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20220311ワークショップ③豊平

開催日時:2022年3月11日 13:30~15:30
場所:グレイスヴィルまいづる-東京(Zoomオンライン)
内容
1. K2さんとトークセッション
1-1 ストレッチ
1-2 まねしあう
  途中から浦岡さんギター
2. Mさんとトークセッション、途中からNさん
2-1 Mさんとトーク
   Nさんとトーク
2-2 ストレッチ
2-3 ダンス
  途中から浦岡さんギター

***
豊平豪(文化人類学・torindo)


 砂連尾さん浦岡さんが、K2さんについて書いたので(この砂連尾さんとK2さんのダンスは、浦岡さんのギター伴奏も併せて、とつとつダンス史上でも屈指のものだったと思う)、僕はMさんとNさんについて描こうと思う。

 MさんとNさんは砂連尾さんのダンスワークショップに初めての参加。新型コロナ感染症対策で、グレイスでは大勢での集まりが禁じられていたので、いつものロビーではなく、入居者のところへ浦岡さんがオンラインの道具をもっていく施設内出張型ダンスワークショップとなった。おかげで、MさんやNさんと初めて「出会う」ことができた。

 今回、お二人と砂連尾さんは、ダンスというよりも会話をした。こんなにじっくりと参加者と話す機会はこれまでのとつとつダンスにはなかったといってよい。僕自身は人類学を勉強していたということもあって、会話をしながら相手を理解しようとする行為にはなじみがあるし、観るのも大好物だ。

 Mさんはライフヒストリーを語るとき、静かにおだやかに、はにかんでいる。大笑いというより、終始にこにこしている感じ。末っ子として生まれ、ずっと農家をしていた実家の敷地内に住んできた。夫は学校の先生。「もう亡くなった」と小さく、やさしく笑う。喪失の痛みを苦労して消化したことが伝わってくる(実際には夫さんはお亡くなりになっていないけど、とにかく)。ほんとにかわいらしい。

 Nさんはニヒルなダンディ。ニヤッと口角の右端が上がっている。農家として米を作っていた。人を傷つけるようなことはいわない。自分を抑制し、冷静に意見を述べようとしている。僕は舞鶴にいた間、こういう人に何度も会ってきた。僕には「ザ舞鶴人」のような気がする。今回砂連尾さんと体を動かしていたときは居心地が悪そうだった。のに、砂連尾さんから「動いてみてどうでしたか」ときかれると、「たのしかったで」と応える。いやー素敵だ。

 K2さんからの流れで、Mさん、Nさんとのダンス中も、浦岡さんの即興ギター伴奏はさえわたっていたと思った。終了後、砂連尾さんが「浦岡さんのギターはいかがでしたか?」と尋ねると、Mさんは「何も感じなかった」、Nさんはやさしく「静かでよかった」との返事。大笑いした。

 音楽があると場が引き締まると思うのは、僕の勝手な感傷なのかもしれない。

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