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心 機 一 転

社会福祉法人鳥取こども学園の職員より、施設や子どもたちの様子をお届けさせていただきます! 今回は、児童養護施設 鳥取こども学園 つくし・こすもす・いろどりブロック長 石田 航のコラムです!

※本記事は、「鳥取こども学園 学園だより 第49号」より転載しております。

今年度より、つくしホーム、こすもすホーム、地域小規模養護施設いろどりのブロック長を担当することになりました。勤続15年、一貫してこすもすホームを担当していたこともあり、自分自身の環境が変わることに不安と戸惑いを感じている次第です。


 思い起こせば15年前の9月、ちょうど鳥取こども学園設立100周年にあたる年に学園での生活がスタートしました。当時は右も左もわからず、ホーム長や先輩職員の背中を見ながら、日々目の前のことをこなすことで精一杯だったように思います。子どもたちと寝食を共にしながら生活することの楽しさを感じる反面、養育することの難しさ、大変さを痛感するようにもなりました。とかく人間関係でのトラブルは精神的にかなり疲弊しますが、ここではそうした場面が少なくありません。自分の中では常識だったものが子どもにとっては全く通用しないことも多々ありましたし、正直逃げ出したくなったことも数多くあります。無視や反発を繰り返し、夜帰って来ない、学校に行かない、学校の池から勝手に鯉を持ち帰る、冷蔵庫にあるはずの抹茶プリンがなくなっているとふてて拗ねる…大きなことから小さなことまで、あの手この手でメンタルを削られて来ました。しかしながら私は今もここにいます。なぜか―そんな仕打ちをして来る彼ら彼女らですが、素直に話を聞いてくれたり、健気に約束を果たそうとしてくれたり、困って泣きながら助けを求めてきたり、無邪気に笑ってみせたり、鯉をきちんと池に戻したり、と天使的な側面を見せてくれる時があるからです。ツンとデレを巧みに使いこなし、私の心をがっちりと掴んでくるのです。そうです、みんなズルいのです。


 余談が長くなりましたが、私の今があるのは紛れもなく子どもたちのお陰です。本当はもっとこすもすホームの職員を続けたいのが正直なところですが、立場は変われど今後も子どもたちに寄り添いながら関わっていけたらと思っています。


 さて、新年度も始まりましたが、新しい環境に不慣れだったり、想定外のことが起こったりしているためか、毎日が怒涛のように過ぎています。つくしやいろどりに入ると幼児軍団が待ち構えており、戦いごっこを挑んできたり、肩車やおんぶを求めてきたりと、子どもたちのパワーに圧倒されています。ここ数年、幼児と関わる環境になかったこともあり、懐かしさを覚えるのと同時に老いを感じているところです。ブロック長としてはまだまだ駆け出しですが、子どもたちからもらった財産を糧に、各ホームをサポートしていけるよう精進していきますので、何卒よろしくお願い致します。

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