「青」のはなし。
※「ハニカムブログ 」2016年12月8日記事より転載
「青」という色と「視ること」には特別な関係があるのかもしれない。
晩年ほとんど目が見えない状態だったデレク・ジャーマンは「blue」という青い色彩のみの映像と、詩の朗読と、音楽だけの作品を作った。
以前アントロポゾフィー医学の講演を聞きに行った時、「青」に関する興味深いトピックスがあった。
アントロポゾフィーとは、ルドルフ・シュタイナーが提唱する「人智学」をベースにしたホリスティックな医療で、その治療法の中にはホメオパシーや、ハーブを用いたマッサージ、そして最大の特徴として様々な芸術療法を用いることがある。
ふと思いついて、その時のノートを探したらハート(心臓)のためのメディテーション」「呼吸を安定させる静けさのメディテーション」、そして「視神経の疾患のためのメディテーション」という「詩」のようなものが書き記してあったので以下に転載。
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メモ①
アントロポゾフィー医学では、自己治癒のための様々な瞑想的な取り組みをする。
メモ②
【視神経の疾患のためのメディテーション】
私の周りには、至るところに静かな青がある。
魂の中には静かな平和がある。
宇宙の霊たちが語る。
「お前の人体の中に、星々を輝かせる」
輝く星。
温かさを贈る星。
メモ③
視神経の疾患は、外界から押し寄せた情報を処理しきれていない状態で、「青のイメージ」はその押し寄せる情報を一旦鎮める。
メモ④
光を取り入れるだけでなく、自らもまた内側から輝く星である。
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先日、友達と久しぶりに電話で話した。
彼は8ヶ月前に急に目の前が暗転し、そこから少しずつ光を取り戻している過程にある。
誰もが急速な回復を願っているけれど、焦らすように、じわじわと、少しずつ良くなっている。
数ヶ月前に、視界に光が戻り、白く視野が光る中にぼんやりとものの輪郭がわかるようになった。
そしてつい先日、おぼろげな視力を頼りに愛娘と風船をキャッチボールしていたら、急に視界に青い風船の色が飛び込んできたという。
それを聞いた時、自分の頭の中でもありありとイメージが浮かんで「うわっ!」と鳥肌が立つ思いがした。
うん、本当に良かった!!
少しずつだけれど、光を取り戻していく。
そして、自らもまた光り輝くものであると知っていく。
その中で自分の周りにある静かな「青」を思うこと。
魂の平和を思うこと。
青から、光がはじまる。
■ 小松ゆり子 official web site
http://yurikokomatsu.com
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