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不登校先生 (44)

7月31日土曜日。

真夏の暑さが世界を包んでいるような晴天の夏日に、

礼服のスーツと、白のネクタイ。

今日は、あーさんの結婚式と披露宴だ。

あーさんは、本当に奇麗で。幸せそうで。

職場で相棒の時のあーさんの顔しか見ていなかった僕は、

「あーさんは、そっかまだ20代の女の子だったんよね。」

相棒としてのしっかり者で、頼もしいあーさんの印象が当たり前すぎて、

夫さんと一緒に式を挙げる彼女がとてもキラキラしていて。

よかったなぁ。と感じるばかりの一日だった。


そんな今日、僕は今年度の任用を、退職した。


15年前の夏休み、僕は一度目の大きな挫折を味わった。


あれから15年。二度目の挫折は、自分で自分の状況をしっかりと見つめて


自分で考えて選択して、退職。という選択を選んだ。


この状況がどうなっていくのかに不安はある。


けれど、自分の命と生活を守りながら療養に専念するために、


「何とかなるさ」ではなくて、


「どうしたらいいか」を一つ一つ道筋をつけて、


動いていこう。今の自分を自分で守っていこう。


あーさんの姿に、また元気をもらえて、


明日からの自分のことを考える。


気持ちは、そう「不登校先生」のままだけど。


今日から社会的には、うつ療養中の無職の中年。


僕自身が生きていくために、やらなきゃいけないことを、


あーさんを祝えて、気持ちが少し上がっている間に。


やるべきことをぬかりなく。

↓次話




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