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ウィズコロナを乗り切るための切り札“ ふれあいのメソッド”Vol.2

 皆さん、こんにちは。Touch&Plants代表の野口花琉実です。
 今日私が皆さんに紹介する“ふれあいのメソッド”の具体的な方法と解説に入る前に、まずはなぜ、私がメソッドを立ち上げる決心に至ったのか、そもそもの理由について、お話することから始めたいと思います。
 私は1965年、東京都府中市に生を受けました。その時は、サラリーマンである父、専業主婦である母、五歳上の兄という世帯構成でした。その後、平屋であった自宅を改修して二階を作り、兄と私が年頃になるまで二階の部屋を、近所の大学生に下宿として貸していた時期があったことを覚えています。祖父祖母の同居はありませんでしたが、当時はまだ、自宅におじいちゃん、おばあちゃんが一緒に住んでいる家庭が沢山ありました。両親子供のみの世帯構成の割合は、現在ほどではありませんでした。
 ちなみに夫の当時の家庭は6人所帯。祖母は自宅で書道教室を開いていたといいますから、そういうご家庭は現在よりも、各段に多かったと感じます。そして当時、1965年の日本における高齢化率は6.3%、1970年でも7.1%でありました。


 一方で1940年代後半に起きたベビーブームと、丁度私が生まれた1965年前後にかけて、高度成長期の後押しを受け出生数が増加し第二次ベビーブームは頂点を迎えた後、1975年あたりから少子化状態が始まりました。言うまでもなく高齢化率は医療技術の進歩以上に出生率の低下による少子化の加速とセットです。その結果、日本における高齢化率は2010年には23%となり、超高齢化社会の21%を上回ることとなりました。2012年に厚生労働省が発表した人口動態統計では、39年後の2060年後には39.9%。生産年齢人口割合は50.9%という大変な推計が出ています。これは年齢だけの推計ですから、実際には就労につきたくてもつけない方々の人数を、ここから引かなければなりません。少子高齢化社会が加速するに従い、両親共働きの家庭が当たり前となって、核家族化が定着しました。 
 核家族化が定着するに従って、大家族の中で培われる社会性を学ぶ機会が減り、異世代を理解し異世代と交流する機会も減りました。この社会構造の変化は日本に伝わってきた伝統の継承~いわゆる伝承文化が急速にその機会を喪失。結果として身につけるべき社会性を学ぶ機会を子どもから奪ってしまうかたちとなりました。つまり、“ふれあい”の喪失です。おばあちゃんとふれあう、おじいちゃんとふれあう。お茶を飲みに来た近所のおばさんにかわいがられ時には叱られる。そういった習慣化された機会の喪失は、他者とのふれあいのパターンそのものを非常に単純化し、または、ふれあいの機会そのものを劇的なまでに奪いました。


 ふれあいには二つの側面があります。
 伝承、つまりは伝統の継承を担う、言葉に乗せた智慧というバトンの継承と、文字通り触れ合う、物理的な接触による手当効果というバトンの継承です。
 そしてこれら二つの継承は、時と場合により巧に使い分けられてきました。
  前者である言葉の継承が、心構えを含む人生についての伝承であるとすれば、後者である物理的な接触としての触れ合いは正に、生活における知恵の伝承そのものでありました。前者には永続性があり、後者には即効性がある。前者が心構えであれば、後者は生活に必須な実践でありました。
 そして喪失された後者の、代表的なものとしての総称が、日本古来から伝承された手技である“手当”です。文字通り患部に手を当てる。これは自分で自分に施す側面と、他人に施す側面で効果も手法も異なりました。それは後段でエビデンスも含め、詳細かつ具体的に述べることにしましょう。
 まず、私は後者である物理的なふれあいの効果に着目しました。なぜなら即効性と即応性があるからです。自分磨き趨勢の今、それだけでは至れない自分の健やかな在り方を手に入れるには、もう一つ、次元を上げなければならないでしょう。これまでいろいろな団体に協力をし、ハンドマッサージなどの手技を開発・提供してまいりましたが、それだけでは残念ながら、片手落ちを言わざるを得ません。
 次回は、その辺りから、ふれあいのメソッドの必要性に迫ります。

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