思っていたのが早まり、
岩手に移住して、
2022年、宿を夫婦でやることになった。

圧倒的、緑・・・(赤いのが宿です)
一応、私も岩手育ちだけど、盛岡と、宿のある八幡平は全然違った。

でも、もう、やるっきゃないよね、、、

何より夫と一緒にいるのが大切というのは揺るぎないものだったので
想定外ではあったが
やるか!!と腹を決めた。

決めた後、宿の引き継ぎは無かったので、
宿の冬季休業が明けて営業開始となる5月に向けて
だいぶ手探りながら
営業開始までの進行管理や、宿での提供価値を夫と考えた。
(完全に今までの社会人経験がいきてるゼ)

※自分の記録用に詳しく書いたので、だいぶ長文。
ここ👇すっ飛ばしていいです。

・営業開始となる5月までの、タスクをスプレッドシート化
宿は雪が凄すぎて冬は道路が閉鎖される場所にあるため、4月下旬にゲートが開いてから営業開始までにやることが色々ある。雪囲いの板を外したり、半年間使用していない宿の大掃除、水・ガス・ボイラー屋さんの手配など。

・営業する1日をマニュアル作成
朝起きてから夜まで、どんなタスクと人手が必要かをマニュアル化。
(2021年のGWにお手伝いに行った時、メモ魔の性分から、朝から夜までの女将の動きを全部メモったのがいきた)

・料理の検討
夫の学生時代の先輩がシェフをしていて、その方にガッツリご指導いただきました。ありがとうございました!

・提供プランの見直し、自社サイトUpdate、じゃらんなどOTA導入
昨年2022年から新たに提供をはじめたサウナ含め、宿泊プランや料金を見直し。自社サイトだけなく、じゃらん、楽天などのOTAを導入すべく申請作業~サイト登録。

・予算作成
お客さんが来るかはわからなかったけど、目標として月ごとの売上目標を夫と話し、それに合わせて原価・経費上限の計算。

並行して、前職の業務の引き継ぎ

宿をやることになった事情を理解して、
応援してくださった前職の上司・同僚。
今も頭が上がりません。。

たくさんの業務で多忙な中、
私の業務の引き継ぎをこころよくしてくださった。
クライアントからも私が転職してきた年のワインや、お花をいただき、
素敵な人たちにこんなにもたくさん出会えて、東京来てよかったなあ。。と
感慨深い毎日。

あれよあれよという間に、東京最後の日は来た。

17年ぶりの岩手生活

大学で上京して以来の、岩手。

生まれ育った盛岡でなく、
盛岡から40分ほど車を走らせた八幡平市の夫の実家に、
4月22日、夫婦2人きりで住み始めた。

築年数も経っているから、手を入れたいところがあるが、
いやいや!
そんなことより、まず、宿だ。

1ヶ月後に、お客さんが泊まる。

1ヶ月で宿準備

宿の営業初日は5/21(土)。
それまでは文字通り、時間との戦いだった。

※またも長文。👇すっ飛ばしていいです。

4/22(金)〜1週間
・家に届いた引っ越し荷物の荷解き
・宿に行って、釘抜きを片手に雪囲いを外しまくる
・水、ガス、ボイラー屋さんなどにきてもらってライフライン開通
・ホームセンターで修繕・外壁塗装用の資材を大量購入
・買った資材でサウナの看板をDIY(板買って、レーザー彫刻)
・料理特訓 w/夫の先輩(シェフ)
・宿大掃除 & 浴衣・タオルなど在庫を確認して発注
・メディア対応(サウナ雑誌)
4/29(金)〜1週間
・GW中、DIYで終日外壁塗装 w/夫の汗友(サウナ友)、私の妹家族
・3食 みんなのごはんづくり (宿料理の練習を兼ねて)
・料理特訓 w/夫の先輩(シェフ)
・電気工事してもらう(蛍光灯⇨おしゃれランプ)
・冷泉工事してもらう(サウナの水風呂&宿のお風呂用)
・メディア対応(地元テレビ)
5/6(金)〜1週間
・男風呂の床 タイル張り替え by工事が得意な、夫の汗友
・客室の壁 漆喰で塗る
・客室の障子 張り替え
・料理特訓
5/13(金)〜1週間
・サイト用に撮影(宿の発信のために一眼買った)
・キャッシュレス決済申請〜機材手配(現金だけだったから)
・釣り銭用意
・部屋準備
・食材買い出し、仕込み
夫の汗友、妹夫婦に手伝ってもらった、外壁塗り。
もう感謝しかない。ありがとうございました!!
ホームセンターで板を買い、公共施設にあるレーザー彫刻機で、サウナ小屋の看板づくり
障子を貼り直し

女将、初日きちゃったよ・・・

そんなこんなで、5/21(土)がきちゃった。。
初日から満室の20名。

夫はサウナの火入れ、スタンバイ後、
受付で待機し、お客様がいらっしゃるまで心ソワソワ。

私は部屋の最終確認、お風呂を準備し
朝から厨房で夕飯づくり。
夫が厨房に顔を出すたびに、きた?とドキドキ。

二人で落ち着かない時間を過ごしていたら
チェックインの15時前に初めてのお客さんを迎え入れ、
あれよあれよという間に夕飯の時間がきた。

初日、24時の反省会

初日は、反省と後悔しかない。

20人分の配膳に時間がかかり、
夕飯の時間に間に合わず、お客様に頭を下げて
30分遅れての夕飯開始。

宿はたくさん品数ださないと!って変にこだわって
料理を多くしたせいで1つ1つにかける時間が限られて、
全部には、時間をかけて、自信を持って提供できなかった。

その判断と計算の甘さを
お客さんが料理を残したお皿で思い知らされた。

それを、食堂から離れた厨房に運んで、
捨てて、皿洗いをする。

品数を増やしたせいで皿が多いから、
私含めて3人で洗ったり、皿を拭いたりしているのに、
23時を過ぎても、まだ終わらない。

緊張と、疲れと、絶望、、、

ああもうダメだ。

今日に向けてすごい頑張ってきたけど
もう、頑張りきれない、と思った。

自分を責め続け、落ち込む私に
一緒に手伝ってくれた汗友が、
お皿を拭きながら、ポツリと言った。

品数増やすの、
頑張らなくていいかもですね。

お客さんとしては、せっかく、こんな遠い場所にきたからには
どこでも食べれるようなメニューが沢山出るよりも
少しでいいから、ここでしか食べれない料理を食べたいって思いますもん。

まりこさんは、
豚汁と、茶碗蒸しがめちゃ美味い。
なんならそれと米だけでも十分。

それを軸に、メニュー組み立てたらいいと思いますよ。

そっか。
宿って、めっちゃ品数多いイメージだったけど、
たしかに、どこでも食べれるやつは、
こんな遠くまできて食べなくてもいいよね。そっか、そうだね。

よし、
やることを絞ろう。

お客さんの心に残る、料理と体験をつくっていこう。

準備してたメニューをまるっとたて直す

翌週から、ぜんぶ変えた。

16時間煮込んだ、豚汁。
丁寧にお出汁をとって作る、茶碗蒸し。

これに合う、お肉やお野菜を季節に合わせ、
かつ、自分が酒好きだから、お酒にも合う、
自分が大好きな料理"だけ"を出した。

豚汁、ガーリック香るかぼちゃサラダ、しゃぶしゃぶと生姜たっぷりごまダレ、茶碗蒸し
夏はさっぱりと、蒸し鶏のレモン塩麹ダレ、茶碗蒸し、長芋の出汁わさび漬けなど

こんなに喜んでもらえるなんて

「豚汁、めっちゃコクがあって美味いんですけど!どうやってこのコク出してるんですか?」

目の前で、お客さんが幸せそうな顔して、
楽しそうに食べてくれるってめっちゃ嬉しい。

私はすっごい単純な性格で、
どんだけ大変で寝れずに働いたとしても
目の前でお客さんが喜ぶ姿を見ると、
全て報われた気持ちになって、
すごい、しあわせになる。

思えばこれは昔からで、
どれだけ寝れなかったり大変な日があっても
芸能プロダクションでは、ライブでお客さんが喜んでいるのを見たり
広告代理店では、自分が関わった商品を嬉しそうに買って帰る人をみたり、
そんな時に

今までの日々は、この瞬間のためだったんだな

て、思って働いていた。

そんな思いを、
毎週、毎回、
目の前で体験できる女将の仕事は
案外、自分の性格にめちゃ合っていた。

月に1度やる、天体観測会。ちびっこと大人が肩を並べて、ジッと空を見上げる。
お客さんに助けられ、おかげさまで元気にやっとります

もうひとつのお仕事

宿に加えて、平日、noteでお仕事を始めた。

宿以外の仕事を持つっていうのは、
私がどうしても譲れなかったところで、
22歳から10うん年以上のキャリアをリセットして
初めて宿泊業に入る、30半ばのド新人というのが悔しかった。

だから、私の今までのキャリアの延長線にある仕事を
ずっと続けていきたいと思って、
noteで、法人に向けたメニューを扱うチームで働かせていただいている。

最高のチーム!

ここに来て、色々つながってきたかも

いま、note社内、社外の出会いに加え、
前職の上司にも背中を押していただきながら
前職のクライアントにお話しに行かせていただいたり
高校の同級生とお仕事する機会が出てきたり、
今までのすべての経験とご縁が
今の仕事につながってきている実感。

東京にいて、人とつながりやすかった時よりも、
なぜか、
移住して、距離的な隔たりができてから
初めて実感できるようになった。

試行錯誤しながら一つ一つ決断したり、
歩んできたこれまでの日々を肯定されるような、
ふしぎな気持ち。

これから

そんな2022年を過ごして、2023年。

今年はこれをやるぞと、計画していることがある。

でも、ガチガチに決めておいても、
運命という名の「事件」がまた
計画をブッ飛ばしに来るかもしれないから
語るのは、ちゃんとできてから。

流れに身をまかせ、
偶然を大いに楽しむ1年にしていこう。

2023年も皆さんにとって、とびっきりの1年になりますように。


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