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Val Thorens day4〜MIX relay参戦〜

20日目

起床

7:00起床

今日も快晴

疲れていたのか1度も起きずに9時間寝る。
val thorensは7:00でも外は薄暗くてまだ時間感覚が掴めない。今日は快晴予報が的中。山の向こうから明るくなり始め影になる山がとても美しい。
7:30朝食のころようやく明るくなってきた。
朝食は毎日同じメニュー。大きめの卵焼きに、味の濃いソーセージ。マカロニ。ヨーグルトとフルーツミックス、ナッツ、パンとチーズ。朝からお米で力を出したいが無いためマカロニにチーズをかけて頬張る。

午前

9:00まで今日の流れの確認をして、9:15から1時間コーチと一緒に目覚ましスキー。宿から板を履いて10秒も歩けばゲレンデに入る。あーもう最高。

こんな環境に感謝!

スキー場は今日からオープンなのか、昨日までとは打って変わってスキーのお客さんでゲレンデが大賑わい。

街からゲレンデに滑り込める街とスキー場が一体となった街

ゲレンデの端を登り、レース会場まで。今日のMIX relayのコースも付けはじめており、スプリントコースより、長めに登る。これはきつそうだ。

コース最上部

林道をレースペースで緩急をつけて体を動かして、+300m登り気持ちよく斜面を下って宿に帰る。いい朝だ!

気持ちいいターンなど、するー。

部屋に戻り、シャワーを浴びて筋肉を軽くほぐして、11:00ロビーでゼッケンと計測チップバンドを受け取る。
11:30昼食。お昼も炭水化物多めに摂り栄養をつける。

午後

部屋で支度をして、13:45会場へ向けて出発。
14:10頃ついて身支度を整えて。14:20からコースインスペクション。昨日の下見で見た通り通ってみてわかる。急な斜度、緩い斜度が極端で少し間違ったら何十秒も差がつくコース。

見た目よりも急な斜面

夕方スタートもあって雪は凍っておらずグリップがいい湿った雪に。シールはなんでも効きそう。下りは上部は難易度高め。スピードをうまくコントロールしないとタイムロスになる。
スプリントコースは変わらず。
女性からスタートして1分おきにシングルスタート。
今日は予選でリレー方式ではなく、それぞれのタイムアタックで男女のタイムを合わせて明日の本戦出場を決める。

身支度

全体で25チーム。そのうちの24チームが明日へ進み、AリーグBリーグ12組ずつのタイム順で勝負を決める。
1チーム今日で消える。昨日のリザルトからみて出場選手の中では日本チームはどちらも最下位。ここで負けたらみんな予想通りで「あ、日本がいるから大丈夫だな」ぐらいにしか思ってない。フラグは立ってる。

最下位でも1番弱くても準備は誰でもできる。

女性アスリートが次々にスタート。国のアルファベット順で自分は15:43スタート。雪はだいぶ硬くなってきた。後ろにはポーランドの選手。ポーランド選手はスプリントはほぼ大差のないタイム。抜かれなければ望みはある!
スタートは余力を残しつつもスピードを上げていく。前半の急登は大きなストライドで登り、その後も走らずに大きなストライドで歩く。

まだまだ序盤。
でも動画を見ると海外選手と比べて前への推進力
が違う。

今回持ってきたスキンは3枚。全部のスキンオフをダブルでやり、少しでもタイムを削る作戦。なんの問題もなくスキンを取り、滑走へ。チラッとポーランドの選手が登っているのが見えた。

少し登る下りのセクションもある。

下りもインスペクションの時よりも硬く凍っていて難易度が上がる。攻めつつ安定に降り、スキンオンへ。ザックの後ろに忍ばせておいたスキンはなかなかマジックが開かずに10秒ほどタイムロス。焦って貼る時もずれてしまって大きくロス。
しかし登り始めまで後ろは来ていない。トランジットエリアをダッシュで抜けて、あとは昨日のスプリントコースを死ぬ気で登るだけ。それだけ。それがきつい。
3回のジグは昨日動画で改善点を挙げてスムーズに通過。死ぬほど練習した担ぎもノーミスで。ここからが脚が上がらなかった。階段の段差が昨日よりも高く感じる。それでも小さく刻んで走り、スキーオン。ここもノーミス。ここからの急登も動画で見直したことを思い出しへばりついて登る。

死ぬ気で登る。

その後は心臓も肺も脚も痛くて動かなくて何をしているかわからなかった。
スキンオフはスムーズにこなして最後の下り。

スキンオフは確実にこなせる。

そして最後のスキンオン。ここはノーミスでこなすも、2本目を貼ってる時に後ろのポーランドの選手にトランジットエリアで追いつかれる。
最後はダッシュをしてゴール。30秒後にポーランド選手がゴール。
審判員に板を渡して重量を測ってもらう。もちろんOK。

オッツ、ありがとう!
強い。20歳で憧れであり尊敬。

ゴール付近すぐ横の速報を見てあんぐり。あ、こんなに違うの。ふと出た言葉は「まじか…。」
それぐらいショックを受けた。
男性トップはフランスで8'33。女性トップもフランスで9'43。自分は10'42。全体で35番。女性アスリートが9人も前にいる。男性トップと2’09差。1.8km +141m の間でこの差。
言葉が出なかった。
もちろん今日は予選でどれくらいの本気でやったのかは分からない。でも自分は今出せる力は全部出した。それでもこの結果。日本で海外戦に参戦した人から世界との差がすごいと聞いていたが、それが現実として突き付けられると、失笑も、滑り終わった安堵も何もなかった。
ただ悔しい。情けない。スキーもストックも、ぐちゃぐちゃになったシールも全てを雪に投げつける。
1人になりたかった。誰も見たくない。誰とも話したくない。

辛いのも10分程。死ぬ気で走っても届かない。
弱い。それだけ。

オリオルがそんな自分を気にかけてくれて声をかけてくれた。憧れの選手に優しい言葉をかけてもらって、思ってる感情が溢れ出した。

こんななんともない写真を撮ることしかできない

オリオル、本当にありがとう。
1人クールダウンをする。なにも考えることなくダッシュをしてみる。何も考えることなく滑る。
世界には歯が立たなかった。結局ポーランド選手と12秒差で最下位。女性も大差で最下位。MIXの総合リザルトの最下位に日の丸がある。やるせない情けない気持ち。

この気持ちはいつか必ず拭ってみせる。絶対に日の丸を上位に食い込ませてやる。情けない気持ちを忘れないためにnoteに細かくつづる。

ふと見た外は美しかった。

絶望した気持ちで何も考えたくなくて宿までの下りは
ターンせずに真っ直ぐ帰る。もう今日で終わり。帰ったら身支度をしよう。

着替えて、シャワーを浴びて一緒に洗濯物を洗う。
そんな時コーチが「うぉぉい!明日出れるぞ!」
「?」「明日のリーグにJapan入ってるぞ!」「?」
急いで体を拭いて出て携帯を確認するとFINAL B にJapanの文字が。なんかの間違いだろうと思っていると、ISMFの規定でFINALに残れるのは1国6組まで。フランスが7組出していたので1組空きが出来てそこに日本チームが入ったらしい。

でも全く嬉しくない。ギリギリならまだしも大差で負けているから、出てもどうなるかは見えている。出場が決まってからは気持ちの整理が全くつかなかった。
 
19:30夕飯を食べる。
周りの選手と自分との実力の差がはっきりと分かり同じ空間にいるのが恥ずかしく感じる。

就寝

20:30部屋へ。
やるしかない。
明日は10:00 FINAL B スタート。自分の10'42よりも速く帰ってくる。それだけだ。それより上を見るのは今はできない。そんな気持ちではない。そんな気持ちではいられない。
寝て明日に備えよう。終わったら帰国だ。
あと2日。

22:00就寝7:10起床

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