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+夏のはじまり





ああ、これでやっと夏が終わった。

花火をやるまで夏が終われない!と君が手持ち花火を買ってきたのは少し肌寒くなってきた夜のことだった。
外に出ると星と月が近くに見えてとっくに夏が去ったことに気付いた横で、明らかに季節外れのそれを君はとても楽しそうに開け始めている。
花火で照らされた少しの間だけ見える楽しそうな表情に、どれだけ安心させられているかきっと君は知らないだろうけど、そんなことはずっと知らなくていいとまで思う。

最後の線香花火を見ながら、また来年も、があるのだろうかと浮かぶ不安を一緒に地面に落として。



また来年もしようね、と笑う君の手を取ったこの夜を僕は何度も思い出す。
そんな夏のはじまり。

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