腐敗

蛆虫の頃に味わった
絢爛たる腐敗の美味を
忘れられない蠅たち

黒い手を合わせ
聖なる太陽に祈祷する

崩れゆくものは
何故いつもあのように
デカダンス
馨しく高貴な
音楽を奏でるのだろう

病んだときにだけ嗅ぐ自分のにおい

わたしの不安

死んだときに
わたしは確かと
腐ることが出来るのだろうか

蛆の沸かない死体