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ハジメテノ分割乗車 ~入門編~

分割乗車とは

「分割乗車」とは…出発駅から到着駅までの区間を,2枚以上の連続したきっぷに分けて購入・乗車する方法のこと.

  乗車券1枚だけ用意すれば済むところを,分割乗車では,複数枚に分けて買うことになります.一見すると,初乗り運賃が重複して高くつくと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、都市部のJRを経由するルート等で分割乗車することで,数十円から数百円のレベルまで安くついてしまうのです.知っておけば使いたくなる裏ワザだと思います.今回の記事では,分割乗車のメリット・デメリットをお伝えできればと考えております.

分割乗車のメリット

 2019年4月末に,愛知県知多半島某所にいる彼女の元へ行くときに,筆者は分割乗車を実践しました.乗車券購入前に,乗車券分割プログラム(http://bunkatsu.info/)を駆使して,大阪から金山/名古屋までの最適な分割を調べておきました.これによると,大阪~高槻・高槻~岐阜・岐阜~名古屋(or 金山)と3枚に分けたらよいことがわかりました.トータルで片道140円,往復280円節約できるわけです!

3枚に分割すれば安くなる
乗車券分割プログラムの 「大阪~名古屋」検索結果

分割乗車のデメリット

 分割乗車のchallengingな事は何といっても,バラにした乗車券をどうやって調達するか…...でしょう.

 数年前までは,JR西日本エリアでも回数券が利用できたので,1枚目(大阪~高槻)は,大阪第2ビルの某所で安く購入した回数券2枚が使えます.2枚目(高槻~岐阜)は,当時学生だった私が持つ特権「学割」を効かした乗車券(往復)を高槻駅で購入すると良いでしょう.なので,大阪から高槻に着いたら改札口を通り,みどりの窓口に向かう必要があります.ポケット時刻表と「にらめっこ」して,始発に近い時間のどの電車で向かえばその窓口で買えそうか計算するわけです.鉄分たっぷりな筆者が一番ワクワクする瞬間です.最後の3枚目(岐阜~名古屋)について,実は事前に購入する必要は無く,往路は改札で乗り越し精算をすれば大丈夫なようです.しかし帰路は,現地の自動券売機できっぷを購入・発行して自動改札を通ります.

 今では,私は社会人となっているので学割も使えないですし,回数券の販売も無くなっています.みどりの券売機で頑張って入力するしかないかもしれません.JR東日本エリアなら,えきねっとで事前に予約できるので,分割乗車券は比較的容易にGetできます.

  分割乗車における最大のデメリットは,列車の大幅な遅延・運転取りやめが行われたときの補償が受けられない場合があるというところです.特に,長距離を分割乗車で移動するときは,大きなリスクを背負うことを忘れてはいけません.

 では,分割乗車体験記をお話しする前に,長距離分割乗車の危険性が ”モロに” 顕れると思われる遅延の事例をお話しします.その前に,皆さまに予め断っておきたいことがあります.これは,筆者が実際に経験した遅延であること,そして筆者が未だ分割乗車を知らない頃のお話だ…ということです.「もし,あの時に分割乗車していたら,手ぶらで野宿するかもしれなかった」という仮定法だということをご理解くださいませ.

分割乗車していたらやばかった事件

往路:人身事故による列車遅延!

 2019年2月13日12時38分ごろ,JR東海道線の金山~尾頭橋で人身事故が発生しました.その影響により,大垣~豊橋で長時間の運転見合わせが発生しました.

 その日,筆者は名古屋に用があって,在来線の東海道線を米原から上ろうとしていました.往路は,大垣で爆誕した謎の「新快速 岐阜行き」と名鉄の振替輸送を乗り継ぐことでなんとか名古屋までたどりつきました.

結局各駅停車な電車
珍電車「新快速 岐阜行き」@大垣駅

帰路:遅延が遅延を呼ぶ

 当日中に大阪に戻ろうと帰路につきます.ところが帰路は,運転再開していたものの在来線は1時間以上の遅延が出ていたのです.名古屋からの当日中の帰宅が難しいと判断し,在来線ヘビーユーザの伝家の宝刀「新幹線課金」を選択.名古屋~米原のひかり533号に乗車して,米原で乗り換えて,大阪方面の在来線の最終電車普通京都行き(921M),さらに野洲で新快速西明石行き(3555M)に乗車するつもりでした.

 いざ,蓋を開けてみると,ひかり533号も数分遅れて米原駅に到着,普通列車(921M)は新幹線の接続を待たず無情にも発車してしまう….なんということでしょう.ショックで大きく,絶望しすぎて,やり場のない怒りがこみ上げてきました.当然ですが,JR東海にもJR西日本も何の落ち度もありません.

 ところが,

「高槻より先にお越しのお客様は,
次の電車を利用して高槻で下車後,
駅係員にお申し付けください.」

という駅アナウンスを複数回放送されていたのを聞いて,一度冷静になって,その希望に頼ることにしました.後の普通電車(923M)と,京都発高槻行の終電の普通電車に乗り高槻に到着しました.

 眠い体で改札口まで向かうと,高槻駅の係員が「タクシー振り替え輸送」の手続きをしていたのです.係員は,遅延が無ければ当日中に旅客の目的地に到着できていたかを,JRの大きな時刻表で確認していました.旅客は自己申告でそれを伝えています.係員からOKが出れば,目的地までタクシーで追加料金なしで送ってもらえるわけです.

 この時筆者は,自宅最寄り駅までのきっぷと先ほどの新幹線の特急券を持っていたので,それを係員に示し,時刻表という「ルールブック」通りであることを着実に丁寧に説明をしました.その結果,タクシー振り替え輸送のOKが出ました.これで自宅まで一直線で,ラクラク帰宅♪…一件落着となったのです.

ひかり533号 名古屋→米原
証拠となった「名古屋~米原の新幹線特急券(指定席)」

「事件」を振り返って

もし,あのとき分割乗車していたら…?

 しかしながら,先ほどのような分割乗車をしていれば,話は違っていたかもしれません.帰路のきっぷのうち,高槻~大阪の回数券が未使用で,高槻までのきっぷは使い果たしたことになります.なので,高槻以降の移動は認めてもらえず,ここでの「タクシー振り替え輸送」は,かなり怪しいものだったわけです.

 高槻駅前で野宿するわけに行かないので,自腹でタクシーを自宅まで使うか,カーシェアの車で帰宅するか,カラオケボックスにお世話になる羽目になっていたことでしょう.

 なお,高槻~大阪の回数券は,「使用途中上の契約不履行」ではないため,返金には手数料が取られます

遅延が発生しても問題ないように準備して,お得な旅を!

 このように,長距離移動の分割乗車中に著しい遅延や運転取りやめで一晩を越さないといけなくなる場合は往々にしてあって,そのリスクは考慮しなければなりません.したがって,乗車券を分割する駅は,岐阜・沼津などといった駅周辺にビジネスホテルやネカフェがあるような比較的大きな駅にしておけば,安心できると思います.

  前述の高槻でも,付近にカラオケボックスがあり,エアコンの効いた部屋でドリンクバーで喉を潤しながら夜を越すことができると思います.くれぐれも,間違っても,函南とかでの分割はやめておいたほうがいいと思います... (;´∀`)

 分割乗車のメリット・デメリットを理解した上で,読者の皆様も 是非ご活用なさってください!ちょっと電車の旅に刺激が欲しい…という方や,青春18きっぷの期間外だけどとにかく安さを優先したいという方には特にオススメします~!

以上,橘わっこでした!
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