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奄美大島の秋、お気に入りのランチ場所

少しずつ気温が下がってきた奄美大島。
といっても、まだ気温は22度。
全国と繋げるオンライン会議をすると、一人半袖を着ている自分に驚く。

それでも朝晩がひんやりしているように感じ始めた。
どうやら朝晩は20度を切り始めている。

奄美大島には冬は無いと思っていたけれど、移住して2年、身体が慣れてきたせいか寒いと感じる。
まだ気温が20度もあるのに毛布を持って村内唯一のコインランドリーへ。
これで朝晩の寒さも何とかなりそう。

もう少ししたら、猛毒を持つハブさんも冬眠するはず。

ところで、「奄美大島らしいランチが取れる所ありますか」と聞かれる度、こればっかりはそれぞれ人の好みがあるので返答に躊躇するのだけれど。

あくまでも個人の好みと言うことで、いくつか挙げてみようと思う。

タイトル写真にある「あやまる岬」。
ここにみしょらんカフェなるものがある。(ミシュランではない)
海を見ながらのんびりできるこの場所では、地元の方が作ったスイーツが売られているのだけれど、その中で唯一、提供されているフードメニューが、テレビなどでも放映されていた「塩豚バーガー」。

あっさり塩味  晴れた日、テラスに座ると海の向こうに喜界島がくっきり見えます

実際この「塩豚」と言う料理。島のハレの日のお祝い料理。
個人的にはめちゃくちゃ好きである。冷蔵庫のなかった時代、一年保存するために編み出された保存方法だそう。
塩が刷り込まれた豚は、うまみがギュッと詰まっていて本当に美味しい。
それに地元のお野菜とかマッシュポテトとか挟むって、絶対美味しいに決まってるやん。

本音を言えば、キッチン付きの所に宿を取っているならば、スーパーなどで出来上がっている「塩豚」のブロック肉だけを買ってきて、茹でこぼし、塩を抜いたものを薄くスライスした本物の塩豚を召し上がっていただきたい。

少し辛子を付けて食べるのが好きなのだけど、まぁ、箸が止まらない。
お酒好きさんの、ビールや焼酎のあて、高級つまみ。
どちらかというと、晩ご飯のご馳走なのだけれど、それをバーガーにしてしまったというから驚き。手がかかる料理ゆえ、当初は期間限定のはずだったけれど、あまりの人気に継続販売されているらしい。
ずっとあるかどうかは……皆様の応援次第?かも。

そんな風に豚肉をハレの日に大切に扱ってきたシマの料理、そんな豚肉を使った奄美料理を手軽に味わうなら、お母さんたちが腕を振るった料理が食べられる「あらば食堂」さんもいい。けれど、バス旅さんが気軽に行ける距離ではないので、車がある方にお勧めしている。

来年こそは、ここで正月料理の「三献」を食べてみたいなと思っている。
奄美大島の自宅では普通に食べられるそうだけれど、移住者には縁遠い食事。今年は予約制で、時間が合わずに食べることが出来なかったのが残念で仕方なかった。どうか、来年もご提供いただけますように。

そして、定番中の定番、「鶏飯」を食べるなら、ネット上にあちこち載っているはず。その中のどの味がいいかは人によって異なるので、いろいろ試してほしい。個人的にはやっぱり、北の方、笠利エリアの味の鶏飯が好み。

以前にも投稿した内容で重なるけれど、市内なら市場内にある鶏飯ラーメンも美味しいし、手軽に新しくできた「みしょれ市場」のフードコートで色々選ぶのもいい。ステーキなどお肉好きなら「すとれーと」さん。
お蕎麦好きなら手打ちの「つむぎ庵」が私の好み。

出張から戻った時などは、無性にミキが飲みたくなった空港からの帰り道、良く立ち寄るのは島豆腐が食べられる「髙野」さん。
空港から南下すると、ビッグツーを超えて5分も車を走らせると左手に見えてくる。

扉の中も順番を待つ人でいっぱいです

インターネットが普及して以降(いや、その前からか?)、いつも混むようになったシマ豆腐のお店。
駐車場には「わ」ナンバーのレンタカーがたくさん。
予約を取っていない店舗なので店に来て名前を書いて座って待つ以外ない。待つのが嫌いな人は食べられないお店。

名前を書いて30分くらい待てば、中に入ることができる。
オーダーを決めたら、「ミキ」と「豆乳」と「湯どうふ」がセルフサービスでいただける。

必ず、オーダーを取ってから、お願いします。
ミキは苦手という方には、是非とも、豆乳:ミキ=1:1で割って飲んでみて欲しい。ほんのり甘いヨーグルトドリンクみたいになる。

豆腐屋さんとはいえ、定食はベジタリアン仕様ではない。
ちゃんとお肉も入ってくるので、お肉が駄目な人は定食メニューをしっかり確認して欲しい。

ここでは週替わり定食が一番売れているようなのだけれども、個人的には、マーボー豆腐の定食が好き。辛さも選べて、山椒もリクエスト可能。

なかなかのボリュームでございます

瀬戸内まで足を延ばすなら、「あま海」の絶品海鮮丼は是非味わってほしいし、その後、甘味や日本茶を飲みたくなったらふじえんさん。
抹茶パフェやビネガー入りのドリンクなんかもある。
残念なのが、この付近、駐車場が少ないので遠くに停めて歩くことが多い。

ブランチなら、最近知ったLittle BAY coffee。

塩辛いベーコンとメープルシロップの組み合わせ、無敵

ここは、コーヒーがホットもアイスも豆から選べる。
のんびりとまったりとできるお店。アイスクリームも人気。
駐車場はお店の前に3台分あるので安心。

のんびりブランチにも良い場所、広々しています

そもそもカフェ自体はいずれにしてもシマのもの特化して出しているわけではないので、シマらしくは無いのだけれど、海外の人も安心して案内できる場所が少ないので貴重。

さて、仕事で宇検村にいる時には、主に自宅に戻って昼食が殆ど。
職場と家が近いとこうなる。

けれど、たまには、大好きな「がじまる茶屋」さんへ。
「あんまり宣伝しないでね」というお言葉に従い、今回は写真を自粛。

そして、湯湾エリアにもう一軒に新しくできた「まんま食堂」さんも居心地が良い。役場からも徒歩圏内。

まんま食堂さん

どちらもお休みが結構あるので、電話してから行くのがベター。

日替わり定食 地の野菜を使った家庭料理が出ます
パパイヤのカレー風味、ヘチマのお吸い物が美味しかった

こちら、テイクアウトの美味しいお弁当もあるので、海を見ながら食べたいわ!という方は、お弁当を購入してタエン浜でのんびり!なんてのも、いいかもしれません。(真夏は念のためやめてくださいね)

マンゴーパッションジュース
氷の代わりに凍ったマンゴーがごろごろ入っています

宇検村では珍しく、(と言うか、殆ど取り入れているところが未だ少ない)
いろいろな決済アプリを導入されている、都会から来る観光客には有難いお店です。

お好きな決済方法でどうぞ!

美味しいものを少し食べるのが好きなのだけれど、島の料理はなかなか食べられない奄美大島。移住したての頃は、あちこち探したのだけれど、どこで食べても同じメニューが並んでいる。

海水温が高いせいで、刺身は身が緩く、しまっていないので、街で食べるような「美味しい!」と飛び上がるほどの魚にはなかなかお目にかかれない。
市内には、ラーメン、ステーキ、フライドチキン、蕎麦、と美味しい店はあるけれど、それって、別に旅行しなくてもいつでも食べられるもの。

旅行者の楽しみのひとつが、「食」。
奄美大島にしかないものをもっと味わってほしいと、村の人たちに「観光客へ美味しいもの作るツアーをしませんか?」と尋ねたところ、沢山の人が協力してくれそうだったので期待した。けれど、提案された出されたものは、オムライス、パスタ、カレーライス。

えっと、そうじゃなくて……。

シマのおもてなし料理が、基本洋食だということに気づいた時の心の声

そう、島料理は手がかかる。簡単には作れない物ばかり。
そして、何より、「島料理の作り方がわからない」という人が多いということが判明。

数十年後、作れる人がみんないなくなってしまったら、素朴なシマ野菜で作る島料理は本当に味わえなくなるのかもしれない。

マキガイの一種「とびんにゃ」。
市内の島料理屋に行くと「ひと粒」だけ丁重に皿に載って提供されることがある。酒のあてにも、お吸い物の具としてもとても美味しい。
磯の香りのこのご馳走も、海水温の上昇のせいか、乱獲のせいか、採る人がいなくなったせいか、年々市場に姿を見せなくなってきている。

宇検村まで買いに来る人や、市場に電話をしてくる人も多い。
かつては、海岸に溢れるようにあった貝は、すっかり取れなくなっている。
野生のイノシシも、保護の意味もあって狩猟できる時期は限られていて、昔ながらのシマ野菜は姿を消し、よそで作られた野菜が今では手軽にスーパーで手に入る。

全ての島料理の原材料が高騰していて、昔と違って女性も外で働いている。
そりゃあシマ料理を気軽に提供できなくなるわけだ。

移住して長く暮らすようになると、観光客の気持ちを忘れがちになる。
観光客に迎合するつもりはないけれど、その土地独自のものが鶏飯だけというのは何とかしたいもの。

その土地ならではのものを味わえるツアーを作りたいのだけれど。
豚や鳥を主食とするベジタリアンには辛い島。
ジビエ料理など耐えられないという方には、更に厳しい。

島料理を味わうランチタイムツアー作成のための前途多難な挑戦は、続く。

休みの日の昼下がり、一番気楽なランチがこれ
マングローブパークを見下ろす高台に車を止めてのサンドイッチとフライドチキン
これが島ならではの「スパムおにぎり」なら、少しは観光気分が味わえるかも?



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