【Tottori HOPES】境港市地域おこし協力隊|徳毛 文孝
Tottori HOPESは鳥取県内で活躍している地域おこし協力隊を紹介するマガジンです。鳥取県内の市町村にやってきた背景や、その人の取り組むミッション、あるいはその人自身にスポットをあて、紹介していきます。今回は境港市の地域おこし協力隊として、Iターン移住をした徳毛文孝さんをご紹介します。
徳毛 文孝(とくもう あやたか)
境港市は、鳥取県の豊かな食文化を支える国内有数の漁港のある場所だ。豊富な海の幸が大人気で、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者の水木しげる氏の故郷でもあり、「さかなと鬼太郎のまち」として有名である。鬼太郎やその仲間たちに会える町並みを一目見ようと、県内外、あるいは国外から多くの観光客が訪れる。
そんな境港市で地域おこし協力隊としてご活躍されているのが、今回お話を伺った徳毛さんだ。
移住前とは生活環境も職業も全く異なるこのまちで、境港市の伝統を紡いでいる。
伯州綿(はくしゅうめん)について
「伯州綿」は、鳥取県西部の弓浜半島一帯で江戸時代に栽培が始められた綿である。綿はかつて米と並ぶ農作物とされていた作物であったが、安価な外国産の綿に押され衰退の一途をたどり、現在の日本の綿産業では、国内自給率はほぼ0%となっている。
境港市では平成20年から失われかけた綿畑の再興に向けて、「伯州綿栽培サポーター」「地域おこし協力隊」の方々と協力し、伝統的な地域資源を継承していく活動が始まった。そして現在その地域おこし協力隊を務めているのが、徳毛さんだ。
「妖怪」きっかけの移住
移住のきっかけは「妖怪」。もともと東京在住であった徳毛さんだが、漠然と田舎に住みたいという思いがあり、移住先の候補をなんとなく探していたとのこと。そのときに見つけたのが、「さかなと鬼太郎のまち」である境港市だった。
「子どもが妖怪好きで。妖怪で有名な境港ってまちがあるらしいよって伝えて。行ってみようか。という感じ(笑)。正直、境港がどこにあるかもわからなかったし、もっと言ったら引っ越し当日に初めて境港に来た。」
当時のことに不安などはなかったとのことで、
「意外とギャップは感じなかった。イメージではぽつんと一軒家があると思っていた。でもコンビニあるし普通に暮らせるまちだと思った。あんまり変わりないなって(笑)
癒されるのは空が広く見えるところ。あとは移住してから釣りにはまって、仕事の休憩時間に釣りにでかけることもあります。そういうところがすごく魅力に感じます。」
陽に焼けた肌からは、伯州綿の栽培に尽力していることだけでなく、移住後の暮らしを楽しんでいることも伺える。
伯州綿の栽培
現在境港市が管理している伯州綿畑は1ヘクタール。毎年伯州綿栽培サポーターの方々と伯州綿を栽培する。ときにはレクチャーも交えながら。種蒔きから収穫、種取りが終わるまでが大体5月~12月。そして1月から種蒔きの準備に入る。
前職は運送業に従事していたとのことで、前述している通り全くの異業種となる。その状態から技術を習得され現在に至る。
伯州綿の収穫にも立ち会わせていただいた。慣れた手つきで伯州綿を収穫される。
ちょうどこの時期は、花の状態のもの、つぼみになっているもの、白い綿がはじけているもの、色々な装いの伯州綿がみられる時期で、丁寧にご説明いただいた。
伯州綿畑のすぐそばにある企業の外壁には、伯州綿の説明の図が描かれている。
お願いしたわけではなく、自主的に実施してくれたとのこと。サポーターの方々の存在もそうだが、境港市の伝統産業を、民間、行政問わず一丸となって紡いでいこうとする雰囲気がある。
伯州綿のPR
徳毛さんの業務は伯州綿の栽培・管理だけではない。そのPR活動も行う。
イベントに赴くことや、講師を務めること、地域教育の一環で小中高生を相手に講義をすることもある。
さらにはメディア対応に応じることも。
直近では、近くの境高校に通う高校生を相手に、伯州綿とSDGsを絡めた講義を行うらしい。
この資料に使われている伯州綿の写真もご自身で撮影されたそう。
毎日伯州綿と接しているからか、とても一般の方が撮影した写真とは思えないほど美しく映っていた。
きっと誰よりも、伯州綿が綺麗に写る撮り方を知っているのだろう。
そんな方が伝える伯州綿だからこそ、より魅力が伝わる。
仕事も生活も180度変わった鳥取県への移住。
つらいことや大変なことも多くあったはずだが、そんなことを微塵も感じさせないで、「楽しい」「来てよかった」と言い切るその姿を、純粋に格好いいと思った。
実施予定のイベント
伯州綿を使った手ぬぐいに始まり、日本全国の手ぬぐいが集まります。
マルシェや伯州綿の収穫体験、マスコット作りなど、目で見て、体験して楽しむことができる催しが盛りだくさんなイベントです。
11月2日、3日に開催されます。
お時間ある方は是非足を運んで、帰りには境港の美味しいお魚を満喫すれば大満足の1日になること間違いなしです。
(イベントの詳細はこちらからご確認いただけます↓)
(徳毛さんの運用するInstagramアカウントも漏れなくご確認ください。)