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君は生き延びることができるか

ITベンダー社員&週末大学院生の廣瀬達也です。

大学院も夏休みが明け後期。「後期のみ」授業も始まりました。
その「後期のみ」授業の1つが「野生復帰概論」。なにやらワイルドな語感です。
具体的には環境とか生態学を核とした科目です。シラバスの説明は以下。

地域資源マネジメントの実践例であり、分野統合の実例である野生復帰の概要を理解することを目的とする。コウノトリをはじめとする希少動物の野生復帰の事例を学ぶことで、その基礎的な概念と実行にあたっての諸課題を理解し、解決・実践方法を習得することを目標とする。
野生復帰事業は生物学的、生態学的知見のみならず、その地の生態系を形成する地形・地質学的知見や地域の歴史の知識、さらには社会学的知見に基づく地域住民・行政・産業界への普及・教育活動を伴う合意形成が必要不可欠である。

エコ(環境・生態学系)色が濃いぃぃ科目なので、ソシオ(社会学系)の僕にとってはちょっと毛色の違った、というか僕自身が外様となる科目。正直なところ毛色が違いすぎて「ちょっと失敗したかな…」と自分の科目選択を後悔しかけたのですが、診断士目線に引き寄せながら講義を聴いていると意外な共通性を発見しちょっと面白くなってきました。

今回ブログではこの「野生復帰概論」の講義で登場したテーマ
「種の絶滅また減少する要因」
「種の保全への対策」
「野生順化訓練」
について、診断士目線への引き寄せ例を紹介します。

■種の絶滅また減少する要因

「種の絶滅また減少する要因」となるものは、「狩猟や採集」「外来種の侵入」「化学物質や天災など」などです。
「外来種の侵入」は「異業種からの参入」、これは分かりやすいです。「化学物質や天災等」はそのまま「災害」、(「狩猟や採集」はちょっと難しいですが「過剰な消費」な感じでしょうか)と考えられます。


■種の保全への対策

「種の保全への対策」としてまず考えられるものは「法的規制」です。
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」であるワシントン条約。「水鳥の生息地のみならず、人工の湿地や地下水系、浅海域なども含む幅広い対象の湿地を対象として,その保全及び適正な利用を図ろうとする」ラムサール条約などが該当してきます。また、コウノトリなどの天然記念物になると文化財保護法も適用されます。
法的規制は診断士目線に引き寄せやすいです。
過剰な競争を防止する独占禁止法、ビジネスアイデアなどに関わる特許法などの大きな枠組み。さらには中小企業を支援するための各種施策・規制などなどいろいろありますね。
「法」はいろんな領域で重要な役割を果たしていることを改めて感じます(と、法学部出身ぽく…)。


■野生順化訓練

「野生順化訓練」、僕にとっては耳慣れない言葉でした。定義は以下です。

飼育下で繁殖した絶滅危惧種等の個体を、同種がもともと生息していた地域に野生復帰(再導入:Re-introduction)させようとする場合には、再導入の対象となる地域の自然環境及び社会環境(受け入れ態勢)の整備と並んで、再導入個体が野外で生存するために必要な情報や資質を取得する機会を与えることが不可欠であり、そのために飼育環境下で行われる訓練のことをいう。

コウノトリの野生順化訓練にも関わってこられた教授によりますと、現場レベルで行う具体的なことは
エサを獲る
■飛ぶ
■喧嘩する

を経験させること。
とのことでした。

これらは(コウノトリに限らず)生き延びるために必要なことばかりです。
教授によると特に猛禽類の野生順化訓練でこの「エサを獲る」を経験させることが難しいらしいです(コウノトリはもともと狩りが下手で目標レベルが低い。なので猛禽類より楽とのこと)。
確かにエサ取るのが下手な猛禽類はイメージしづらいです。ある程度遺伝子的にカバーできるかもしれないとはいえ、猛禽類にとっても経験なしには上達できない…というところでしょうか。

「エサを獲る」「飛ぶ」「喧嘩する」これらは、ほぼそのまま、診断士的というよりもビジネスパーソン的にとても重要な経験(「飛ぶ」は「行動する」と読み替えられそうです。「翔」でもよいかもですが)。
その訓練となると日々の活動そのものですが、カタチとして分かりやすい例としては「プロコン塾」とか「起業塾」あたりが該当するでしょうか。

私たち診断士は「(診断士にとっての)野生」の中で生き延びるため経験値上げたり、必要な施策を適用したり…をやっている。私自身はあまり生き延びるためのアクションが弱めですが、周りの診断士仲間をみるとみなさんしっかりしたアクションしていることが多いです。
ちょっと「野生」を意識するのもいいかもな。
そんなことを改めて感じました。

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