提供側の視点のシステムはどこまで位置づくのだろう

「市場での淘汰」「競争による品質向上」とは、使い古された感すらある市場システムのメリット称賛である。ではこれらはどうなっていくのだろうと思った二つの事例がある。

一つは小売店の【セルフレジ】

もう一つは【オンライン入試(試験)】

前者はコロナ禍以前から少しずつ拡がってきていて、コロナ禍で一気にその動きが加速した感があるシステム?であり、後者はおそらくはコロナ禍がなければ技術的には開発していても実際に導入されるところまではなかなかいかなかっただろうシステムである。
そして、両者とも今後、拡がっていくのか否か、それこそ市場システムが機能して、「淘汰される」のか、それとも「拡大して」いくのか、注目されるのではないかと思われる。そして両者ともいまの時点ではかなり提供者側視点のサービスであり、根本的に改善する点があるように思う。それは「提供者にとっての既存のサービスの補完的なものでしかない」ということである。

セルフレジは、人によるレジを人不足という視点で補完している程度のサービスでしかない。何度もいろいろな店で使ったことがあるが、人レジとセルフレジが並んでいる店であえて、セルフレジを使うのは人レジが「混んでいるとき」で、「商品数が少ないとき」にしか使ったことがない。はっきり言って使いにくいし、買い物者に要求される能力が高すぎる。レジの導線も中途半端だし、根本的にセルフレジを導入する気がそれほどないのではないか、と思っている。トライアルという会社が「スマートレジカート」の導入を進めているそうだが、https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00120/00003/

これは果たしてどうなのだろう。アマゾンやコンビニ、中国で試験実装されている無人店舗の方が先んじていくように思わなくはない。

オンライン試験の方はコロナ禍がなければおそらく実装までいかなかっただろうし、今後の展開が読めない。しかし、補完的な仕組みとして登場はしたものの、時期の入試やそれこそ各種の資格試験においては、導入が進んでいくような予感がある。なぜなら、試験をうけるという基礎的なニーズのあるものにとっては、強いられれば従わなければならないものだからである。つまり、競争力のある大学や資格試験主催者側がオンライン試験で行いますといえば、導入は進むだろう。しかし、残念ながら大学も資格試験もどんどんと競争力を失っているので、その前提も通用しないかもしれない。英検などの英語検定などがもし導入すれば一気に進むかもしれないが。

そして、両者ともキーになっているワードはAIである。AIということばがどうかと思うが、つまりは監視システムがアドインされているかである。人の目で監視できないものをシステムとしてアドインしていくことによって、システム補完をし、完全に近づけていく。その考え方である。そして、これが決定的にこれらのシステムの競争力や汎用化を阻害していくような気がする。つまり技術的にそれらが遅れている。また、デジタル・デバイドによる格差をより大きくしていく。いまのままではこれらのシステムのユニバーサル化は結局は人によるものにしかならない。つまりは、人によるサービスの方が顧客側によりよいサービスであることに他ならない。

そろそろ、技術開発への視点提供を提供側の視点ではなく、顧客側の視点に変えていかないと。


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