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黒い詩集

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記事一覧

夜の鳥の卵

ああ、神様 ああ、私の神様 どうかどうか私に翼をください 何も見えない 何も聞こえない 何も…

冬美絶海
2年前
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紫陽花の窓

見えない天空へと続く 螺旋階段の上から響いていた 重力を知らない蝶の飛翔 ピアノの旋律が…

冬美絶海
3年前
1

人形懐胎

蔦に覆われた 赤い屋根の古い洋館の 寂しいテラスには 風も無いのに 白いレースカーテンが揺れ…

冬美絶海
3年前
1

鉛の動物園

象も猿も麒麟も 餌桶を持った飼育員も 皆等しく鉛色 針の失はれた時計台 動くものはない 栗…

冬美絶海
3年前
1

腐敗

蛆虫の頃に味わった 絢爛たる腐敗の美味を 忘れられない蠅たち 黒い手を合わせ 聖なる太陽に…

冬美絶海
3年前

浴室

青い心臓の ネモフィラ​ 空の浴槽に 顔を沈めて 震えている 猿のように醜い顔で 威嚇する天…

冬美絶海
3年前
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散乱

窓から零れる 薔薇色の光 綺麗な鋏を片手に わたしは 街や山が燃えるのを見た 床の上に散らばった 人形の残骸 裂けた綿から 蛆虫が沸いている 窓から零れる 薔薇色の光 床の上に散らばって わたしは 綺麗な鋏が燃えるのを見た